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関東大学対抗戦A 対早稲田大学戦

関東大学対抗戦A 対早稲田大学戦

2014/11/04

11月2日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(5勝0敗)55-11早稲田大学(4勝1敗)●
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《帝京大学》

[FW]
(1)森川⇒徳永(2)坂手(3)東恩納⇒浅堀(4)金(嶺)(5)小瀧⇒町野(6)イ
ラウア(7)杉永⇒姫野(8)河口⇒飯野
[BK]
(9)流(10)松田⇒朴(11)磯田(12)森谷(13)前原(14)尾崎(15)重⇒濱野

《早稲田大学》※先発のみ
[FW]
(1)千葉(2)菅野(3)佐藤(勇)(4)大峯(5)桑野(6)布巻(7)加藤(8)佐
藤(穣)
[BK]
(9)岡田(10)小倉(11)本田(12)飯野(13)勝浦(14)荻野(15)黒木
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【前半】【得点経過】
【1分】帝0-3早
相手陣からDGを決められる。

【4分】帝7-3早
相手ペナルティからSH流がクリック・リスタート。CTB前原にパスし、前原が抜け出
す。そのまま飛び込んでトライ。ゴール成功。

【8分】帝12-3早
ラックからSH流-SO松田と渡り、松田が抜け出す。さらにWTB磯田へとパス。磯田が
走り切ってトライ。

【19分】帝12-8早
連続攻撃から抜け出され、トライを奪われる。

【27分】帝12-11早
PGを決められる。

【30分】帝17-11早
ラインアウトからFW、BKで連続攻撃。ラックからSH流-SO松田と渡り、松田が抜け出
す。さらにFB重へとパス。つかまりかけるも、粘って、WTB尾崎へパスし、尾崎がト
ライ。

【35分】帝20-11早
SO松田がPGを決める。
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【後半】【得点経過】
【1分】帝27-11早
ラインアウトからモールを押し込む。SH流がボールを持ち出し、タックルを受けなが
らも前進してトライ。ゴール成功。

【22分】帝34-11早
ラインアウトからモールを形成。モールを約20m押し切って、HO坂手がトライ。ゴー
ル成功。

【27分】帝41-11早
スクラムから連続攻撃。FBに回った森谷が前進。つかまるも、ラックからSH流-SO松
田-FLイラウアと渡り、イラウアが抜け出してトライ。ゴール成功。

【39分】帝48-11早
No8姫野のナイスタックルから、FLイラウア、HO坂手がラックでターンオーバー。SO
朴-CTB前原-FB森谷-CTB濱野-WTB磯田とパスが渡り、磯田がトライ。ゴール成
功。

【44分】帝55-11早
ペナルティからSH流がクイック・リスタート。FLに回った飯野-FB森谷と渡り、森谷
が抜け出す。さらにWTB尾崎へと渡り、尾崎がトライ。ゴール成功。
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《BRIEF REVIEW》
関東大学対抗戦第5戦は、昨年度の大学選手権決勝を戦った早稲田大学との一戦。開
始1分に相手陣からのDGを決められ、先制を許すが、集中力は乱れない。直後の4分に
逆転すると、試合は帝京ペースに。ケガから復帰した選手たちも活躍。HO坂手は激し
い当たりで相手に圧力をかけ、CTB森谷は何度もラインブレイクを見せる。ただ、攻
め込みながらも、サポートが遅れ気味になると反則を取られ、ペナルティキックでエ
リアを戻されてしまう。それでも、しっかりとディフェンスし、攻撃ではSO松田の再
三の抜け出しでチャンスを作る。前半は20-11で折り返した。後半は、5分過ぎから
ゴールラインを背負って守る展開となる。ゴール前で連続攻撃を受けるが、全員が厳
しい守りを見せ、防ぎ切る。その後も、攻撃ではきっちりと取り切り、守りでは厳し
さを見せ、得点を許さない。80分間、集中力を切らさず、55-11で対抗戦5連勝を
飾った。
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《AFTER MATCH SAY》

■岩出雅之監督
「今日のゲームは心技体それぞれについて、まずは気迫の部分で負けないようにと
言って、送り出しました。ケガからの復帰で久しぶりの選手が何人かいて、試合勘が
戻らず、余裕のないプレーもありましたが、全体的には最後まで集中力を切らさずに
できたのではないでしょうか。後半の5分頃から、ゴール前まで攻め込まれる場面が
ありましたが、そこでは選手たちがどんなプレーをしてくれるのか、プレーの質の部
分を見ていました。しっかりできた選手もいましたが、もっと高いレベルのプレーが
できるはずの選手もいました。そうした選手たちにも、今後はきっちりと相手の攻撃
を寸断するプレーを期待したいです。常に魂をもって全力でぶつかってこられる早稲田大学さん
との戦いからは、我々にとって貴重な反省点が見つかります。この全力でのぶつかり
合いによって、成長させてもらえることに感謝しています。早稲田大学さんは、必ず
ここから、さらにいい準備をしてくるはずなので、それに対して我々もこそ早稲田大学さんを
上回るいい準備をしっかりとしていきたいと
思います。次戦に向けても2週間、いい積み上げをしていきたいと思いま
す。」

■キャプテン・SH流大(4年)
「今日の試合は気迫あふれるプレーをしようと言って、臨みました。前回の試合で、
前半の入りのところで受けてしまったので、今日は早稲田大学さんに対して気持ちの
部分で負けないで、さらに圧倒していけるようにと思っていました。立ち上がり、先
制されましたが、そのあとは自分たちの果敢なアタックも出て、いいスコアもできま
した。そのまま後半も気を抜くことなく、集中したプレーが80分間できました。次の
試合でも、同様の気迫、集中力を出せるように頑張りたいと思います。」
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■ブランクを感じさせないプレーを見せた・HO坂手淳史(3年)

「まずはケガから復帰できたことをうれしく思いますし、その中でこうして勝利でき
たことはうれしく思います。ただ、多くの修正点、反省点が出ましたので、そこは次
に活かしたいと思います。先週、今週とディフェンスを意識して多く練習してきまし
たので、後半、ゴール前に攻め込まれたときも、全員で意思統一でき、防ぎ切ること
ができました。次も自分たちがやってきたことをしっかり出せるように頑張りたいと
思います。」
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■今季初先発ながら激しさを発揮・PR東恩納寛太(4年)
「チームとしてはいい形で勝つことができましたが、自分としてはスクラムで相手を
圧倒できなかったところは反省点です。相手の組み方にうまく対応できず、前半は特
にいいスクラムが組めませんでした。次はしっかりといいスクラムを組んで、特に相
手ボールのスクラムでプレッシャーを与えて、いいアタックがしづらい状況を作りた
いです。次戦はスクラム、ラインアウトで優位に立てれば相手もいいアタックはしづらいと思うので、
セットプレーで圧倒することを意識して、セットプレーからいい流れを作っていけるようにし
たいと思います。」
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■再三、ラインブレイクを見せた・CTB森谷圭介(3年)
「久しぶりのゲームでしたが、チームを外から見ている時間が長かったので、チーム
としての課題や自分が入った時にどういうプレーをすればいいかを考えることができ
ました。今日はそれを少しは出せたかなと思っています。ただ、まだゲーム勘が戻っ
ていないところもありました。特にゲームの中での余裕の部分ですね。いっぱいいっ
ぱいになってしまったところがあったので、次戦ではもっと余裕をもって、チーム全
体を見られるようにしたいです。いろいろな方々のサポートのおかげで復帰できたの
で、次もいろいろな思いを背負ってプレーしたいと思いますし、今日出た課題を一つ
ずつクリアして、いいプレーをして、お世話になった方々にいい恩返しができたらと
思っています。」
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■途中出場ながら、攻撃の起点となって前に出た・CTB濱野大輔(3年)
「今日は初めての秩父宮での試合ということもあり、正直、緊張したのですが、
自分たちから強い気迫を出していこうと思って臨みました。
また、自分が出たときには、全力でタックルからひたむきにやっていこうと思っていま
した。一次攻撃で自分が起点となった場面などもっとウエ
イト・トレーニングで鍛えて、ゲインできる選手になりたいと思いました。ゲームは
勝利できましたが、課題も多く出ましたので、次の明治大学戦に向けて、しっかりと
修正していきたいと思います。」
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《PICK UP PLAYERS》
未完の大器が初公式戦
No8 姫野和樹(2年)
HIMENO KAZUKI

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1994年7月27日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
春日丘高校出身
身長187cm/体重108kg

■公式戦のデビュー戦となりましたが、試合にはどのような気持ちで臨んだのでしょ
うか。

「ケガから復帰するにあたって、多くの方々にサポートしていただいたので、今日は
サポートしてくださった方々への感謝の気持ちをグラウンドで表現できたらと思って
試合に臨みました。会場が秩父宮ということもあって、独特な雰囲気がありましたが、
そんな中でラグビーができることに感謝したいです。」

■実際にプレーしてみて、今、どんな思いでしょうか。
「プレーに関しては、ボールセキュリティの部分でミスが多く出てしまいました。次
にむけて、そこはしっかりと修正しなければいけないと思いました。」

■リハビリやトレーニングに励んでいたとき、どんな思いで取り組んでいたのでしょ
うか。

「去年は対抗戦でも、大学選手権でも、自分はスタンドで見ているだけで、チームに
貢献できなかったので、すごく悔しい思いがありました。その悔しさをエネルギーに
して、早くケガを治して、自分が赤いファーストジャージを着てラグビーをしている
姿をイメージしながら、リハビリやトレーニングに励みました。」

■今日は自身としては、手応えを感じられるゲームになったのでしょうか。
「自分の中では『行ける』という思いはあったのですが、ボールを大事にするという
部分での甘さが出てしまいました。前に出たときにこそ、ボールを大事にしなければ
いけませんでした。自分の甘さを反省しています。」

■前に出るところまでは手応えを感じられたということでしょうか。
「はい。そうですね。」

■次戦以降への意気込みをお願いします。
「今日の試合で明確な課題が出ましたので、しっかりと修正して、次戦に臨みたいと
思います。」

足に大きなギプスを付け、松葉杖での生活が続いていたが、その不自由さ、そしてラ
グビーができない悔しさもエネルギーに換えてリハビリとウエイト・トレーニングに
励んだ。高校時代から前に出る威力には定評があったが、足の故障期間中に上半身を
鍛え上げ、さらにパワーを増している。岩出監督も「まだまだ粗削りですが、今後の
成長が楽しみな一人です。」と語る。本人が反省する「ボールセキュリティの甘さ」
とは、大きく前進したあとにつかまったときのボールキープが甘く、ノックオンして
しまったシーンがあったことを指す。
自身も「DFやブレイクダウンのオーバーなど、しんどいプレーを地道にできる選手になりたい」というように、
今後、試合経験を積みながら攻守両面で大きく成長していってくれるに違いない。



《COLUMN》

――ディフェンスと集中力――

この日は、昨季の大学選手権決勝を戦った早稲田大学との戦いでした。結果的に得点
差は開きましたが、前半、DGで先制を許し、逆転後も一時は1点差まで詰め寄られる
など、得点差では測れない、内容の濃いゲームとなりました。

ゲームの流れを掴めたポイントはいくつもありますが、大きなものの一つに「後半5
分過ぎからの、ゴールラインを背負ったピンチ」があるでしょう。

ギリギリまで攻め込まれながら、全員で守り切り、得点を許しませんでした。

ディフェンスについて選手たちに話を聞いてみると、「全員の意思統一」(HO坂
手)、「全員でストラクチャーを作る意識」(PR東恩納)、「アンストラクチャー時
のコミュニケーション」(CTB森谷)といったキーワードが出てきました。

総合すると、まずはディフェンスの隊形をきちんと構築すること(ストラク
チャー)。もし構築が間に合わない場合には(アンストラクチャー時)、近くの選手
とコミュニケーションして、穴を埋める。そうした意識を全員で共有することが大事
だということになるでしょうか。

さらに、これらをくくる大きなキーワードとして「集中力」(SH流)があります。い
かに目の前のことに集中できるか。そのための考え方、方法論として、岩出監督はこ
んな話をされました。

「自分たちでコントロールできないことをあれこれ考えても仕方がありません。例え
ば、天候とかレフリーの判断基準などは、自分たちで変えることはできません。なら
ば、天候を嘆いたり、レフリーの判断基準に不満を抱くよりも、それにどう対応する
かに集中する方がいいでしょう。」

この話は、試合後の記者会見である記者さんが聞いた「後半5分過ぎのピンチの場面
で、PGを狙われるのとトライを取りに来るのと、どちらが嫌だったか(実際には相手
はPGを蹴らずにトライを狙いに来た)」との質問に答えたものです。

それに対して、岩出監督は「選手たちは『相手がどのような選択をするか』を気にす
ることはない。『相手の選択にどのように対応するか』だけに集中していたはず」と
答えたわけです。

ペナルティを犯した場面で、相手がゴールを狙うか、タッチを蹴るか、クイックで攻
めるかはコントロールできません。でも、ゴールを狙ってきたらこう対応するとか、
タッチを蹴ってきたらこうとか、クイックで攻めてくるならこうするという部分は、
自分たちでコントロールできます。そこにだけ意識を集中すればいいということで
す。

自分が出しうる最高のパフォーマンスを出し切って、それでも相手のパフォーマンス
が上回ったのなら(結果として負けたのなら)、もう「相手が強かった」というしか
ありません。でも、実際には相手のパフォーマンスの出来を気にし過ぎて、自身のパ
フォーマンスを存分に出し切れないケースが圧倒的に多いのです。相手のプ
レーを気にし過ぎると、どうしても自身のプレーへの集中力が欠けてしまいます。

もちろん、自分たちのパフォーマンスを高いレベルで発揮できるためのいい準備を
しっかりとしておくことが大前提となりますが、その上で「自分たちでコントロール
できないことには囚われない」ことが集中力持続のカギとなります。

帝京の選手たちの集中力は、こんな考え方にも支えられているのです。
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《THE NEW FACE》

ニューフェースたちの声を紹介します。

PR 垣本竜哉(1年)
大阪桐蔭高校出身
身長178cm/体重112kg
「自分の強みはスクラムです。帝京大学ラグビー部はラグビーをする環境がとてもす
ばらしいと感じています。上級生の方々のサポートがすばらしいので、ラグビーがと
てもやりやすいです。自分は入学時からケガがあって、最近ようやく復帰できたので
すが、まずはみんなに追い付けるように練習して、早く上のチームで活躍できるよう
に努力していきたいです。」

PR 西 和磨(1年)
京都成章高校出身
身長180cm/体重105kg
「自分のアピールポイントは、フィールドプレーでの仕事量の多さです。ただ、PRと
しては体があまり大きくないので、今、大学生相手でも通用するように体作りを頑
張っています。高校時代はこの体でも通用したのですが、大学生は接点の強さも全然
違うと感じています。帝京大学は上級生がいろいろなことを率先してやっ
て、その姿を見て、下級生が学び、自分が上級生になったら同じように下級生に背中
を見せていくというすばらしい文化があります。高校時代にはなかった文化で、さすがに違うと感じています。」


《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A・第6戦
対明治大学戦(http://www.meijirugby.jp/
11月16日(日) 秩父宮ラグビー場
14時キックオフ

過去の対戦成績:関東大学対抗戦9勝27敗(大学選手権2勝0敗)
[明治大学の直近5戦]
9月14日 ○41-21筑波大学(関東大学対抗戦A)
9月28日 ○92-0立教大学(関東大学対抗戦A)
10月12日 ○80-0青山学院大学(関東大学対抗戦A)
10月26日 ○106-0明治学院大学(関東大学対抗戦A)
11月 2日 ○40-17慶應義塾大学(関東大学対抗戦A)

(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

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