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第52回全国大学ラグビー選手権大会・セカンドステージ第3戦 対中央大学戦

第52回全国大学ラグビー選手権大会・セカンドステージ第3戦 対中央大学戦

2015/12/27

12月27日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(勝点21)105-0中央大学(勝点8)●

《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒垣本(2)坂手⇒堀越(3)深村⇒浅堀(4)飯野⇒姫野(5)金(嶺)
(6)イラウア(7)亀井(8)小野⇒マクカラン
[BK]
(9)小畑⇒荒井(10)松田(11)竹山(12)金田⇒濱野(13)石垣(14)尾崎
(15)森谷⇒矢富

《中央大学》※先発のみ
[FW]
(1)井村(2)天田(3)三宮(4)西野(5)鎌野(6)山下(7)水嶌(8)赤池
[BK]
(9)長谷川(10)浜岸(11)高(12)白井(13)笠原(14)伊藤(15)渡辺

【前半】【得点経過】
【1分】帝5-0中
ラインアウトからモールを形成。そのまま押し込んでHO坂手がトライ。

【4分】帝12-0中
キックオフから連続攻撃。ラックからSH小畑-SO松田と渡り、松田が抜け出す。CTB
金田にパスし、金田が走り切ってトライ。ゴール成功。

【17分】帝19-0中
ラインアウトからFW、BKで連続攻撃。ラックからSH小畑-SO松田-FB森谷-CTB石垣
と渡り、石垣がトライ。ゴール成功。

【21分】帝26-0中
スクラムからNo8小野-SH小畑-FB森谷と渡り、森谷が抜け出す。FLイラウアへとパ
スが渡り、イラウアがトライ。ゴール成功。

【26分】帝33-0中
FLイラウアがラックでターンオーバー。SH小畑-CTB石垣-FB森谷-SO松田と渡り、
松田が抜け出す。松田がWTB竹山にパスし、竹山が走り切ってトライ。ゴール成功。

【30分】帝38-0中
ラインアウトからFWで連続攻撃。ラックからLO金が持ち出してトライ。ゴール成功。

【33分】帝43-0中
ペナルティからSH小畑がクイックリスタート。FB森谷にパスし、森谷が前進。さらに
WTB竹山にパスが渡り、竹山が抜け出し、走り切ってトライ。

【36分】帝48-0中
キックオフから連続攻撃。PR徳永、FLイラウアが前進。ラックからSH小畑-LO金-SO
松田-CTB金田-WTB竹山と渡り、竹山がトライ。


【後半】【得点経過】
【2分】帝55-0中
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH小畑-FB森谷-CTB金田と渡り、金田が前
進。さらにWTB竹山へと渡り、竹山が抜け出してトライ。ゴール成功。

【6分】帝62-0中
相手ボールスクラムをターンオーバーして連続攻撃。ラックからSH小畑-FB森谷と渡
り、森谷が前方にゴロキック。WTB竹山が走って追い付いてトライ。ゴール成功。

【14分】帝69-0中
スクラムから連続攻撃。ラックからSH荒井-FB森谷-No8小野-WTB竹山と渡り、竹山
が抜け出す。さらに荒井へとパスし、荒井が走り切ってトライ。ゴール成功。

【16分】帝76-0中
キックオフから連続攻撃。FB森谷、CTB金田が前進。ラックからSH荒井が仕掛けて前
進し、HO堀越へとパス。堀越が抜け出してトライ。ゴール成功。

【21分】帝83-0中
ペナルティからLO姫野がクリックリスタート。ラックからNo8小野が持ち出し前進。
さらにラックからSH荒井-FLイラウアと渡り、イラウアが抜け出してトライ。ゴール
成功。

【25分】帝90-0中
ラックでターンオーバー。SH荒井-LO金と渡り、金が抜け出す。タックルを受ける
も、持ち直してさらに前進。WTB竹山へとパスし、竹山がトライ。ゴール成功。

【27分】帝95-0中
キックオフからモールを形成。SH荒井-CTB矢富と渡り、矢富が前進。ラックからSH
荒井-SO松田-CTB濱野-CTB石垣と渡り、石垣が抜け出す。さらにWTB尾崎へと渡
り、尾崎が走り切ってトライ。

【29分】帝100-0中
キックオフから展開。CTB石垣が前進。ラックからSH荒井-PR垣本-LO姫野-WTB尾崎
と渡り、尾崎が抜け出し、走り切ってトライ。

【33分】帝105-0中
ラインアウトからモールを形成。HO堀越が持ち出し、そのまま走り切ってトライ。



《BRIEF REVIEW》
大学選手権セカンドステージ第3戦はリーグ戦3位の中央大学との試合。帝京はすでに
ファイナルステージ準決勝進出を決めているが、いい形で準決勝に入るためにも、ま
たトーナメントに1位で進むためにも、厳しい戦いをしていきたい。開始1分、WTB竹
山らの前進からゴール前でのマイボール・ラインアウトを獲得すると、モールで前
進。そのまま押し込み、HO坂手が押さえて先制トライを奪う。さらに、キックオフか
らつないでCTB金田がトライ。開始5分で12-0とする。ここから約10分間、攻め続け
ながらも、相手の必死のディフェンスもあり、スコアが動かない時間帯となる。だ
が、17分にCTB石垣がディフェンスを引きずりながらのトライを奪うと、そこからは
トライラッシュ。WTB竹山の3連続トライなどもあり、前半を48-0で折り返した。後
半も帝京のトライラッシュは続く。FB森谷は何度もディフェンスラインを突破し、
チャンスを作る。FLイラウアは突破役、抜け出した味方のフォロー、ディフェンス時
のタックルなど縦横無尽に走り回る。途中出場のSH荒井、HO堀越らも存在感を見せ
る。相手も最後まで前に出るディフェンスを見せるが、帝京もひるまず前に出続け
る。105-0でノーサイド。総勝点を21、得失点差を229とし、セカンドステージ1位
で、年明け1月2日のファイナルステージ準決勝へと駒を進めた。



《POST MATCH INTERVIEW》

■岩出雅之監督
「大学選手権セカンドステージの最終戦をしっかり締めくくり、ファイナルステージに
1位として上がっていくために、これまで以上に「ワークハード」すること、そして精神的にも
肉体的にも自分自身をしっかり押し上げる「ワンモアプッシュ」していこうというスローガンで
ゲームに臨みました。学生たちの気概を感じるとても引き締まったゲームをしてくれたと思います。
いよいよファイナルステージですが、学生たちはとても良い状態になってきました。
次の大東文化大学さんとのゲームに向けて、より帝京の厳しさがゲームに出せるように
頑張っていきたいと思います。今日のゲームは、スコアが開きましたが、最後まで果敢に
攻めてこられた中央大学さんには敬意を表したいと思います。
関係の皆様ありがとうございました。」

■ゲームキャプテン・CTB金田瑛司(4年)
「今日はスタートから厳しく、激しく、帝京の強みをどんどん出して、相手を圧倒し
ようと言って臨みました。細かいミスはまだまだありましたが、それをしっかりと修正
して、勢いよく準決勝の大東文化大学さんとの試合に臨みたいと思います。」


■後輩たちに本気で取り組む姿勢を見せていきたい・No8小野貴久(4年)
「今日は厳しさをもって戦い続けようと言って試合に臨みました。ですが、特に立ち
上がりの15分間、中央大学さんの激しいプレッシャーの中で受け身に回ってしまった
部分がありました。ゲームの最初からいちばんいいときのテンションに持っていける
ように、メンタルの作り方をしっかりやっていかなければという確認ができたいい
ゲームだったと思います。Aチームで出続けていることで、Aチームの雰囲気やプレー
の質、一つ一つの判断といったものの理解が高まり、それによっていいプレーもでき
るようになっていると思います。そこは自信になっています。自分は言葉で引っ張る
のがそれほど得意ではない分、姿、行動で見せていけたらと思っているので、練習で
も試合でも、本気で取り組む姿勢を後輩たちに見せられるように意識しています。次
の試合もいいゲームをして、いい形で勝って、決勝につながっていけるように、本気
でハードワークしたいと思います。」


■自分の仕事を100%やり切りたい・PR垣本竜哉(2年)
「今日は一つ一つのことに対してワンモアプッシュ、自分で自分を上げていくこと、
そして周りも上げていくことを意識しました。まずは気持ちの部分で負けないように
と思って臨みました。自分の仕事はまずはセットプレーとブレイクダウンの部分とい
うように、はっきりしているので、そこをしっかりやろうと思っていました。スクラ
ムでフリーキックの反則を取られたり、いくつかミスがあったので、そこは次に出た
時には100%やり切りたいですし、フィールドプレーでもブレイクダウン、タックル
でもっと出し切りたいです。次戦も出場した時には、自分の仕事をやり切るという強
い気持ちを持ってプレーしたいと思います。」



《PICK UP PLAYERS》

サポートしてくれるスタッフやチームメイトに全力プレーで恩返ししたい

WTB 竹山晃暉(1年)
TAKEYAMA KOKI

1996年9月25日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
御所実業高校出身
身長176cm/体重80kg


■6トライの活躍でした。今日のゲームを振り返って感想を聞かせてください。
「先週、出場できなかった分、その思いをぶつけて、プレーで表現できたかなと思い
ます。6トライはトライゲッターの仕事としてはよかったと思いますが、チームの一
員としてはディフェンスの厳しさがもう一つでしたし、苦しいところに参加できてい
ないところもあったので、もっと厳しくやって、苦しいところにもどんどん入ってい
きたいです。」

■「先週、出場できなかった分の思い」という話が出ましたが、どのような思いだっ
たのでしょうか。
「公式戦にずっと出続けることを目標に帝京大学に入ったので、それが途切れる悔し
さがあったのですが、岩出監督から『そんな目標より大切なことがある。しっかり体を大事にす
ること、普段見れていないものも見て、そして、今後の自分の未来のことを考えなさい』と言われ、
いろいろ考え直すことがありました。特に体のケアの大切さを学ばせていただきました。
思いというのは、出られなかった悔しさとケアできた体をしっかり使っていこうという思いですね。
今後もAチームとして出続けるという目標は持ち続けながら、体のことも大事にしていき
たいです。」


■先週、休んで、外から試合を見たことで得たものもあったのではないでしょうか。
「普段、自分が試合に出てプレーできていることは、けっして当たり前じゃないとい
うことを改めて感じました。こうして試合ができるのも、支えてくださっているス
タッフさんやチームメイトたちのおかげなのですが、そういうことを直接感じる場面
が今まであまりなくて、知らず知らず『当たり前』のようになっていたところがあり
ました。自分が試合に出ず、サポート側に回ったことで、それが当たり前じゃないん
だと気付けたことは自分にとって大きな収穫だったと思います。チームというものの
見方も変わりましたし、試合に出た時にはサポートしてもらう側として、グラウンド
で全力で恩返ししようという気持ちが強くなりました。」

■今日は全体的にキックを多く使っていた印象がありますが、どのような意図があっ
たのでしょうか。
「勝負しようと思った場面で、中央大学さんが前に出てくるいいディフェンスをされ
ていたので、その裏へのキックを使って自分が走るというプレーを何度かやりまし
た。逃げたわけではないのですが、もっと積極的に相手にぶつかって行きたい気持ち
もありますので、次の試合ではもっとチャレンジしていきたいです。今日もキックで
トライを取れていればよかったのですが、結果的に取れず、いいキックにならなかっ
たので、そこは反省して、修正したいです。左足でキックすれば、もっと出足よく前
に出られたはずなので、そこも修正したいです。」

■では、次戦への意気込みをお願いします。
「今日はセカンドステージの最終戦として、すごくいい試合になり、次へ向けてのい
いスタートとなりました。今日、坂手さんが途中でアウトしてしまいましたが、そう
いうときこそチームがまとまるときだと思うので、次戦もサポートのメンバーも含め
てチームが一つになって勝利したいと思います。」


この日、持ち前のスピードとコース取りのうまさ、さらには力強さも見せて6トライ
をあげた。入学時から「公式戦全試合出場」を目標にしていたが、フィジカルコン
ディションが万全でなかった前回の試合で出場メンバーから外れることになった。悔
しい気持ちが大きかったようだが、試合に出ずに外からチームを見るという経験に
よって、自身の体のケアの大切さとサポートをしているスタッフやチームメイトへの
感謝の気持ちを改めて強くしたと語る。こうした精神的な成長は、今後必ず、プレー
の面にもいい形で現れてくることだろう。



《COLUMN》

――帝京ノーペナ――

ラグビーの試合で、選手たちがよく「ノーペナ!」と叫んでいるシーンを見かけま
す。「ノー・ペナルティ」を略で、「ペナルティをしないようにしよう」という意味
です。

ラグビーにおいて、ペナルティは非常に大きな意味を持ちます。敵陣に攻め込んだ
シーンでペナルティをおかしてしまうと、チャンスは一瞬でついえてしまいますし、
自陣でのペナルティはゴール前での相手ボールのラインアウトになるか、PGで3点を
失うか、いずれにしても大きな失点につながる大ピンチとなります。

また、拮抗した試合では一つのペナルティが勝敗を分けることも珍しくありません。
そういう意味では、ペナルティを減らすことはすなわち勝利へと近づくことと言って
も過言ではないでしょう。

さて、この試合、帝京は105-0というスコアで勝利しましたが、大会結果を見てみる
と、この大差での勝利以上に注目すべき数字がありました。それは、「1試合(前後
半)通して、ペナルティの数が0」だったことです(フリーキックは1つあり)。

これがいかにすごいことかをわかっていただくために、この日に行われた大学選手権
の他の試合(帝京の対戦相手の中央大学も含めて)のペナルティの数をランダムに列
挙してみますと「14」「6」「11」「6」「14」「10」「11」「12」「8」「12」「7」
「14」「3」「10」「11」でした。

一番少ないチームでも「3」、多いチームは「14」ものペナルティをおかしていま
す。平均すると「9.93……」。1試合平均で1チーム約10個のペナルティが起こってい
ました。

ラグビーでは、レフェリーの傾向によってペナルティの数は変わってきますし、試合
展開などによっても変わってくるため、同じ基準で比較できないところはあるのです
が、それでも「ペナルティ・ゼロ」というのがどれほどすごいことかはわかっていた
だけると思います。

「105-0ほどの力差があればボールをずっと保持していられるから、ペナルティも起
こりにくくなるし、そもそもペナルティが起こる前にトライが生まれていたのではな
いか」という意見もあるかもしれません。

そういう部分もあるかもしれませんが、帝京がディフェンスする時間帯も多くありま
したから、そこで「ノットロールアウェイ」のペナルティを取られるリスクは常にあ
りましたし、相手のタックル、ブレイクダウンも激しく来ていましたから、攻めてい
ても「ノットリリースザボール」のペナルティを取られる可能性も往々にしてありま
した。

そこでペナルティをおかさなかったのは、「規律」と「サポート」への意識でしょ
う。

ラグビーで「規律」という言葉は「ノーペナ」とほぼ同義に使われますが、ペナル
ティをしない意識(例えばディフェンス時ならすぐにどいてノットロールアウェイを
取られないようにする意識など)が大切になります。

「サポート」というのは、ボールキャリアを孤立させない(孤立するとボールを奪わ
れたり、ノットリリースザボールのペナルティをしてしまう可能性が高まるので)と
いうことです。走って走って、接点に体をぶつけていく。その繰り返しを最初から最
後までやり続けるということです。

この日、帝京はこれらを80分間、やり続けました。その結果が「ペナルティ・ゼロ」
につながったのです。

選手が「ノーペナ!」と叫ぶのは、たいていペナルティをしてしまった直後です。
「もうペナルティはしないように気を付けよう」という意味で発せられることが多い
のです。

この日、帝京の選手たちから「帝京、ノーペナ!」というセリフは聞かれなかったは
ずです。それは「ノーペナ」という言葉がいらない、真の「ノーペナ」が実現してい
たからです。




《NEXT MATCH》
第52回全国大学ラグビー選手権大会・ファイナルステージ準決勝
対大東文化大学戦(http://www.daito.ac.jp/sports/club/rugby.html)
1月2日(土) 秩父宮ラグビー場
14時10分キックオフ

過去の対戦成績:大学選手権1勝1敗
[大東文化大学の直近5戦]
11月7日 ●7-38東海大学(関東大学リーグ戦1部)
11月22日 ○41-38法政大学(関東大学リーグ戦1部)
12月13日 ○31-22筑波大学(大学選手権セカンドステージ)
12月20日 ○40-14慶應義塾大学(大学選手権セカンドステージ)
12月27日 ○33-31同志社大学(大学選手権セカンドステージ)

(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

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