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関東大学春季大会・第1戦 対大東文化大学

関東大学春季大会・第1戦 対大東文化大学

2012/04/30

春の初戦を快勝! 新チームは上々の船出


4月29日(日・祝)・百草グラウンド
○帝京大学 98対0 大東文化大学●



《帝京》
1猿渡⇒森川 2泉 3出渕⇒浅堀 4今村 5マニング 6イラウア 7松永(浩)⇒藤田(哲) 8大和田
9荒井(康)⇒天野 10中村 11磯田  
12野田 13徳富⇒太田 14小野 15竹田

《大東文化》※先発のみ
1高橋 2柴田 3新堂 4川端 5藤川 6鈴木 7井東 8フィナウ 9茂野 10相馬 11福津 12梶
13梶本 14川瀬 15小間


今シーズンから始まった「関東大学春季大会」。第1戦の相手は、昨年度交流戦4位の大東文化大学。この時期ゆえ、結果よりも内容が重視されるところだが、公式戦としてファーストジャージで戦う以上、やはり勝負へのいい緊張感をもって臨むことになる。大学選手権4連覇を目指す新チームとしても、結果、内容ともにいい形でスタートしたいところだ。


【前半戦】
立ち上がりはやや堅くなったのか、ミスが続く帝京。キックオフのボールがダイレクトでタッチに出てしまうと、その後もペナルティを犯してしまう。

ピンチになりかけるが、ここはディフェンス力の見せ所。日本代表合宿から戻ったSO中村が好タックルを決め、ターンオーバー。すぐさまBKへと展開し、ライン参加したFB竹田が相手ディフェンスラインを突破。そのままインゴールまで持ち込み、先制トライをあげる。

これで堅さの取れた帝京は、積極的な攻撃を重ねていく。期待の1年生FLイラウア、元U-20代表CTB野田らが大きく前進しながら継続し、CTB徳富が抜け出してトライを奪う。



13分には、またしても中村の好タックルでターンオーバーすると、すばやく展開。大外まで回ると、WTB磯田が快足を飛ばしてトライ。22分には、相手のキックから竹田がカウンターアタック。大きくゲインすると、その後もしっかりと継続。最後はもう一度、竹田に渡ってトライを奪う(22-0)。

この日、相手のキックに対して蹴り返すことはせず、すべてカウンターアタックを仕掛けた竹田はこう語る。
「相手が蹴ってくれればこちらのボールになるわけですから、蹴り返してイーブンボールの取り合いにするよりも、カウンターアタックを仕掛けていって、そのあとのボールをしっかりと継続していく方が有利と考えました。もちろん、状況によって使い分けていきますが、今日はそういう方針で臨みました。」

だが、このあたりから、攻めながらもやや仕留め切れない時間帯が続く。ボールは外へ外へと継続されるが、相手ディフェンスも外へ流れる形で対応し、攻め切ることができない。

そんな重い雰囲気を払拭したのは、またしてもライン参加で突破を図った竹田。竹田のラインブレイクで大きく前進したボールをしっかりと継続し、最後はイラウアがトライ(29-0)。

直後、相手に攻め込まれるも、中村の飛距離の長い好タッチキックで一気にチャンスを作る。ボールを獲得すると、HO泉が前進し、つないで最後はPR猿渡がトライ(36-0)。

その後、LO今村らの好タックルやWTB小野の前進にスタンドが沸くが、トライまでは至らず、前半を36-0で折り返すこととなった。




【後半戦】
前半は、「外へ展開する」という形にややこだわり、前にスペースがあるにもかかわらず、外へボールを運んでしまうというシーンが散見された。後半はここを修正して、状況によってはハーフ団のところで縦に仕掛けていこうという確認がなされた。

その修正の効果が後半早々、いきなり現れる。1分、中村が縦に仕掛けて前進すると、相手ディフェンスに乱れが生じる。そこへうまく走り込んだ徳富が抜け出してトライを奪う。

6分には、FWが魅せる。ラインアウトからモールを形成すると、縦長の状態を保ったまま大きく前進。最後尾でボールをキープし続けたFL藤田が押さえてトライ。藤田はこの日、後半からの出場だったが、再三、好プレーを見せてくれた。

SH天野も状況に応じて、ラックから積極的に仕掛ける。パスしても、受け取った中村がさらに前へ。前半は外にディフェンスの人数を掛けてきた相手も、ハーフ団の仕掛けによって迂闊に外へと流れられなくなる。ここから展開することで、WTBの快足が生かされる。

このあと、磯田自身が4トライ(計5トライ)、磯田の突破から2トライと、前半にも増してWTBが機能。

公式戦初出場の磯田は振り返る。
トライは先輩方が相手ディフェンスをしっかり引き付けてくれたおかげです。自分はただ走り切るだけでした。でも、WTBの仕事はトライを取ることなので、自分の強みであるスピードを出すことができてよかったです。」
大外にボールが回る時点で、相手ディフェンスを十分に中に引き付けることができたことがトライの量産につながった。

結局、その後も終始帝京が攻め続け、98-0でノーサイド。2012年度の新チームは大勝での門出となった。




《試合後のインタビュー》
■岩出雅之監督
「今日は新チームの初戦、そして春季大会という公式戦でしたが、たくさんの方がグラウンドに足を運んでくださいました。ありがとうございます。この時期ですので勝ち負けに一喜一憂する必要はまったくありませんが、初戦をいい結果でスタートできたことは今後につながるという意味でも好ゲームだったと思います。

春季大会という公式戦が春に組まれたことは、特に経験の浅い選手にとってはファーストジャージで試合ができるなど、モチベーションの高い状態で試合に臨むことができます。ほどよい緊張感の中での判断力を養うことができたり、経験値のある選手とのコミュニケーションの中で自分たちのできることを確かめ合えるなど、プラスになることも多いと思っています。『体力づくりをすべき時期に80分間戦うのはたいへん』との意見もあるでしょうが、これもまたフィットネス向上のための体力トレーニングと捉えて、前向きに取り組んでいきたいと思っています。
今日の試合内容については、いいところもあり、修正点もありなのですが、その修正点もさらに高い目標を見据えた上でのものですので、そうした修正点が見えたこと自体、よかったことだと考えています。
ただ、まだ春の初戦ですから、これからいろいろなことにチャレンジして、乗り越えていかなければならないことがたくさんあります。そういう意味では、チームとしては『まだまだ』です。ですが、この『まだまだ』について、何がどう『まだまだ』なのかが選手たちにわかるようにしていきたいと思っています。そのためにも今年度は選手間のコミュニケーションを大切にしていきたいと考えています。すぐにというわけにはいきませんが、どうか皆様には、彼らの成長ぶりとともにチームの新しい味がどのように出てくるかを、長い目で見守っていただけたらと思っております。
今シーズンも、これまでと変わらぬご声援のほど、よろしくお願いいたします。」

■キャプテン・HO泉敬(4年)
「今日は、いままでやってきたことを出し切ろうと臨んだのですが、まだまだこれからだと感じました。『まだまだ』の中身はいろいろありますが、まずはFWのセットプレーで安定し切れていないこと。特にスクラムではもっとプレッシャーを掛けられたのではないかと思います。また、攻撃面でのチャレンジの部分で、FWとBKの連携がうまくいかなかったこと。特に前半、形にこだわりすぎてしまい、きれいなラグビーをしようとしすぎて、自分たちが戦うべき接点の部分が甘かったと感じています。後半はリズムよくできたのですが、それが前半からできるようにしたいです。
新チームとしては、まずは去年のチームに追い付き、追い越すことが目標となるのですが、これはラグビーの部分はもちろん、私生活といいますか、部の文化の部分も含めて、去年のチームに追い付くという意味もあります。一人一人が森田さん(森田佳寿・前キャプテン)のようなすばらしい人になることを目指して成長し、それによって自分たちがまた新しい文化を作り上げられれば、帝京大学がよりいい大学に、ラグビー部がよりいい部になっていけると思います。
このあと、リフレッシュ期間に入りますが、各自ただ休むのではなく、自分たちの次の目標に向かうためのいい準備をするというリフレッシュにしてほしいと思っています。リフレッシュ後、さらに積み上げていって、次の試合に臨みたいと思います。」

■大器の片鱗を十分に見せた・FLマルジーン・イラウア(1年)


「今日は暑かったのでちょっと疲れたのですが、とてもいいゲームができたと思います。自分としては、前半にステップを切って前に出られたプレー、そしてランニングプレーがよかったと思います。今後はフィットネスの部分をもっと強化して疲れないようにしたいですし、ステップももっとキレのあるものにしたいです。また、自分はハンドオフが得意なので、もっともっと出していきたいです。
帝京大学ラグビー部はとてもいいチームで、みんなラグビーのことをとてもよく考えていますし、一人一人が何をすべきかが明確です。次の試合では、もっと走ることとディフェンス力をアピールしたいと思っています。」

■献身的なタックルやボールへの絡みで活躍・FL松永浩平(4年)


「今日のテーマとして、これまでやってきたことに対して思い切りチャレンジして、その中で正確なプレーを心掛けるということがあったのですが、前半、激しい中での正確さという部分がまだまだ甘かったです。後半は修正できたのですが、そこをもっと早く気づいて修正していけるようにしたいです。FWとしてセットプレーのコントロールの部分も、もっとしっかりできるようにしていきたいです。次戦はこのセットプレーの安定と、激しい中での正確さを心掛けて臨みたいと思います。」

■縦突破で何度もスタンドを沸かせた・No8大和田立(3年)


今日はこれまでやってきたことをしっかり出そうと言って臨みました。その中でも、接点でのつなぎやボールをどう動かしていくかということを意識してやりました。いいプレーもありましたし、逆によくないところもあったので、いいところを伸ばしつつ、よくなかったところを修正していきたいです。自分としては、ボールを持っていないときのコールやサポートの部分をもっと磨いていきたいです。周りの選手たちの士気を高められるプレーヤーになりたいので、次戦はそこを意識してやっていきたいと思います。」

■緊張感の中、大きな経験を積んだ・SH荒井康植(1年)


「前日に先輩方から『思い切ってやれ』と言われていたのですが、初めての試合で緊張もあって、球さばきが乱れる部分がありました。日々の練習から、しっかり頑張って克服したいです。また、前半終了間際、体力的にバテてしまって、プレーが乱れてしまったので、もっとフィットネスを向上させたいです。自分の強みは『仕掛け』の部分だったのですが、今日は形にばかりこだわってしまい、その強みを発揮できなかったことは反省点です。いい勉強になりましたので、次からはもっと自分から仕掛けて、周りに動かしてもらうのではなく、周りを動かすプレーをしたいと思います。パスの精度や仕掛けのスキルの向上ももちろんですが、前ばかりではなく裏の状況も見て、キックなども使えるようにしていきたいです。」

■仕掛けでチーム全体を生かした・SO中村亮土(3年)


「前半はアタックの部分でまったく仕掛けていなくて、単に外に回すという意識でやってしまったのですが、それが相手の外へ流してくるディフェンスにうまくはまってしまい、どうしてもいい攻撃ができませんでした。後半は、相手の流してくるディフェンスに対して、もっと縦に切っていこうという修正をしました。それによって、いいリズムが出ていいアタックができたのですが、相手ディフェンスにどう対応していくのかという部分が、この試合で出た課題だと思います。自分が仕掛けることで、たとえそこで突破できなかったとしても外のラインが生きるということがわかったことは、とてもいい勉強になりました。次戦以降に向けては、もう一度、攻撃の仕組みについて明確にして、FWとBKの連携をもっと大事にしていきたいです。
30日からまたジャパンの合宿に合流するのですが、とても密度の濃い練習ができています。ジャパンで学んだことを帝京ラグビーで生かせるところは生かし、同時に帝京ラグビーで学んだことをジャパンで生かせるようにしていけたらと思っています。」

■キック処理はすべてカウンターアタックで臨んだ・FB竹田宜純(3年)
「初戦ということで最初は堅いかなという部分もありましたが、全体としてはいい形でできました。ただ、軽いプレーでのノックオンなどミスも出てしまったので、そこは課題です。春から公式戦ということで、ファーストジャージを着させていただいているので、気持ちの部分でやはり違いますね。今日は形にこだわりすぎて、前があいているのにパスを放ってしまったりといった場面があったので、個人としてもチームとしても、そういったことを課題として、次戦以降に取り組みたいと思います。」

《PICK UP PLAYERS》

新星登場! 快足WTBが得点力アップを担う
WTB 磯田泰成(2年生・ゲームMVP)



ISODA YASUNARI
1992年11月20日生まれ
経済学部経済学科
延岡星雲高校出身
身長174㎝/体重71㎏/血液型O型

■まずは今日のゲームの感想を聞かせてください。
「初めてのAチームで不安や緊張もあったのですが、先輩方に引っ張っていただいて、楽しくゲームすることができました。」

■Aチーム初出場、しかもスターティングメンバーということで、気持ちの部分はどう高めていったのでしょうか。
「最初は先発と言われて驚いたのですが、せっかくいただいたチャンスなので、思い切りチャレンジしていこうという気持ちに切り替えました。」

■5トライの活躍でゲームMVPも獲得。十分にチャンスを生かせた、いいチャレンジができたのではないでしょうか。
「ありがとうございます。ただ、トライは周りが相手のディフェンスをしっかり引き付けてくれたおかげです」

■今日、自身のプレーでよかったところはどんなところでしょうか。
「今日は、ファーストプレーヤーが抜け出したところへの顔出しがうまくできたと思います。裏に抜けたプレーヤーのサポートの部分ですね。」

■逆に、ここを修正したら、もっとよくなるという部分はありましたか。
「もっと外からコールして、周りのプレーヤーに指示が出せたらよかったと思います。」

■自身の一番の強みは何でしょか。
「自分の強みはスピードです。WTBはトライを取り切るのが仕事なので、今日はその点はよかったと思います。」

■今後に向けて強化していきたい部分はありますか。
「体の強さという部分で自分はまだまだなので、ウエイトトレーニングをもっともっとしっかりやって、フィジカルを強化し、上のチームでも通用する体をつくっていきたいです。あとは、持ち味であるスピードをもっともっと磨いていけたらと思っています。また、今日はあまり機会がなかったのですが、ディフェンスも練習からしっかり意識してやっていきたいと思います。」

■次戦に向けての意気込みを聞かせてください。
「今日のような自分らしいプレーを心掛けてやっていきたいです。

快足WTBがついにAチームデビューを果たした。足の速さだけではなく、いい位置に走り込みながらボールを受けられるので、トップスピードで相手ディフェンスを切り裂くキレ味がある。自らの突破でチャンスメイクする場面も多々見られた。まだ、線の細さはあるが、今後、筋力アップしていけば、ますます楽しみな存在になるのではないか。岩出監督がまたもや発掘した、楽しみな素材だ。

《NEXT MATCH PREVIEW》


【5月13日(日)関東大学春季大会・第2戦 VS関東学院大学 百草グラウンド 14時キックオフ】

次戦は、春季大会第2戦。相手は、昨季大学選手権4強の関東学院大学だ。この時期ゆえ、この試合も内容重視の戦いになるが、公式戦である以上、いい内容できっちりと勝ち切りたい。新チームの成長とともに、新戦力たちの活躍も楽しみだ。

(文/木村俊太、写真/志賀由佳)

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