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関東大学対抗戦A 対慶應義塾大学戦

関東大学対抗戦A 対慶應義塾大学戦

2015/10/20

10月18日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(4勝0敗)89-10慶應義塾大学(3勝1敗)●

《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒堀越(2)坂手⇒呉(味)(3)深村⇒浅堀(4)飯野⇒秋山(5)金
(嶺)(6)イラウア(7)亀井(8)マクカラン⇒姫野
[BK]
(9)小畑⇒伊藤(10)松田(11)竹山(12)金田⇒濱野(13)重⇒岡田(14)尾崎
(15)森谷

《慶應義塾大学》※先発のみ
[FW]
(1)加藤(2)佐藤(耀)(3)八木(4)西出(5)佐藤(大)(6)廣川(7)鈴木
(8)岩本
[BK]
(9)南(10)矢川(11)清水(12)青井(13)田畑(14)染原(15)金澤

【前半】【得点経過】
【8分】帝7-0慶
ラインアウトからモールを押し込む。ラックになり、FWで連続攻撃。ラックからHO坂
手が持ち出して、押し込んでトライ。ゴール成功。

【22分】帝14-0慶
スクラムからの攻撃。ラックからSH小畑-FB森谷と渡り、森谷がするすると前に出
て、そのままトライ。ゴール成功。

【30分】帝19-0慶
ラインアウトからモールを押し込む。そのまま押し切り、HO坂手がトライ。

【34分】帝26-0慶
ラックからのこぼれ球をLO金(嶺)が拾って前進。LO飯野へパスし、飯野がトライ。
ゴール成功。

【36分】帝33-0慶
ラックからSH小畑-SO松田-FB森谷と渡り、森谷が抜け出し前進。WTB尾崎へパス
し、尾崎がトライ。ゴール成功。

【39分】帝40-0慶
ラックからSH小畑-SO松田と渡り、松田が仕掛けて前進。FL亀井へパスし、亀井が抜
け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。


【後半】【得点経過】
【7分】帝47-0慶
ペナルティでのクイックリスタートから連続攻撃。ラックからSH小畑-FB森谷と渡
り、森谷が抜け出してトライ。ゴール成功。

【11分】帝47-5慶
ラインアウトからモールを作られ、持ち出されてトライを奪われる。

【16分】帝54-5慶
ターンオーバーから展開。ラックからSH小畑-SO松田-CTB金田-FB森谷と渡り、森
谷が抜け出す。FLイラウアへとパスし、イラウアがそのままトライ。ゴール成功。

【19分】帝54-10慶
パスをつながれ、走られて、トライを奪われる。

【21分】帝61-10慶
ラックからPR堀越が前進。つかまってラックになるも、SH伊藤が持ち出し、そのまま
トライ。ゴール成功。

【26分】帝68-10慶
ラックでターンオーバー。CTB重がうまく持ち出して、そのまま走り切ってトライ。
ゴール成功。

【31分】帝75-10慶
FB森谷が前方へキック。WTB竹山がうまく拾って、走り切ってトライ。ゴール成功。

【34分】帝82-10慶
ラックからSH伊藤-SO松田と渡り、後ろから走り込んだCTB濱野にパス。濱野が抜け
出し、前進。松田へパスを戻し、松田が走り切ってトライ。ゴール成功。

【41分】帝89-10慶
相手のペナルティでSH伊藤がクイックリスタート。FLイラウアが前進。ラックになる
も、SH伊藤-PR堀越と渡り、堀越が前進し、そのままトライ。ゴール成功。



《BRIEF REVIEW》
対抗戦第4戦は慶應義塾大学との戦い。序盤は一進一退。帝京が攻める時間帯が長く
続くものの、相手のディフェンスも堅く、得点にまでは至らない。8分にラインアウ
ト・モールからFWの連続攻撃でトライを奪うが、その後もボール支配はできつつも、
なかなかスコアにつながらない。選手たちもややストレスを感じる展開だったが、22
分にFB森谷のトライで突き放したあたりから、ようやく帝京がペースをつかむ。10分
間で立て続けに4トライを奪取し、40-0で前半を折り返した。後半も帝京が攻め続け
る展開。SH小畑からのテンポのいい球出しで、FW、BKが縦横無尽に走り回る。FL亀井
が右へ左へと走って密集に飛び込めば、CTB重は縦攻撃で相手を弾き飛ばす。さらに
PR徳永、PR浅堀らがランで魅せる。途中出場組も、LO姫野、CTB濱野、CTB岡田、PR堀
越らが体の強さを発揮。89-10でノーサイド。帝京は対抗戦4連勝を飾った。



《AFTER MATCH SAY》

■岩出雅之監督
「例年、この時期、だんだん涼しくなってくる中で、対戦相手のレベルも上がってく
ることで、自分たちとしての目標を持って試合に臨んではいるものの、思い通りにい
かないことなどもあり、イライラしたり、うまくいかなかったりするときの戦い方を
学ばせてもらっています。今日もそういった部分がたくさんあったと思います。それ
に対して、いいコントロールができた部分もありましたが、もし相手のミスがなかっ
たら、そうしたイライラしてしまう時間帯が長く続いていたかもしれないという部分
もありました。前半の心理状態、ハーフタイムの心理状態、後半の心理状態を学生た
ちがきちんと押さえて、いいマインドセットができるようにしていってほしいと思い
ます。ハーフタイムには、ワールドカップ第3戦の日本対サモア戦のサモアの選手た
ちのような心理状態になっていないだろうかという話はしました。自分のメンタル状
態や試合の流れなどを自分自身で客観的に見て、エキサイトする中でもベストなプ
レーが出るようなマインドセットができることを期待したいと思っています。慶應大
学さんとは夏の練習試合でも同じようなスコア(87-0)でしたが、夏よりも質の高
いゲームになったと思います。ここ2年、大学選手権準決勝で戦っていますし、今期
も大学選手権での再戦が実現したら、お互いに伸びたなと言える戦いをしたいと思い
ます。次戦は早稲田大学さんとの試合ですが、例年、気持ちをしっかり入れて、いい
準備をされて臨んでくるチームですので、引き締まったいいゲームができるようにこ
ちらもいい準備をしたいと思います。」


■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日のゲームは厳しさをもったプレーをしよう、スタートから厳しさを出して、一
人一人が前に出るディフェンス、そして前に出るアタックをしていこうと言って、試
合に臨みました。いいプレーも出ましたし、逆に相手の慶應大学さんからのプレッ
シャーがかかったところもありました。ただ、ゲームを通してのコントロールはしっ
かりできていたと思います。エリアマネジメントもゲーム全体のマネジメントもでき
ていました。今後、さらにその点に磨きをかけて、常に帝京がゲームをコントロール
できるようになれば、さらによいチームになっていけると思っています。」


■激しいプレーでチームを牽引する・FLマルジーン・イラウア(4年)
「今日は試合としてはよかったですが、もっと早くからいいプレーをたくさん出すべ
きでしたし、速いテンポでプレーするときに正確さに欠けてしまったところがありま
した。次のプレーのことを考えすぎてしまって、一つ一つのプレーの正確さ
が疎かになってしまいました。岩出監督からは、前の試合でもこの試合でも「Lazy
(サボっている)」と言われてしまいましたが、それは監督が自分の持っている力の
レベルを高く評価してくださっていて、まだまだそのレベルのプレーができていない
という意味だし、自分でもまだまだ足りないと思っています。プレーでリー
ダーシップを発揮するタイプだと思っていますので、もっともっといいプレーをする
ことでみんなも付いてきてくれると思います。今日はお客さんがたくさん来てくださ
いました。次もたくさんの方が帝京大学の試合を見に来てくださるように、そしてお
客さんが喜んでくれるプレーがたくさんできるように、一試合一試合、レベルアップ
していけるように頑張ります。」


■短時間ながら激しいプレーでチームを鼓舞・HO呉味和昌(3年)
「今日は後半途中からの出場でしたので、体力が残っている分、アグレッシブに行こ
うと思って試合に臨みました。ただ、ボディコントロールの部分であまりうまくいか
なくて、そこが反省点です。短い時間に2回ボールを扱うプレーができたところは、
少し進歩できた点かなと思っています。次はボールをもらったら、もっとアグレッシ
ブに行けるように頑張りたいです。以前、岩出監督から『優しい性格はグラウンドの
外だけで出せ』とアドバイスをいただいたのですが、グラウンドでは笑顔で相手を激
しく倒していけるような選手を目指して、自分のマインドの持って行き方を意識して
います。今日はスクラムを組む場面がありませんでしたが、次戦はスクラムでチーム
を鼓舞できるようにプレーしたいと思います。」


■強い身体を活かす縦への前進を意識・CTB岡田優輝(2年)
「春に(U-20日本代表合宿で)ケガをしてしまい、先週のジュニア戦で復帰し
て、2試合目で対抗戦のメンバーに選んでいただいたのですが、対抗戦初出場という
こともあり、とてもうれしく思っています。とにかく全力で立ち向かっていこうとい
う気持ちでやりましたが、途中出場としてのいい流れを自分で作れなかったところは
まだまだレベルの低さを感じました。帝京のスタンダードを理解してプレーし
たつもりでしたが、まだまだでした。マインドの部分では、いい状態で試合に臨めた
のですが、いざプレーするという場面でややオーバーテンション気味になってしまっ
て、ベストの状態ではなかったのかもしれません。次の試合、ジュニア選手権での出
場機会があれば、そこでマインドセットをしっかりやって、いい状態で試合に臨める
ようにしたいです。岩出監督からもよくアドバイスをいただくのですが、自分はアウ
トプレー(攻撃時、ディフェンスに対して外側=横に移動して抜いていこうとするプ
レー)ばかりが多く、ワンパターンになりがちなので、もっと縦のプレーを使ってい
くといいと言われています。今後は練習でも試合でも、もっと縦のプレーを意識して
やっていきたいと思います。」



《PICK UP PLAYERS》
プレーだけでなく、学生コーチ、寮長としても模範を示す
CTB 濱野大輔(4年)
HAMANO DAISUKE


1994年1月6日生まれ
教育学部教育文化学科
桐蔭学園高校出身
身長172cm/体重88kg

■まずは今日のゲームの感想からお願いします。
「後半20分過ぎからの出場でしたが、自分のできること、しっかり体を張って、泥臭
くひたむきにプレーしようと思って臨みました。しっかりタックルできたところもあ
りましたし、いいランができた場面もあったのですが、フィットネスの部分でまだま
だ足りないところがあったので、シーズンが深まっていく中で、フィットネス、そし
てハンドリングスキルをさらに磨いていきたいです。」

■短時間ながら、体を張るプレーは随所に見られました。
「膝のケガから復帰したばかりで、まだタックルで足りないところがありましたし、
足の運び方もまだまだです。ただ、今日の試合では体を張ることを意識するというマ
インドセットはうまくいきました。次戦は対抗戦になるか、ジュニア選手権になるか
わかりませんが、出た試合では自分がリーダーシップを取って、80分間、体を張る姿
を見せられるようにしたいと思っています。」

■試合が続く中、コンディションの管理も重要になりますね。
「そこはトレーナーさんとしっかりコミュニケーションを取ってやっていきます。膝
は日に日によくなっているので、ケアしつつ、ケガの部分だけでなく、体調を整えた
上でいいコンディションで試合に臨めるようにしていきます。対抗戦もジュニア選手
権も、どの試合もいいコンディションで臨めるように、整えていきます。」

■プレーだけでなく、学生コーチ、そして寮長としてのリーダーシップもチームにい
い影響を与えているのではないですか。
「ありがとうございます。学生コーチとしては常に姿で見せること、寮長としては掃
除などで寮の環境を整えることはもちろん、ラグビーができる環境をいろいろな面で
整えることを自分からしっかり発信していくように意識しています。ラグビー面で
は、坂手や(金田)瑛司らに任せきりにするのではなく、学生コーチが6人いるの
で、しっかりとサポートして、4年生全員で協力して今シーズンを乗り切っていきた
いと思っています。」

■では、最後に今後への意気込みをお願いします。
「やっとケガから復帰できましたが、後れを取ってしまった分を取り戻せるように、
一日一日の練習を大切にして、まずは体を張って、泥臭くひたむきにプレーすること
を意識してやっていきたいと思います。」


膝のケガで戦線を離脱していたが、前節の日本体育大学戦で復帰した。対抗戦2試合
目となったこの日の試合、本人はタックルの際の足の運び方などがまだまだだと語る
が、攻撃時の縦への突破力は十分に戻ってきている。この日は定評のある体の強さだ
けでなく、後ろからいい角度で走り込んでパスをもらって突破するシーンも見られ、
試合勘の回復も順調であることを伺わせた。また、日頃から学生コーチ、寮長として
のリーダーシップも発揮し、部員たちの模範となっている。現NTTドコモの泉敬元
キャプテンがよく口にしていた「泥臭く、ひたむきに」という言葉が何度も出てきた
が、今後の戦いでも「泥臭く、ひたむきに」体を張ってみんなを鼓舞してくれること
だろう。



《COLUMN》
――マインドセットとは――

帝京の選手たちに話を聞く中で、「マインドセット」という言葉を多く聞きます。
特定の選手からというわけではなく、1年生から4年生までポジションに関わらず出てきます。

この「マインドセット」とはいったい何なのでしょうか。「マインドをセットする」
ということですが、この場合の「set」は「固める」とか「固定する」、あるいは
「整える」「調整する」といった意味も含まれるかと思います。

要するに「自分のマインド(心・気持ち)を調整して、いい状態に整え、固定する」
といった意味になるでしょう。

これだけではよくわからないかもしれませんね。

最近はビジネス、特にビジネスコーチング用語としてよく使われるようになっている
言葉です。インターネットで検索してみるとこうでした。ちょっと長くなりますが、
引用してみます。

「マインドセットとは、考え方の基本的な枠組みのこと。組織に対してだけでなく、
個人に対しても用いられる。組織においては、マインドセットは企業の意思決定のう
えで重要な役割を担う。それは現在の事業内容や経営理念、過去の経験等から構成さ
れ、今後の達成目標や対象とする相手、利用できる手段等を定める際の指針となる。
また個人においては、マインドセットは職務に必要な知識や技能を明確に意味づける
のに役立つ。同じ知識や技能を学ぶにしても、その意味や目的を意識するのとしない
のとでは、結果に大きな違いが出ることがある。」(「ナビゲート ビジネス基本用
語集」より)

特に重要なのは最後の一文かと思われます。「同じことをするにしても、マインド
セットの違いで結果に大きな違いが出る」と言っています。

また、その都度、短期的に作り上げる「気持ちの持ちよう」というよりは、そういっ
たことの積み重ねによってでき上がる「信念」とか「考え方の習慣」のようなものを
指すと言ってよさそうです。

例えば、プラス思考、マイナス思考というのもマインドセットの一例でしょう。よく
あるたとえ話ですが、「喉が渇いたときに、水がコップの半分まで入って置いてあっ
たのを見て、『半分しかない』と思うか、『半分もある』と思うか」は、マインド
セットによるものだと言えます。

マインドセットとは「考え方の基本的な枠組みのこと」ですが、これは完全に固まっ
てしまったものではありません。常に意識することによって、変えていくことができ
るものですし、少しずつとはいえ、そのときそのときの状況によって、変えることも
可能です。

帝京の選手たちは、試合に臨む際のマインドセットを、自分たちでいい形に変えてい
くために、常に意識しているというわけです。

もちろん、一人一人がそれまでに生きてきた中で得た経験とか信念とか価値観、判断
基準がありますから、意識してすぐに大きく変わるものではないでしょう。しかし、
試合に対するマインドセット、ラグビーに対するマインドセット、あるいは人生に対
するマインドセットを常にいい方向に向けるように意識し続けることで、少しずつで
も着実に変えていけるのです。

しかも、ラグビーに関しては、みんなが同じ方向へマインドセットされていくはずで
すから、目標となっている方向へ全員で向かっていけるようになるでしょう。

大きな船は舵を切ったあと、ゆっくりと少しずつ船体を曲げていきます。すぐには結
果が出ないかもしれません。しかし、その船体は確実に、着実に、目標とする方角へ
と向かっていくのです。



《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
PR 趙 雄真(1年)
東京朝鮮高級学校出身
身長172cm/体重108kg

「強み、アピールポイントはラックサイドのアタックです。課題は体が小さい
ことなので、今は体作りに積極的に取り組んでいます。PR陣の先輩方はみな体が大き
いので、それに負けないようにと思って頑張っています。また、フィットネスの強化
にも力を入れています。体力、スタミナの部分ですね。さらには、先輩方のスクラム
での姿勢を見て学んで、常に姿勢を意識してスクラムを組むようにしています。帝京
大学ラグビー部は規律がしっかりしていて、あらゆる活動が模範的で、尊敬できる人
がたくさんいます。部員として恥じないよう、みんなの模範
となれる選手になりたいと思っています。」


SH 田上 稔(1年)
佐賀工業高校出身
身長170cm/体重74kg

「周りを活かすプレーをして、周りに信頼されるプレーヤーになるというのが
目標で、しっかりと仲間一人一人の特徴を活かせるSHになりたいと常に考えてプレー
しています。指示待ちになってしまったり、パニックになることがあるので、プレー
のいいイメージをしっかりもって、正確なプレーをしていくというのが今後への課題
です。帝京大学ラグビー部は一人一人の意識が高く、また仲間意識が強いです。まず
個人が頑張って、それが集まって一つの大きな目標に向かうという文化があるので、
自分も早くそれを学んで、来年入ってくる後輩たちにも伝えていきたいです。上の
チームで出続けることが目標ですが、そのためのプロセスを大切にして、何をすべき
かを日々考えて練習に臨みたいと思っています。」



《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A・第5戦
対早稲田大学戦(http://www.wasedarugby.com/
11月1日(日) 秩父宮ラグビー場
14時キックオフ

過去の対戦成績:関東大学対抗戦9勝27敗(大学選手権4勝2敗)
[早稲田大学の直近5戦]
8月16日 ●33-36大東文化大学(夏期練習試合)
8月23日 ●7-52帝京大学(夏期練習試合)
9月6日 ○57-12立教大学(関東大学対抗戦A)
10月4日 ○52-17青山学院大学(関東大学対抗戦A)
10月12日 ●25-45筑波大学(関東大学対抗戦A)

(文/木村俊太、写真/志賀由佳)

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