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全国大学選手権大会・1回戦 対福岡工業大学戦

全国大学選手権大会・1回戦 対福岡工業大学戦

2011/12/20

16トライで圧勝! 3連覇へ勢いのつく好スタート


12月18日(日)・レベルファイブスタジアム
○帝京大学 96-6 福岡工業大学●



《帝京》
1吉田⇒佐藤 2白 3西村⇒前田(龍) 4小瀧⇒木下 5マニング 6ボンド 7松永⇒小山田 8李⇒橋口
9滑川 10森田 11菅谷⇒小野 12南橋 13南藤 14伊藤(拓)⇒中村(亮) 15竹田

《福岡工業》※先発のみ
1松波 2京屋 3大神 4中島 5大小田 6森下 7下川 8川久保 9田代 10中村 11日高 12青谷
13福島 14丸野 15南


いよいよ始まった大学選手権。一回戦の相手は福岡工業大学。三連覇に向かっての緒戦と見る向きも多いが、帝京としては自分たちのラグビーに徹するのみ。しっかりとした戦いで勝ち上がり、今後へ勢いをつけたいところだ。

【前半戦】

開始早々、帝京はいきなりの先制パンチを浴びせる。FB竹田の前進で作ったラックからBKに展開し、WTB伊藤(拓)が抜け出してトライを奪う。
今大会に向け幸先の良いスタートを見せる。
SO森田はこの試合への、そして選手権へのビジョンを次のように考えていた。
「今日はボールを大きく動かすことにチャレンジしようと言って臨みました。今後に向けてもいいイメージが作れたと思います。」

「ボールを動かす」というのはBKだけに限らない。森田から、後ろから走り込んできたFL松永へのパスが通ると大きく前進。相手の反則でスクラムを選択すると、LOマニングの前進から、再び松永へとわたってトライを追加。

19分には、今シーズン公式戦初出場のWTB菅谷が相手ディフェンスをハンドオフで振り切ってトライを奪うなど、縦横無尽に走り回る帝京フィフティーン。


FW陣も負けじと暴れ回る。ラインアウトからモールでトライを取り切れば、相手ボールスクラムも押し込んでマイボールに。5mスクラムではNo8李がきっちりボールをキープしてスクラムトライ。サイド攻撃での前進も披露し、かたまりとなって最後はPR西村がトライ。

李は振り返る。
「今日はスクラムでのボールキープを意識していました。FW陣がしっかり押してくれていたので、言い訳できませんからね。スクラムトライを取れてよかったです。」

ディフェンス面も危なげなし。相手のトリッキーなキックパスも、FB竹田が冷静に処理する。ミスから攻められるシーンもあったが、CTB南橋らのタックルで防ぐ。松永らFW陣の献身的なタックルも光る。

帝京は前半だけで9トライの猛攻。守ってもPGの3失点のみで、53-3で前半を折り返すこととなった。

前半は「ボールを大きく動かす」というプランのとおり、ワイドに展開するシーンが多かった。さらにHO白らFWの縦突破を絡めることで、BK展開もより有効に機能。トライにまで至らなくとも、大外までボールが回るたびに大きくゲインし、スタンドを沸かせた。


【後半戦】

後半も開始直後から帝京はエンジン全開。相手ボールを奪って白が前進し、BKへ展開。ゴール前まで運ぶと、ラインアウトからモールを形成し、マニングがトライ。その後はスクラムトライを連発。特に18分のトライは相手ボールスクラムを押してそのままトライ。最後にこぼれかけたボールもSH滑川がしっかり押さえるという集中力を見せた。

ディフェンスも万全。キックや、素早い出足とボールに絡むディフェンスを見せる福岡工大だが、ピンチの芽も厳しいプレッシャーですぐに摘み取って、帝京が攻撃に転じる。

その後もFW、BK一体となった攻撃が続く。滑川が連続トライを見せれば、相手ボールスクラムをまたも奪って、この日はFLで出場のボンドがトライ。

途中出場組も活躍。スクラムトライでは佐藤と前田(龍)の両PRが推進役になる。


さらに、FLに入った橋口が好タックル、ナイスゲインを見せれば、CTB中村(亮)も鋭い突破を見せる。FW攻撃ではFL小山田、LO木下らがしっかり前に出る。

また、地元・東福岡高校出身のWTB小野が前進を図るとスタンドが大きく沸く。36分にはその小野がトライ。39分にはCTB南藤がトライと、最後までしっかりと得点を重ね、後半は7トライ。合計16トライ、96-6で大学選手権一回戦を勝ち上がった。

対抗戦最終戦から2週間あいた中で、いい形で快勝できたことは次への勢いにつながる。また、各選手がいいラグビーのイメージを持てたことは十分、収穫に値するだろう。

また、福岡という舞台でゲームができたことで、普段は帝京の試合をなかなか見ることができないファン・ご父兄・関係者の方々にも、生で観戦してもらうことができた。試合前には福岡工大の応援の方々が「帝京と試合できることを九州の財産にします」と歩み寄っていただく姿も見られた。温かく迎えてくださった九州の方々の想いもつなぎ、帝京は今後の戦いに向かう。


《試合後のインタビュー》

■岩出雅之監督
「今日は大学選手権の初戦ということで、チームとしてしっかりと戦って、勢いに乗れるようなゲームとなるよう、気を引き締めて試合に臨みました。ボールをつなぐといった細かな部分で若干のミスが出たところもありましたが、タックルやブレイクダウンなど、気持ちの入ったプレーの部分では、学生たちはしっかりと戦ってくれたと思います。ミスが出たといっても、チャレンジして起こったもの、もう少し高いレベルを求めたいというものなどいろいろなものがありますので、それらがイージーなミスなのかどうかはこれから分析して次へと生かしていきたいと思っています。
次の試合に関しては、これから対戦相手の状況を見てということになりますが、われわれとしては一戦ごとにレベルアップしていけるように、日々、努力していきたいと思っていますので、今後とも応援よろしくお願いします。
最後になりましたが、福岡工大の選手のみなさんの好ファイトには敬意を表したいと思います。また、両校スタッフ、関係者の皆様、ならびに九州協会の方々に感謝申し上げます。2019年のワールドカップを成功させるためには、各地域での盛り上がりが不可欠です。今日のゲームが何らかのお役に立てたならば幸いと存じます。」

■キャプテン・森田佳寿(4年)
「今日もこれまでどおり、自分たちの基準にチャレンジし、成長できるゲームにしようと思って臨みました。軽いプレーも出てしまい、そこは修正なのですが、いいプレーも出ましたので、まずは次の試合に向けてしっかりとした準備をしたいと思います。僕たちはこの大学選手権で3連覇を目標としていますが、ただ、見るべきところは目の前の一試合一試合。その一試合に向けての練習に挑戦心をもって臨むことが大事だと思っています。また、今日はボールを大きく動かそうというチャレンジをしたのですが、チャレンジしたことで課題も見えましたので、それを踏まえてまたレベルアップしていきたいと思います。」

■力強さでセットプレーを牽引・PR西村尚記(4年)


「今日はセットプレー、特にスクラムは安定していたと思います。FW全員が一つになって押すことができました。スクラムトライを何本も取ることができましたが、スクラムトライはチームを勢いに乗せることができるという点でも重要なプレーなので、そこで取り切れたことはよかったです。ただ、ディフェンス面ではもっと反応をよくしなければいけないと思いました。次の試合もスタートから出て、活躍できるように頑張りたいと思います。」

■積極的に前に出た・LO小瀧尚弘(1年)


「帝京の厳しさを見せようと言って試合に臨みました。その厳しさを見せることができたゲームだったと思います。ミスもありましたが、取れるところではしっかり取れました。セットプレーなどFWの仕事もしっかりできたと思います。九州で試合ができたことで(鹿児島実業高校出身)、知っている人もたくさん見に来てくれて、いつも以上……というわけではありませんが、しっかり気持ちを入れて頑張ることができました。今日はいい形で勢いに乗れる勝ち方ができましたので、次の試合も勢いに乗れるようないい試合をしたいと思います。」

■安定したボールキープで貢献・No8李聖彰(2年)


「スクラムの球出しとリアクションの速さを課題にして臨みました。スクラムの球出しに関しては、前の人たちが頑張ってくれて、完全に優位に立てていたので、うまくボールコントロールができました。リアクションの部分ではとにかくボールに絡もうと思っていたのですが、アタックの場面でラックがブレイクしたときの次のリアクションをもっと速くしなければと感じたのと、自分がボールをもったときにミスが出てしまったので、そこを修正して次に臨みたいと思っています。
いくら前に出ても、ボールを取られてしまっては意味がありませんから、ここは大いに反省です。今日勝てたことはうれしいですが、今後に向けて時間もあまりありませんので、改善すべき点をしっかり改善して、次の試合で自分たちの形で勝ち切れるように準備したいと思います。」

■自慢の快足を存分に見せた・WTB伊藤拓巳(4年)


「今日の目標はこれまで自分たちがやってきたことをしっかりとやろうということでした。BKとしては、ある程度いいアタックできていたので、その部分はよかったと思います。いい形でトライを取れたことは自分たちにとってプラスになると思いますが、これからの大学選手権を戦っていく中で、今後はもっと厳しいディフェンスをしてくる相手と対戦することになると思いますので、そうした厳しい相手にも今日のようなアタックができるよう、練習から取り組んでいきたいと思います。次からも一戦一戦を大事にして、目の前の敵をしっかりと倒していきたいと思っています。」

■凱旋した地元で好プレー・WTB小野寛智(3年)


「後半からの出場でしたが、試合前からいつでも出られる準備をして、自分のやるべきプレー、ディフェンスやボールをもったらしっかりゲインしてトライにつながるプレーをしようと考えて臨みました。自分たちのやってきたことにチャレンジするという気持ちで戦いましたが、自分としてはしっかりチャレンジできたと思います。
福岡で久しぶりに試合ができたのですが(東福岡高校出身)、両親や兄も見に来てくれましたし、応援に来てくださった方もたくさんいて、とても楽しくラグビーができました。次の試合も、自分がやるべきプレーを頭の中で整理して、いいプレーができるように、この一週間しっかり練習していきたいと思います。」


《PICK UP PLAYERS》

帰ってきた快足ランナー
WTB 菅谷優(3年生)



SUGAYA MASARU
1990年5月21日生まれ
経済学部経済学科
柏日体高校出身
身長172㎝/体重73㎏/血液型O型

■久しぶりのAチーム公式戦が大学選手権一回戦でしたが、感想を聞かせてください。
「今シーズン初めての公式戦で、試合前はすごく緊張したのですが、試合が始まったら落ち着いて、自分の強みを出すことができ、思い切りよく行けました。」

■ナイストライが2本もありました。
「しっかり走り切れました。」

■試合前はどんなことを考えて臨んだのでしょうか。
「大学選手権はトーナメント、負けられない試合なので、4年生はじめ、みんなの思いを受け止めて試合に臨みました。」

■スターティングメンバーに選ばれたのは、どんなことを期待されたからだと思いますか。
「ボールをもったら走り切るということを期待されたと思うので、そのつもりで思い切りいきました。先週の慶應大学さんとの練習試合で、思い切りプレーして何本かトライが取れたので、そこを認めていただいたのだと思っています。」

■今シーズンはケガで出遅れてしまいました。
「周囲の方々には迷惑を掛けてしまいましたが、しっかり治して復帰でき、試合に出られてとてもよかったです。」

■リハビリ中はどんなことを考えていたのでしょうか。
「すごく悔しい気持ちもありましたが、いつか見返してやろうと思ってリハビリを頑張って、体力づくりもしていました。」

■むしろ体も強くなったのでは?
「3カ月で4、5kg大きくなれたので、その分、少しは力強くなったかなと思います。」

■強みである快足も今後楽しみです。
「もう、ボールをもらったら走り切るだけです。」


■次への意気込みを聞かせてください。
「去年は鬼海(雄次)さんが、この時期にAチームに上がって勢いをつけてくれました。僕も鬼海さんのような存在になれるように、自分の強みを出して、一つ一つ丁寧に、ボールをもったらしっかり走り切って、トライをたくさん取れるように頑張りたいと思います。」


快足WTBが帰ってきた。今シーズンはケガで出遅れたものの、すでに完治し、リハビリで体も大きくなったという。本人が課題と言うディフェンス面も意識は高い。走り切る決定力という点では今後も大きな戦力となってくれるはずだ。帝京の得点力に大きな影響を与え、大学選手権での台風の目となる日も近いはずだ。

《NEXT MACTH PREVIEW》

【12月25日(日)全国大学選手権大会・二回戦 VS同志社大学 秩父宮ラグビー場 14時キックオフ】

大学選手権二回戦は、秩父宮に場所を移して、同志社大学との一戦。いわずとしれた、史上ただ一校3連覇を成し遂げている同志社との対戦となった。この乗り越えるべき壁をしっかりと乗り越えたい。さらなる成長を促す好ゲームを期待し、秩父宮へ応援に行こう。スタンドから赤い服を身にまとい、選手にさらなる力を与えてほしい。



(文/木村俊太、写真/志賀由佳)

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