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関東大学春季大会A 対大東文化大学戦

関東大学春季大会A 対大東文化大学戦

2018/05/16

5月13日(日)・百草グラウンド

○帝京大学(勝点7)38-17大東文化大学(勝点6)●
 


《帝京大学》

[FW]
(1)岡本⇒細木(2)呉⇒清水(3)淺岡⇒當眞(4)ロガヴァトゥ⇒トンガタマ(5)秋山(6)菅原(7)申⇒藤田(8)マクカラン(ブ)

[BK]
(9)小畑⇒土永(10)北村(11)西川⇒竹山(12)マクカラン(二)⇒吉本(13)本郷(14)木村(15)奥村


《大東文大学》※先発のみ

[FW]
(1)古畑(2)柴﨑(3)藤井(4)服部(5)ファカタヴァ(タ)(6)トゥイプロトゥ(7)篠原(8)湯川

[BK]
(9)南(10)大矢(11)土橋(12)タヴォ(13)畠中(14)朝倉(15)鈴木




【前半】【得点経過】

【1分】帝5-0大
FL菅原が相手からボールをもぎとり、ターンオーバーして連続攻撃。ラックからSH小畑-CTBマクカラン(二)-CTB本郷-FB奥村-No8マクカラン(ブ)-WTB木村と渡り、木村が抜け出してトライ。

【11分】帝5-7大
スクラムから攻められ、トライを奪われる。

【28分】帝10-7大
ラインアウトからモールを形成。HO呉が持ち出し、SH小畑-WTB西川と渡り、西川がトライ。

【31分】帝10-12大
ノックオンしたボールを拾われ、つながれて、トライを奪われる。

【43分】帝10-17大
スクラムから攻められ、トライを奪われる。



【後半】【得点経過】

【3分】帝17-17大
スクラムからCTB本郷が前進。ラックからSH小畑-LOロガヴァトゥと渡り、ロガヴァトゥがトライ。ゴール成功。

【9分】帝24-17大
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH小畑-SO北村と渡り、北村がインゴールへキック。WTB木村が追いついて、押さえてトライ。ゴール成功。

【13分】帝31-17大
ラインアウトから連続攻撃。ラックからPR淺岡が持ち出してトライ。ゴール成功。

【31分】帝38-17大
クイック・スローインから連続攻撃。ラックから、SH小畑-FB奥村と渡り、奥村が抜け出してトライ。ゴール成功。




《BRIEF REVIEW》

春季大会第2戦の相手は大東文化大学。力強さを武器にする相手に対して、帝京もしっかりと強さを出していきたい。開始早々、先制したのは帝京。FL菅原が、相手の持ち込んだボールをもぎ取るようにターンオーバーすると、そこから展開。WTB木村まで渡り、トライを奪った。11分に逆転トライを奪われるが、帝京は相手の力強い攻撃にもしっかりと体を張って止め、攻撃に転じる。何度もゴール前まで運び、インゴールに迫るが、最後の最後でグラウンディングが認められずに得点できないシーンが続く。28分にはWTB西川が公式戦初トライを奪って逆転するが、その後、ミスからの失点が続き、10-17で前半を折り返した。前半の途中から降り出した雨もあり、ハーフタイムには岩出監督から「もう少しエリアを意識してやろう」というアドバイスがあった。後半はそのアドバイスのとおり、攻めるべき場面とエリアを取るべき場面の選択を的確に判断。敵陣でプレーする時間帯も増え、おのずと得点チャンスも増えていった。LOに入ったロガヴァトゥ(ゲームMVPを獲得)のトライを皮切りに、4トライを奪取。後半から入ったWTB竹山がゴールキックをすべて決め、守っては最後まで激しいタックルを見せ、相手を無得点に抑えて、38-17でノーサイド。帝京が今季初勝利を飾った。


  
  


《POST MATCH INTERVIEW》

■岩出雅之監督
「今日の前半は少し型にこだわりすぎた部分があり、また相手の激しさもあって、失点がやや多くなりました。ですが、学生たちの必死さ、一生懸命さは伝わってきましたし、実際、大きくて強い相手に対しても、多くの場面で激しさを前面に出していたと思います。後半は、雨が激しくなったこともあり、エリアを意識して戦えたのが結果につながったと思います。大東文化大学さんの激しく、厳しいプレーはわれわれを本気にさせてくれましたし、学生たちは試合中に真剣に考えることも多かったと思います。今後はこうした本気のプレー、真剣に考えるプレーを厳しい試合の最中だけでなく、練習でも同じようにやってくれたら、必ず大きな成長につながっていくと思っています。最後になりましたが、ノーサイドの瞬間まで厳しいプレーを続けられた大東文化大学さんに敬意を表しますとともに、スタッフ、関係者の皆様に感謝申し上げます。」


 

■キャプテン・LO秋山大地(4年)
「今日は前半、一本目のトライをいい形で取れたのですが、そのあと、相手の攻撃を受けてしまい、オフロードパスをつながれるシーンも多くありました。後半は、そこを修正して、まずは受けずに前に出続けること、あとは相手陣でラグビーをしようということを意識して臨み、それができたことでこの結果につながったので、すごくよかったと思います。チームは前の試合での敗戦で、一人一人が『このままではいけない』『帝京の文化に乗っかるだけで勝ち続けられるわけではない』とわかり、生活面もラグビー面も見直して取り組んでいこうという気持ちになっていると思います。負けた悔しさがあって、練習の雰囲気もすごくよくなっています。まずは今日の一勝を受け止め、でも、これに満足することなく、もっと成長して、いいラグビーができるように、次戦も80分間、チャレンジし続けたいと思います。」
 



■公式戦初トライも消極さを反省・WTB西川虎哲(1年)
「Aチームで出場させていただいたのは2戦目で、戦術なども少しずつ理解し始めているのですが、今日はコールなど積極的な部分が出せなかったので、個人的にはいい試合とは言えないと思っています。まだ緊張してしまうところもありましたし、声を出せていないのは『遠慮』があったという言葉が適切かはわかりませんが、まだまだ消極的だったと思います。同じポジションの竹山さんは寮の部屋もいっしょで、いつも近くにいてくださって、たくさんのことを教えてくださいます。すごくいい先輩です。春シーズンは敗戦からのスタートでしたが、この悔しさを力に、試合ごとにどんどん成長していけるようにしたいと思います。」
 



■後半から出場し、流れを一変させた・WTB竹山晃暉(4年)
「今日は自分としては、昨年度の大学選手権決勝以来の試合ということで、マインドセット、気持ちの部分をしっかり作ることを意識して臨みました。明治大学戦での敗戦は、出ていた仲間も悔しかったと思いますが、自分は出られずに負けた悔しさがありました。チームのバイスキャプテンとしての役割を果たせなかったことが、とても悔しかったです。そこから今日まで、ずっとマインドセットを意識してきて、今日はいい状態で試合に入れたと思います。敗戦の悔しさを忘れず、エネルギーに変えて、毎日、いいトレーニングができていると思いますし、今シーズンを振り返ったとき、『あそこで負けてよかった』と言えるように、今はまだ言えませんが、最後にそう言えるような一年間にしていきたいです。自分は4年生、バイスキャプテンとして、自分が先輩方にしていただいたように、後輩たちを引っ張っていくことが役割なので、練習でも試合でもしっかりやっていきたいです。今年のチームは伸びしろが大きく、まだまだ成長できると思うので、今日の勝利に満足することなく、次の東海大学さんとのゲームにも全力で臨みたいと思います。」
 






《PICK UP PLAYERS》

身体を張り続け、学生コーチとしての信頼感も強めたい

HO 呉 季依典(4年)
GO KIENORI
 


医療技術学部スポーツ医療学科
京都成章高校出身
身長177cm/体重99kg

■今日のゲームを振り返って、感想をお願いします。
「前半は少しもたついたところもあったのですが、ハーフタイムに監督から『集中力も高いし、一生懸命やっているけれど、その中でもう少し柔軟にやっていこう』という話があり、後半はそれがいい形で表れて、いい結果につながったと思います。しっかり勝ち切れてよかったです。」

■いいタックルを何度も見せていましたが、試合中、足を気にしている場面もありました。大丈夫でしょうか。
「いえ、ただ足がつりそうになっただけです。ケガとかではなく、完全に僕の準備不足です。」

■今日はセットプレーに関しては、どう感じていますか。
「自分たちのやるべきことは明確になっていたのですが、その中で相手のスクラムに対して対応できなかったところがあり、そこは課題として出たと思います。あとは自分がレフリーともっとコミュニケーションを取っていかなければいけないと思っています。」

■前の試合後、チームに何か変化はありましたか。
「チームとしてはネガティブには捉えていなくて、同じことを繰り返さないようにしっかりと準備をすることが自分たちにできることなので、そこに集中していこうとしています。悔しさを忘れないことも大事なのですが、過去にとらわれていても成長にはつながらないので。チームは今、練習にも試合にも、とてもいい雰囲気で取り組めていると思います。」

■前の試合が、チームにはむしろいい影響を与えているようですね。
「まだそう言い切るには早いかもしれませんが、自分たちにはあの負けがいい形で表れてきていると思います。」

■プレーヤーという立場に加えて、学生コーチとしての役割もありますが、その役割にはどのような意識で取り組んでいるのでしょうか。
「まずはプレーヤーとして一番前で身体を張り続けることが、みんなへの説得力につながると思うので、ケガをせず、グラウンドに立ち続けることが第一。それに加えて、言葉の部分でもしっかりとリーダーシップを発揮していきたいと思っています。」

■今後に向けての意気込みをお願いします。
「一試合一試合、いい準備をして、いい積み重ねをしていくだけです。まずは次の東海大学さんとの試合に向けて、しっかりと準備していきたいと思います。」


昨シーズンまではケガもあり、また、同じポジションに堀越キャプテンという存在もいたため、Aチームでの出場機会は限られていたが、今シーズンはここまでの2試合で先発出場を果たしている。周囲も認める激しさと強気な性格の持ち主だが、それゆえにケガも多かった。今シーズンは、本人の口からも「ケガをせず」という言葉が多く聞かれるように、グラウンドに立ち続けて身体を張ることでチームの信頼を得て、それを裏付けとしてリーダーシップを発揮したいと考えているようだ。この日のゲームでも激しいタックルを何度も見せた。シーズンをケガなく過ごせれば、練習でも試合でも、チームを引っ張るリーダーの一人として、大きな存在感を見せてくれるはずだ。




《COLUMN》

―― 練習の真剣度と試合の真剣度 ――

この日の試合、帝京は今シーズン初勝利を挙げましたが、前半は10-17とリードされての折り返しでした。しかし、ハーフタイムで選手たちを迎えた岩出監督は、まず選手たちの激しいファイトを称えました。

その上でこんな話をされました。

「みんな、このゲームの激しさ、厳しさの中で、真剣にプレーし、必死で考えたと思う。その真剣さ、必死さを練習から出していけるようにしよう。」

あえて、出場選手に試合のアドバイスをする前に、練習への活かし方について、ベンチを囲む全部員に先に伝えていました。本気の取り組みの大切さを体感し、
その経験を練習に活かすことを、先に皆に実感させておきたかったようです。 

これは一人一人の真剣さ、必死さはもちろん、お互いのコミュニケーションの部分にも当てはまります。練習でできていないコミュニケーションをいきなり試合でやろうとしてもできません。

これは「試合のような激しさを練習でも出す」という意味ではないでしょう。そうではなく、練習のための練習とか、課題をこなすだけの練習ではなく、常に試合での場面を想定した練習をやろう、試合での緊張感をもって練習に取り組もうということでしょう。

練習というのはルーティーンになりがちですから、常に「試合のような真剣度」を保つというのは簡単ではありません。しかし、「練習の真剣度」を「試合の真剣度」に近づける意識はとても大切です。

そのためにもまずは、真剣度の高い試合を数多く経験すること、そしてその真剣度を体に染み込ませて、練習のときにいつでも自分で引っ張り出せるようにすること。

これができるようになると、練習内容の体得度も大きく変わり、成長度も格段に高まっていくはずです。

この日、多くの選手が、試合で得られるものはプレー面での修正点だけでなく、マインドの修正点、成長点もあると気づけたようです。


 
  
  
  

《THE NEW FACE》

ニューフェースたちの声を紹介します。


No8 中野光基(1年)
大阪桐蔭高校出身
身長180cm/体重102kg

「自分のアピールポイントはボールを持ったときのキャリー能力の高さです。課題はスタミナで、試合の中でバテてしまうことがあるので、これからフィットネスを高めていきたいと思っています。帝京大学ラグビー部は、考え方の部分、先輩たちの意識が本当に高いと感じます。自分も見習っていきたいです。今後は、まずはフィジカル強化に努めながら、上のチームでも活躍できるようにしていきたいです。」


PR 山本渓太(1年)
國學院大學久我山高校出身
身長177cm/体重102kg

「自分のアピールポイントは姿勢の低いスクラムです。セットのときにできるだけいい姿勢をとれるように意識して、準備しています。課題はタックルです。飛び込むタックルをしてしまいがちなので、もっとしっかり相手を見て、踏み込んで、強いタックルができるようにしたいです。帝京大学ラグビー部では、練習のときの一つ一つのルールが細かく決められていて、それができないとみんなで注意し合ったりして徹底されているところがすごいと感じました。今後は、一日でも早く上のチームに上がって、チームの勝利に貢献できるように頑張りたいです。」


PR・HO 泓城蓮(1年)
関商工高校出身
身長180cm/体重107kg

「自分の強みはボールキャリーです。ただ、身体がまだまだ弱いので、できるだけ低く当たるように意識しています。また、スクラム等のセットプレーの安定感がまだまだなので、まずはしっかりと体づくりをして、セットプレーを安定させられるように頑張りたいです。帝京大学ラグビー部では上級生がいろいろな仕事をされ、たくさん働かれるという話は聞いてはいたのですが、思っていた以上にいろいろな役割をされていて、本当に尊敬できる先輩方を見て学ぶことができています。今後は、まずは体づくりに励んで、少しでも上のチームに上がってプレーできるように、土台作りからしっかりやっていきたいです。」



《NEXT MATCH》

関東大学春季大会A
対東海大学(https://seagales.com/
5月20日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ


(文/木村俊太・写真/志賀由佳

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