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第39回長崎招待ラグビー 対長崎ドリームチーム戦

第39回長崎招待ラグビー 対長崎ドリームチーム戦

2015/04/22

4月19日(日)・長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場
○帝京大学31-0長崎ドリームチーム●

《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒浅堀(2)坂手(3)呉(味)⇒深村(4)金(嶺)⇒秋山(5)山口⇒
マックカラン(6)イラウア(7)亀井⇒岩永(8)飯野
[BK]
(9)荒井⇒吉川(10)松田(11)飯山(12)濱野⇒酒井(13)石垣⇒金村⇒小川
(一)(14)竹山(15)重⇒宮崎

《長崎ドリームチーム》※先発のみ
[FW]
(1)小川(2)川久保(3)高岸(4)森下(5)フィフィタ(6)菅藤(7)杉永(8)
竹本(隼)
[BK]
(9)小森(10)橋口(11)森下(12)丸野(13)増田(14)山下(15)竹本(竜)

【前半】【得点経過】
【6分】帝5-0長
ラインアウトからモールを形成。そのまま押し切ってHO坂手がトライ。

【16分】帝12-0長
ゴール前での相手のペナルティでスクラムを選択。そのままスクラムを押し切り、
No8飯野が押さえてトライ。ゴール成功。

【27分】帝19-0長
ゴロキックに反応したWTB飯山がうまく拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。

【34分】帝26-0
相手がこぼしたボールをCTB濱野が拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。


【後半】【得点経過】
【19分】帝31-0長
BKでつないで、最後はWTB竹山がトライ。


《BRIEF REVIEW》
帝京大学ラグビー部の2015年度のスタートゲームは、39回という歴史ある大会「長崎
招待ラグビー」。相手はトップリーガーも含めた長崎にゆかりのある社会人選手たち
による選抜チームだ。帝京OBも杉永亮太選手、橋口功選手、柴田一昂選手、山崎雄希
選手の4人が長崎ドリームチームとして参戦した。また、この日は中学選抜、高校選
抜などの試合や前日には子どもたちのためのラグビークリニックが開催されるなど、
盛りだくさんな大会となった。試合は開始直後から大雨と強風、時折突風も吹き荒れ
る悪コンディションとなったが、帝京は攻守に集中力を切らさず、しっかりとゲーム
を作っていく。攻め込まれても、激しいタックルで前進を許さない。攻めては、モー
ル、スクラムを押し込む形で2トライ、BKで3トライとバランスよく攻め、守っては最
後まで相手に得点を許さず相手をシャットアウト。
LO秋山、マックカラン、SH吉川、WTB竹山の新戦力も堂々のデビューを果たし
31-0で勝利した。


《AFTER MATCH SAY》

■岩出雅之監督
「39回を重ねている歴史ある大会にご招待頂き、長崎県ラグビー協会関係者の皆様、そして大会運営に携わった皆様、ラグビークリニック等のイベントに参加してくださったお子さんたちや保護者、指導者の皆様に心よりお礼を申し上げます。前日の子供たちとの交流は、私どもにとってもとても良い体験、とても楽しいイベントでした。そして、改めて長崎ラグビーの魅力を支える多くの方々の真摯なお姿を感じ取らせて頂きました。ドリームチームとの試合は、混成チームの難しさ、今シーズンのスタートゲームということ、そして、とても強い風雨の中等、不具合のでてもしかたのない状況でしたが、両チーム選手は激しくよく頑張ったと感じております。もう少しボールが動くアタッキングゲームを両チームともにお見せしたかったところですが、最後まで気持ちの張ったプレーはお見せできたかと思います。何より風雨の中、最後までご観戦ご声援頂き心より感謝申し上げます。チームは、このゲームから今シーズンの挑戦がスタートしました。各選手共に今季への意気込みは十分持っておりますので、しっかり一歩一歩積み上げていってくれるはずです。皆様には今シーズンもその成長ぶりを長い目で見守っていただけたら幸いです。最後になりますが、本日の試合で選手生活を引退されたドリームチームキャプテン菅藤選手の前日レセプションでのキャプテンコメントは、とても魅力がありました。きっとドリームチームの好ファイトは彼のキャプテンシーが鼓舞させたのではないかと感心しております。そして、帝京大学の選手の心にも響くものでした。ありがとうございました。今後のご活躍を祈っております。」

■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日は雨もあり、風もありましたが、それは事前にわかっていたことなので、ある
程度はミスが起こることも想定していました。その中で、どう修正していくかを意識
してやったのですが、そこでの課題は多く出てしまったかなと思います。チームは新
しくなりましたが、この短期間でも成長が見えますし、その成長を止めないことが、
今シーズン、僕たちがやろうとしていることなので、どんどん成長していけるように
していきたいです。プレー面でも精神面でもまだまだ甘いところがありますので、そ
こをどう変えていけるかというのが、僕の役割でもあると思っています。今日の相手
はトップリーガーの方もたくさんいらして、激しいところはとても激しかったです
し、とてもいいチームでした。そのチームを相手に、ディフェンスをしっかりやろう
と言って、0点に抑えることができたのはよかったと思います。春はまだまだ完成に
は程遠いと思いますが、どんどん成長していって、チームが一つになっていくことが
できればと思っています。」


■社会人相手に激しいタックルを見せた・HO小川一真(4年)
「今日は、まず自分のマインドをしっかりコントロールすること、そしてコンセント
レーション、場面場面での集中力をしっかりもって、横とのコミュニケーションを取
るという点をテーマにして臨みました。地元への遠征ということで、試合に臨むにあ
たっての切り替えで難しいところもあり、さらに強い雨というコンディションでした
が、試合そのものにはしっかりと臨むことができたと思います。今年は4年生として
ラストシーズンなので、一つ一つ細かいことを積み上げて、シーズンが深まっていく
中で人間としても、プレーヤーとしても成長していけたらと思っています。」


■短時間ながら、力強さを見せつけた・FL岩永健太郎(2年)
「今日は、短い時間ではありましたが、地元長崎での試合に出られたことに関しては
とてもうれしく思っています。ただ、タックルする場面ではずされてしまったところ
もあり、ディフェンス力不足、タックル力不足を痛感しました。アタックの場面で
は、ゲインできたところもあったので、そこはよかったと思っています。出場できて
うれしい反面、これからも継続していけるのか不安な面も残りましたので、日々の練
習からしっかりやって、継続して出られるように頑張りたいです。」


■Aチーム初出場ながら社会人相手に強さを発揮・CTB酒井大諄(4年)
「まず、長崎の地でAチームのメンバーとして試合ができたことが何よりうれしかっ
たですし、プレーしている時間はとても幸せに感じました。雨ということで、パスよ
りもボールキャリーする場面が多かったのですが、ゲインもできましたし、プレーで
の手応えを感じることができました。先週の試合でのプレーを認めていただいたこと
で、今回、長崎に呼んでいただけたと思っていますが、認めていただけたことはとて
もうれしく思いますし、これからも頑張って努力していこうという励みにもなりまし
た。今回出られたことに満足するのではなく、もっともっと成長できるように努力し
ていきたいと思います。


■長崎ドリームチーム・FL杉永亮太選手(キヤノン・帝京大学OB)
「卒業してすぐの試合の相手が帝京大学ということで、自分自身、プレーヤーとして
の不安もあったのですが、やっていく中で緊張もほぐれて、長崎ドリームチームとし
てのプレーを見せようと思って頑張りました。緊張がほぐれてからは、自分では
100%のプレーを出し切れたと思っています。一度、坂手主将の持ち込んだボールを奪え
たので、とてもうれしかったです(笑)。自分のプレーをしっかりやることで後輩たちが何
かを感じてくれたらと思ってやったので、そういった小さなところからも攻めてくる
んだということを学んでもらえたかなと思っています。OBとして7連覇してほしいと
心から願っているので、頑張ってください。」

■長崎ドリームチーム・SO橋口功選手(JR九州・帝京大学OB)
「帝京はチーム力があって、まとまりが強いなと感じました。僕たちの頃もそうでし
たが、伝統的にFWの強さがあって、その上にさらにBKの展開力が上がっていて、FWと
BKの連携がしっかり取れているチームになっていますね。これからもさらに成長を続
けていってほしいと思っています。」


■長崎ドリームチーム・FL柴田一昂選手(JR九州・帝京大学OB)
「OBとしてずっと応援する立場でしたが、今日は初めて対戦相手として戦うことにな
り、とても脅威を感じ、また敵としてリスペクトできる相手でした。長崎県協会の
方々のおかげで、このようなすばらしい対戦ができたことに感謝したいですし、長崎
のラグビーの発展にもつながるものになったと思います。今の帝京の学生は、とても
人間が大きいと感じます。私の会社にも帝京大学ラグビー部出身の社員がいますが、
彼らを見ても人間としてとてもすばらしいです。きっと日々の厳しい練習の中で培っ
てきたことなのだろうと感じます。私たちのときはチャレンジャーでしたが、今は帝
京が勝って当たり前と言われる状況で、学生たちのプレッシャーはすごく大きいと思
います。それでもチャレンジャー精神を忘れずに頑張っていると思いますので、あと
はその精神を全員が共有して、実際にどこまでチャレンジしていけるかだと思いま
す。これからも相手に脅威だと思われるチーム、すごいなと尊敬されるチームで居続
けてほしいと思います。」

■長崎ドリームチーム・SO山崎雄希選手(コカ・コーラ・帝京大学OB)
「帝京はとても強かったです。対戦相手となると脅威といいますか、威圧感もあっ
て、とてもいいチームだとあらためて思いました。大学7連覇、そして日本選手権で
優勝して日本一になるという目標を坂手キャプテンから聞いていますが、そこへ向か
う春シーズンの最初の試合としていいゲームができたのではないでしょうか。これか
ら目標に向かってどんどん成長していけるように、そして人としても成長していける
ように頑張ってほしいと思います。」


《PICK UP PLAYERS》
悪天候にも、落ち着いたプレーでトライを演出
FB 宮崎詠基(4年)

1993年8月3日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
長崎北陽台高校出身
身長174cm/体重76kg

■今シーズンのファーストゲームを地元長崎で戦うことになりましたが、どんな気持
ちで臨んだのでしょうか。

「小学校2年生から、この長崎でラグビーをやっていて、お世話になった方々、指導
してくださった方々に、成長した姿を見せることで恩返ししたいという気持ちで試合
に臨みました。」

■プレー面ではどのように考えて臨んだのでしょうか。

「試合内容としましては、雨が強く、ハンドリングエラーが起こりやすい状況だった
ので、ボールを持ったらしっかり力強く前に出ようと思ってプレーしました。」

■実際にプレーしてみてどうでしたか。
「出場時間は短かったのですが、トライにつながるプレーも出せたので、個人的には
よかったと思っています。」

■強みである、攻撃的なランがありました。
「ありがとうございます!」

■次戦以降への意気込みをお願いします。
「春シーズン、少しでも多くAチームとして出られるように、日々の練習から常に高
いレベルで頑張っていきたいと思っています。」

後半途中からの出場となったが、地元長崎の地で安定したプレーを見せた。大雨、強
風というコンディションでも、そうした状況をしっかりと踏まえた上でのプレーに徹
し、集中力を切らさなかった。当然、4年生としてのリーダーシップが要求されてく
るが、FBというポジションゆえ、チームを牽引する力がより一層、期待される。プ
レー面の成長はもちろん、リーダーシップの面でも、今後どこまで成長してくれるか
楽しみだ。そのキレのあるランにご注目いただきたい。


《COLUMN》

――裾野を広げる――

2015年度シーズン最初のゲームは、長崎での「第39回長崎招待ラグビー」でした。前
日には小学生対象のラグビークリニック、当日は中学生、高校生の選抜チームの試合
やさまざまなエキシビジョンマッチが行われるなど、非常に盛りだくさんな2日間と
なりました。また、この長崎招待ラグビーとは別に、岩出監督のトークイベントが複
数回開かれるなど、長崎の地は大いに盛り上がりました。

特に前日のラグビークリニックには、多くの小学生が参加し、帝京の選手たちが直接
指導するという形で行われ、翌日の長崎ドリームチームとの対戦時にはキッズエス
コートによる入場が行われるなど、ラグビーを楽しんでいる子どもたちにとってもた
いへん有意義なイベントになったようです。

試合前のアップ中、スタンドから「マルちゃん!(イラウア)」「ブロディ!(マッ
クカラン)」などと子どもたちからの声援が飛んでいました。
また、入場直前、選手たちと一緒に並んだエスコートキッ
ズたちは緊張した面持ちでしたが、お父さん、お母さんたちがカメラを向けると、選
手と一緒に笑顔で写真に納まりまっていました。

こうした小さなラグビー選手の卵たちを大切にする活動は、非常にすばらしいことで
す。盛り上がりという意味でも、代表の強化という意味でも、その効果は小さくない
と思います。

一部には「2019年のラグビー・ワールドカップは本当に盛り上がるのか?」と危惧す
る声もあるようです。一朝一夕に人気が高まるというわけにはいかないでしょうが、
こうした地道な活動を続けていくことはとても有意義なことでしょう。

「裾野を広げる」という言葉があります。

砂を山のように高く盛り上げていくためには、塔のように細長くはできないので、裾
野を広げて積み上げていくしかありません。同じことですが、地面に穴を掘るとき、
10cmの深さならスコップで掘れるくらいの大きさの穴で掘れますが、10mの深さの穴
を掘ろうと思ったら、もっと大きな直径の穴を掘らないと無理です。

要するに、高く積み上げよう、深く掘り下げようと思ったら、それなりの裾野なり、
穴の大きさなりが必要になってくるのです。そうした地道な活動があってこそ、高い
山ができたり、深い穴が掘れたりするわけです。

また、「スポーツのトップチームの実力は競技人口の数に比例する」などとも言われ
ます。「競技人口が多い」というのは「裾野が広い」ということですから、人気だけ
でなく、実力も高い山や深い穴のように、裾野や穴の直径が関係してくることになります。

憧れの選手と手をつなぎ、直接、話し掛けてもらったり、頭をなでてもらったりした
経験は、子どもたちの一生の思い出になるでしょう。そして、きっと帝京大学ラグ
ビー部を好きになってくれるに違いありません。試合にも注目して、応援してくれる
ことでしょう。

さらに、この中から、将来、日本代表を目指す子どもたちがいるかもしれません。
日々の練習のモチベーションが上がり、トップを目指す原動力となるかもしれません。

こうした裾野を広げる地道な活動は、多くのチーム、多くの選手がやっていることで
はあるでしょう。でも、まだまだ道は半ばです。もっともっと裾野を広げる活動を、
ラグビー界みんなでやっていくことが、ラグビー界全体の発展にもつながっていくこ
とでしょう。


《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A・第1戦
対法政大学戦(http://www.hoseirugby.com/)
4月25日(土) 百草グラウンド
13時キックオフ


(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

 

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