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関東大学春季大会A 対流通経済大学戦

関東大学春季大会A 対流通経済大学戦

2018/06/03

6月3日(日)・百草グラウンド
○帝京大学(勝点19)82-17流通経済大学(勝点4)●
 



《帝京大学》

[FW]
(1)岡本(2)清水⇒上片(3)淺岡⇒當眞(4)ロガヴァトゥ⇒トンガタマ(5)秋山(6)藤田⇒野田(7)菅原(8)マクカラン(ブ)⇒渡邉
[BK]
(9)小畑(10)北村(11)竹山(12)岡村⇒マクカラン(二)(13)本郷⇒土永(14)尾﨑(15)奥村⇒井上


《流通経済大学》※先発のみ

[FW]
(1)藤田(2)松田(3)西村(4)カペネ(5)平井(寿)(6)坂本(7)佐々木(8)積
[BK]
(9)北原(10)中川(11)河村(12)平井(継)(13)ムゼケニエジ(14)タカヤワ(15)桑江


【前半】【得点経過】

【6分】帝7-0流
スクラムからNo8マクカラン(ブ)-SH小畑-WTB竹山へと渡り、竹山が前進。つかまってラックになるも、SO北村が拾ってトライ。ゴール成功。

【11分】帝14-0流
ラインアウトからモールで前進。ラックになり、さらにFWで連続攻撃。FL菅原が持ち出し、飛び込んでトライ。ゴール成功。

【17分】帝21-0流
ラインアウトからモールを形成。押し切って、LOロガヴァトゥがトライ。ゴール成功。

【21分】帝21-7流
スクラムから攻められ、トライを奪われる。

【28分】帝28-7流
クイック・スローインからWTB竹山が大きく前進し、さらに連続攻撃。ラックからSH小畑-CTB本郷-CTB岡村-FL藤田-WTB尾﨑へと渡り、尾﨑が抜け出してトライ。ゴール成功。

【38分】帝35-7流
ラックでターンオーバーして連続攻撃。乱れたボールをWTB竹山が拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。



【後半】【得点経過】

【1分】帝42-7流
ラインアウトからモールを形成。SH小畑-FB奥村へと渡り、奥村が抜け出して、走り切ってトライ。ゴール成功。

【5分】帝49-7流
相手のキックしたボールをFB奥村がキャッチし、カウンターアタック。そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。

【8分】帝49-12流
ラインアウトから抜け出され、トライを奪われる。

【15分】帝56-12流
相手のキックしたボールを拾って、連続攻撃。ラックからSH小畑-WTB竹山へと渡り、竹山が抜け出してトライ。ゴール成功。

【29分】帝63-12流
相手ボールのラインアウトを奪って連続攻撃。WTB尾﨑が抜け出し、大きく前進。インゴールで襟をつかまれるペナルティを受け、ペナルティトライ。

【32分】帝70-12流
相手のノックオンしたボールを拾って、連続攻撃。ラックから、SH土永-LO秋山-FLトンガタマ-CTBマクカラン(二)-FB井上-WTB竹山へと渡り、竹山が抜け出してトライ。ゴール成功。

【36分】帝75-12流
スクラムからSH土永-WTB尾﨑へと渡り、尾﨑が抜け出してトライ。

【41分】帝82-12流
ラインアウトからFWで連続攻撃。ラックからLO秋山が持ち出してトライ。ゴール成功。

【45分】帝82-17流
スクラムから攻められ、トライを奪われる。




《BRIEF REVIEW》

春季大会第4戦の相手は流通経済大学。試合前、岩出監督は流通経済大学の留学生選手がかぶっていた麦わら帽子と、自身のかぶっていたチームキャップを交換するなど、ラグビーならではの和やかな交流があった。しかし、ゲームが始まるとお互いの熱さがぶつかり合う。試合が動いたのは6分。LO秋山のキックチャージからゴール前でスクラムのチャンスを得る。スクラムからの展開でWTB竹山が前進。つかまるが、SO北村が持ち出し、ゴールポストマットの足元に冷静にグラウンディングして先制トライを奪う。ここからさらに連続トライで帝京が大きく突き放す。前半、5トライをあげ、35-7で折り返した。ハーフタイム、岩出監督からは『もっと自身のスタンダードを上げるため、一生懸命さを出していくこと』『ファーストジャージを着ている意味を考えて、着られなかったメンバーがあのジャージを着たいと思えるプレーをすること』とのアドバイスがあった。その言葉を受け、後半もトライを量産する。FB奥村が軽快な走りを見せ、連続トライを奪うと、竹山、尾﨑の両WTBも力強い走りで2トライずつを奪う(尾﨑の1トライは記録上ではペナルティトライ)。守っては、相手の大きな選手たちにも低いタックルをし、大きな前進を許さない。暑さのため、足がつる選手もいたが、最後まで全力で走り続ける。82-17でノーサイド。帝京が春季大会3勝目をあげた。






《POST MATCH INTERVIEW》

■岩出雅之監督
「今日は、いいところもたくさんありましたが、雑になってしまったところもいくつかありました。ですが、今の時期はまだ、チャレンジしての失敗はたくさんしてもいいと思っています。大事なのは、その失敗を経て、練習や試合で次にどのような形を出してくれるかだと思っています。ただし、大前提として、一生懸命プレーするということがあります。一生懸命になりすぎて過緊張になっているとか、力が入りすぎていて、仲間から『リラックスしよう』と声を掛けられるのはいいのですが、逆に一生懸命さが足りず、仲間から『気合いを入れろ』と言われてしまうのはよくありません。そこを一人一人が当たり前のスタンダードとして持っていれば、ミスもミスにはなりませんし、いいプレーの中にも雑な部分を見出し、成長につなげることができるはずです。次戦は春シーズンの最終戦。集中力を発揮して、今後のさらなる成長を期待できるゲームにしてほしいと思っています。最後になりましたが、流通経済大学の選手、スタッフ、関係者の皆様に感謝を申し上げます。」

■キャプテン・LO秋山大地(4年)
「今日はみんなの中にアタックするメンタリティがずっとあって、それを続けられたのはよかったのですが、ディフェンスですごく簡単にトライを取られてしまっていたので、ディフェンスの粘り強さをもっと磨いていかないといけないと感じています。ボールが乱れた時のリアクションが遅いことが原因の一つだったと思っています。自分たちのレベルの低さを実感させられました。次は、春シーズンのラストゲーム。この春にやってきたことをしっかりとぶつけて、まずは春の集大成になるような、ベストゲームをしたいと思います。」


 

■SHとしてもSOとしても存在感を見せた・SH・SO小畑健太郎(4年)
「今日の前半は自分のやるべきことが出せたと思うのですが、後半、バテてきたとき、点差が開いたときに相手に得点されてしまい、80分間、集中して、最後まで丁寧にやり切れず、次への修正点や課題が出てきました。途中からSOに入ることになり、80分間、出させていただいたことはとてもうれしいのですが、チーム・コントロールがまだまだだったので、SHとしても、SOとしても、もっとゲーム理解を深めていかなければならないと思いました。練習からどちらもやることを意識してやっていきたいです。チーム全体としては、練習でやっていることを試合で出すことができているので、そこはいいのですが、あとは80分間、やり続けるという部分だと思います。リーダーシップという点では、秋山からも『BKは頼む』と言われていて、そこは信頼されていると思うので、自分が下級生のときにリードしてもらったように、その経験を活かして下級生をリードしていきたいです。次戦は春の最終戦ですが、Aチームでファーストジャージを着るという誇りを忘れず、他のメンバーが『あのファーストジャージを着たい』と思うような試合を全員でしていきたいと思います。」


 

■後半途中出場で攻守ともにいいプレーを見せた・FB井上亮(3年)
「後半の途中からの出場になりましたが、アップの時から、いつ出てもいいようにと思って準備していました。また、自分の持ち味であるボールキャリーを前面に出していこう、短い時間でも自分のやるべきことをしっかりやっていこうと思って、試合に臨みました。自分が出場した時間帯は、すでに点差がついた状態で、相手も疲れて足が止まった状態だったこともあり、ボールキャリーで前に出られた場面もありましたが、今後は相手が元気な時間帯でも同じように突破できるようにすることが必要になってくると思っています。それをここからしっかりと身につけていきたいです。また、今後はFBだけではなく、複数ポジションをできるように練習していきたいです。今日はディフェンスの機会が多くはなかったのですが、自分としては前に出るディフェンスができたと思うので、ここは自信にして、今後につなげていきたいです。ここから、自分の持ち味、強みを少しでも多く身につけ、メンバーに選んでいただけるように、コツコツ積み上げていきたいと思います。」
 






《PICK UP PLAYERS》

自身の強みを把握し、大きく成長

LO 野田 響(2年)
NODA HIBIKI


 

医療技術学部スポーツ医療学科
荒尾高校出身
身長187cm/体重107kg

■今日のゲームを振り返って、感想を聞かせてください。
「自分の強みであるボールキャリーの部分があまり出せなかったのと、ディフェンスで抜かれたシーンがあり、課題が出たゲームになりました。次に向けて、改善していきたいです。」

■前の試合ではいいボールキャリーがあったと思うのですが、今日は何が違ったのでしょうか。
「まずはいいキャッチをしてからのいいキャリーなのですが、今日はキャッチがうまくいかなかったところがありました。まだまだ自分の足りない部分だと感じました。」

■今日は前半30分からと、予定より少し早く出場することになったようですが、その点はいかがでしたか。
「そうですね。当初、思っていた時間帯よりは少し早かったのですが、出るからには自分の全力を出そうと思って出ました。」

■では、気持ちの部分では問題なく入れたのですね。
「はい。気持ちの部分ではいい形で入れたと思うのですが、それがプレーにつながらなかったので、まだまだ改善点がたくさんあると気づかされました。」

■それも経験しないとわからなかったことですね。
「はい。いま、こうしてチャンスをいただいていますが、このチャンスをもっと活かして、自分の強みであるボールキャリーの部分をさらに出していけたらと思っています。」

■セットプレーはいかがでしたか。
「今日、最初に入ったプレーがスクラムだったのですが、僕が早く押してしまってアーリープッシュになってしまいました。僕が勝手に先走ってしまったプレーで、完全に僕の責任です。きちんとPRとコミュニケーションを取らなければいけませんでした。」

■自分自身で成長したと感じる部分はどんなところでしょうか。
「1年生の時はずっとケガがあって、新シーズンになってやっと試合に出られるようになったのですが、そこで自分の身体を活かせるのはボールキャリーだと思って、どんどん前に行こうと意識してプレーするようになりました。でも、もっともっと成長できる部分があると思うので、見つかった課題を改善していきたいです。」

■今後に向けて、意気込みをお願いします。
「強みであるボールキャリーをさらに強くして、課題であるディフェンス、特にタックルと横とのコミュニケーションをしっかりやること。そして、もっともっと体を大きくして、コンタクトを強くしていきたいです。」


この日は、予定よりもやや早い、前半30分からの出場。本人は「気持ちは入っていたが、それがプレーにつながらなかった」と反省するが、攻守ともにしっかりと自身の役割を果たしていた。自分の強みはボールキャリーだと、ある意味、開き直って、そこに意識を集中させてプレーに臨むようになったことで、その強みを積極的に出していけるようになった。さらに、経験を重ねるとともに、克服すべき課題もわかってきた。夏、そして秋に向け、大きな成長が期待できそうだ。





《COLUMN》

―― 一生懸命にプレーするということ ――

この日のハーフタイム、岩出監督は選手、そして部員たち全員にこんな話をしました。

「気持ちが入りすぎてしまっていて、周りから『リラックスしよう』と言われるのはOK。でも、気持ちが入っていなくて、周りから『気合いを入れろ』と言われるのはNG。気合いは自分で入れてグラウンドに立っているのが、ファーストジャージを着る者にとっての最低限の準備」。

そして、一部の選手には「一生懸命さが足りない」という話もしました。

この話の流れだけだと、その一部の選手はまったく気合いを入れずにプレーをしていたかのように感じてしまうかもしれませんが、本人としては手を抜いていたわけではなく、自分なりに一生懸命やっていたはずです。しかし、結果としては、求められた水準のプレーができなかったということでしょう。

岩出監督の「一生懸命さ」とは、「がむしゃらにプレーする」という意味ではないはずです。では、どういうものなのでしょうか。そのヒントは、続けて発せられた別の言葉の中にありそうです。

「試合中に急に足が速くなることはない。足が遅くて相手につかまっても、一生懸命さを出していけば、君の周りにいるプレーヤーたちは君のために喜んでサポートする。」

「自分だけの判断で軽いプレーをしてしまうと、仲間も迷ってしまい、ついていけなくなる。そんなプレーをするくらいなら、まっすぐ強く相手に当たっていく方がいい。」

ラグビーは一人ではできません。周りの仲間と連携し、チームが同じ方向を向いて、意思が一つにならないと勝てません。どんなにボールキャリーがうまい人がいても、最初から最後まで一人でトライを量産できる人はいません。どんなにタックルがうまい人がいても、対戦相手の15人全員を一人で止め続けられる人はいません。

仲間を信頼するからこそ、目の前のディフェンスに集中でき、一緒に走って、いざという時に体を張ってぶつかっていけます。攻撃時でも同様です。逆に、信頼できない仲間のプレーには、ここで自分がこのプレーをしてもいいのかどうかと、迷いが生じてしまうこともあるでしょう。

岩出監督の言う「一生懸命さ」には、もちろん「気合いを入れてプレーする」という意味もありますが、同時に「これまで練習で何度も確認してきたプレーをきちんとやる」「仲間が迷わないような、しっかりとしたプレーをやる」、つまり「仲間の信頼を得られるようなプレーをする」という意味も含まれているのではないでしょうか。

スコアの上では大差だったこの日のゲームですが、選手たちはその中から点差以上にとても大きな気づきが得られたはずです。
 

 
 


《THE NEW FACE》

ニューフェースたちの声を紹介します。


WTB 西川虎哲(1年)
京都成章高校出身
身長168cm/体重72kg

「自分は、アタックで相手を抜いていくプレーを得意としています。ただ、ずらして抜いていくことはできても、相手を置き去りにするスピードが足りないと感じています。帝京大学ラグビー部に入って感じたのは、基礎練習がとてもしっかりしているということです。基礎練習を徹底してやっていることが、試合でも活かされていると思うので、そうしたラグビーのベーシックのところはすごいと感じています。春シーズン、Aチームの試合にも出させていただきましたが、今後も試合に出られるように、練習も私生活も頑張っていきたいです。」


SO・FB 金裕平(1年)
東京朝鮮高級学校出身
身長173cm/体重77kg

「自分の強みはキック、そしてタックルです。課題はSOとしての視野の広さ、ゲームメイクのレベルがまだ低いので、その部分を勉強して、ゲームを作れるようにしていきたいです。帝京大学ラグビー部に入って、一つ一つの練習や練習以外のことにも意味があると学びました。また、それらはすべて社会に出たときの自分の人生につながっていることを学ぶことができています。今年1年、まずは体づくり。そして、基礎の部分をしっかりやって、将来は上のチームで活躍できる選手になりたいです。」


SH 杉原駿(1年)
大阪桐蔭高校出身
身長172cm/体重70kg

「SHとして、足の速さを活かしたサイドアタックを強みとしています。課題は、岩出監督からもよくアドバイスをいただくのですが、『足は速いが、パスのスピードが遅い』ので、パスのスキルを上げていきたいです。帝京大学ラグビー部は、先輩たちが尊敬できる方々ばかりです。僕たちのような入部したばかりの者とは考え方が全然違うし、行動力もすごいと感じています。お手本となる先輩方がたくさんいるので、いろいろなことを吸収して、人としてもプレーヤーとしても成長していきたいです。」




《NEXT MATCH》

関東大学春季大会A
対慶應義塾大学(https://www.kurfc.com/)
6月10日(日) 富山県総合運動公園陸上競技場
14時キックオフ


(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
 

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