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関東大学春季大会A・第1戦 対中央大学戦

関東大学春季大会A・第1戦 対中央大学戦

2016/04/24

4月24日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(勝ち点6)91-0中央大学(勝ち点0)●

《帝京大学》
[FW]
(1)西⇒大西(2)堀越⇒岡本(3)呉(味)⇒垣本(4)飯野(5)姫野⇒古田(6)菅原⇒金(廉)(7)亀井(8)吉田
[BK]
(9)小畑(10)松田(11)宮上(12)野口⇒重(13)岡田⇒霜鳥⇒末(14)津岡(15)尾崎

《中央大学》※先発のみ
[FW]
(1)井村(2)吉中(3)床田(4)三枝(5)鎌野(6)白鳥(7)浦田(8)赤池
[BK]
(9)長谷川(10)浜岸(11)高橋(12)笠原(13)白石(14)伊藤(15)重松

【前半】【得点経過】
【6分】帝7-0中
相手ボールのラインアウトを奪って、FWで連続攻撃。最後はNo8吉田が押さえてトライ。ゴール成功。

【8分】帝14-0中
ラインアウトからモールを押し込む。ラックになるも、LO姫野が持ち出してトライ。ゴール成功。

【13分】帝21-0中
WTB宮上が大きく前進し、さらに連続攻撃。ラックからSH小畑-LO姫野と渡り、姫野がトライ。ゴール成功。

【22分】帝28-0中
ラインアウトから連続攻撃。LO姫野が前進。ラックからLO飯野-HO堀越-PR西と渡り、西がトライ。ゴール成功。

【34分】帝35-0中
ゴール前でのスクラムを押し込み、No8吉田が押さえてトライ。ゴール成功。

【37分】帝42-0中
クイックスローインから、WTB宮上が前進。ラックからSH小畑がインゴールへキック。HO堀越がうまくキャッチしてトライ。ゴール成功。


【後半】【得点経過】
【1分】帝49-0中
ラックでターンオーバー。BKに展開し、CTB野口が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。

【9分】帝56-0中
ラインアウトからFWで前進。ラックからSH小畑-SO松田-CTB野口-CTB霜鳥-FB尾崎-WTB津岡と渡り、津岡がトライ。ゴール成功。

【17分】帝63-0中
ゴール前でのスクラムを押し込み、No8吉田がトライ。ゴール成功。

【22分】帝70-0中
キックカウンターからBK展開。WTB津岡にわたり、津岡が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。

【27分】帝77-0中
キックカウンターからBK展開。FB尾崎が前進し、WTB津岡へパス。津岡が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。

【30分】帝84-0中
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH末-SO小畑-FB尾崎と渡り、尾崎がトライ。ゴール成功。

【37分】帝91-0中
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH末-SO小畑-CTB松田-FB尾崎-WTB津岡と渡り、津岡が走り切ってトライ。ゴール成功。


《BRIEF REVIEW》
2016年度の春季大会が始まった。第1戦の相手は昨年度、リーグ戦3位の中央大学。帝京は公式戦初出場のメンバーも多く、開始当初は緊張感が見て取れたが、6分にNo8吉田がトライを奪取すると徐々に硬さも取れ、8分、13分とLO姫野が連続トライを奪う。しかし、ここからしばらく守りの時間帯となる。それでも、LO飯野、FL亀井らの好タックルで大きな前進は許さない。FL亀井の出血による一時的退場でキャプテン不在の時間帯もあったが、一人一人がやるべき仕事をしっかりと行っていく。FL菅原、WTB宮上ら初出場組もビッグゲインを見せ、前半を42-0で折り返した。6トライすべてをFWで取った前半とは打って変わって、後半はBKがトライを重ねていく。開始早々、CTB野口が激走を見せトライを奪うと、9分には津岡がトライ。この試合、津岡は後半だけで4トライをあげた。ディフェンスでもしっかりと体を張る。ゲインされる場面はあっても、SO松田らの好タックルもあり、トライまでは許さない。なお松田はこの日、難しい角度も含め、13本のゴールキックをすべて成功させた。帝京は最後まで気持ちを切らさず、91-0でノーサイド。今季初の公式戦を勝利で飾り、勝ち点6を獲得した。


《POST MATCH INTERVIEW》

■岩出雅之監督
「今シーズン初の公式戦ということで、学生たちにとってはゲームを大切にする意識を持ちやすい試合になったと思います。この春の段階では、まだまだ高いレベルのところまでは、そう簡単には行けないとしても、公式戦として試合に臨む気持ちの部分は同じなので、そういう意味では引き締まったスタートが切れたのではないかと思っています。個々にはパンチ力や精度の低かったところもありましたが、トータルとしては自分たちの姿勢というものが出ていたゲームでした。できないことはすぐにできるようにはなりません。時間をかけて解決する課題とすぐに解決すべき課題とがある中、今日、主に出たのは時間をかけて解決する課題でしたので、特に心配はしていません。これからの一日一日が、常に元気な明日を迎えられるように、まずはケガをせず、自身の逞しさを持てる明日につながるように積み上げをしていってもらいたいと思っています。」

■キャプテン・FL亀井亮依(4年・ゲームMVP)
「チームとして初の公式戦ということで、試合前、まずはディフェンスでタックルから流れをつかんでいこうと言って、試合に臨みました。相手の点数をゼロに抑えられたことは、次につながるいい結果だと思います。今年度、大学選手権8連覇と日本一という目標を掲げて、その中で『挑戦』というテーマで日々、取り組みをしています。日々の練習、トレーニングで一人一人が一つ一つのプレー、一つ一つの考え方の中に『挑戦』する意識を高め、また、きついアジリティ・トレーニングの中にも『挑戦』というキーワードを置いて、『去年の自分よりも1秒でも速くなるように』など、そうしたことにこだわりをもって、いい積み重ねができているのではないかと思います。チームとしてディフェンス力というものが勝つためのベースとなっていくと思うので、これから春シーズンが深まっていく中で、まずは自分も含めて、個々のタックル力を上げていくというところにこだわってやっていきたいと思います。」


■緊張の中、スクラムトライも演出・PR西和磨(3年)
「Aチームでの公式戦は初めてでしたので、正直、緊張していました。その中で自分としては『挑戦』ということ、しっかりチャレンジしていこうと思って試合に臨みました。まだまだイメージがついていかないところもあって、自分だけが無駄な動きをしてしまう場面もあったのですが、派手さはないにしても、愚直にサポートする部分を意識してプレーしたので、そこはある程度、できたのではないかと思っています。プロップとして、スクラムトライできた場面では自分の形が出せたと思うのですが、できなかった部分もあったので、そこはもっと日々の練習からイメージして、自分の形を100%出し続けられるようなプレーヤーになりたいと思います。今はまだチャンスをいただいている段階なので、なんとかAチームに定着して、対抗戦や大学選手権、さらには日本選手権でもAチームのメンバーとして戦えるように努力していきたいと思います。」


■後半早々、鋭い走りでトライを奪取・CTB野口修平(3年)
「初のAチームでの公式戦で緊張もありましたが、周りの仲間たちが声をかけてくれて、落ち着くことができました。とにかく思い切りやろうと思って臨んだのですが、今日、課題としていたディフェンスで前に出られず、受け身になってしまったところがあったので、改めて課題が出たと思います。さらに、ディフェンスのコミュニケーション、CTB陣での連携のところがうまくいかずに、相手に差し込まれてしまいました。体を張って前で止めるのがCTBの仕事なのですが、そこで甘さが出てしまいました。アタックでも、自分で何とかしようとしてしまい、周りとのコミュニケーションが取れていませんでした。スペースをもっと探して、コミュニケーションしながらゲインすることが大事なので、そこをもっと強化していきたいです。『Go Forward』で前に出続け、ディフェンスは一対一で負けずに相手をドミネートして前で倒せる、信頼されるCTBになりたいです。」



《PICK UP PLAYERS》

体の強さと走りの鋭さで会場を沸かせた

FL 菅原貴人(2年)
SUGAHARA TAKAHITO

1996年9月22日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
御所実業高校出身
身長185cm/体重98kg


■今日の試合には、どんな気持ちで臨んだのでしょうか。
「チームとして今シーズン初めての公式戦、そして自分自身も初のAチームでのゲームということで緊張もありましたが、強気でどんどんチャレンジしていこうと思って臨みました。」

■プレーしてみての感想はいかがでしたか。
「要所要所、チャンスの場面でボールをもらうことはできたのですが、個人として、ブレイクダウンの厳しさやタックルの精度など、まだまだ甘いところがありました。そこを修正していきたいです。」

■ボールを持って大きく前進するシーンもありましたが、アタックでの手応えを感じたのではないでしょうか。
「あのプレーはチームとして練習しているところでもあり、自分でもチャンスを見つけることができたので、そこで勝負できたのはよかったと思います。ただ、最後の精度の部分がよくなかったので、そこは改善したいです。」

■プレーの面で特に意識していることはどんなことでしょうか。
「ブレイクダウンの厳しさです。そこがまだまだ足りないので、意識してやるようにしています。」

■得意なプレー、強みの部分はどんなところですか。
「サポートプレーですね。走って走って、サポートしていくのが自分のプレーだと思っています。岩出監督は現役時代FLでしたし、帝京のFLとして求められるものの基準はとても高いものがあると感じています。まだまだなので、積み重ねをしていきたいです。」

■今後への意気込みを聞かせてください。
「Aチームに定着して、日本一になるまで6番として活躍できるように、これからも一つ一つ積み上げをしていきたいと思います。」


公式戦初出場ながら、伸び伸びとしたプレーで大きくゲインするシーンを見せた。「タックルやブレイクダウンでの厳しさが足りなかった」と語るなど、課題も見つけ、今後の成長にも期待できる。元はLOだったが、「サポートプレーが得意」と語るように、FLとしての適性も十分。今以上にタックル力が向上していけば、大舞台での活躍も期待できるだろう。




《COLUMN》

――挑戦――


早くも2016年度の公式戦が始まりました。

試合後のインタビューでは、亀井キャプテンからも、またPR西、CTB野口、FL菅原からも「挑戦」「チャレンジ」という言葉が聞かれました。

インタビューコメントにもあるように、亀井キャプテンは「今年度、大学選手権8連覇と日本一という目標を掲げて、その中で『挑戦』というテーマで日々、取り組みをしています」と語っています。

この「挑戦」というテーマ、大学で「スポーツ心理学」の講義も受け持つ岩出監督の巧みな動機付けかと思いきや、どうもそうではないようです。

「『挑戦』というのは彼らの方から出てきた言葉で、私は何も言っていません。」(岩出監督)

与えられたものではなく、選手たち自身から意識すべきキーワードが出てくるところに、大きな成長が感じられます。

選手たちから出てきたこのキーワードに対して、その後、岩出監督からのアドバイスもありました。

「漠然とした『頑張る』という意味での『挑戦』ではなく、具体的に何に対して挑戦するのかということを一人一人が考えて『Individual Performance』を心技体ともに高めていくことが大事です。それぞれの課題にそれぞれが取り組む際に『何を』を考えながら実践してほしいですね。」

これは、亀井キャプテンも理解していて、インタビューコメントでも「『去年の自分よりも1秒でも速くなるように』など、そうしたことにこだわりをもって、いい積み重ねができているのではないかと思います。」と述べています。

あるいは、昨年度(2015年度)の「イヤーブック」に載っている堀江翔太元キャプテン(現・パナソニックワイルドナイツ)のコメントも参考になりそうです。

「パナソニックでやっているのは、練習の度に『昨日の練習よりよくしよう』ということ。(中略)昨日を超えていけば基本的に上に上がっていくわけだし、わかりやすいからモチベーションになる。」

練習の度に「昨日の自分を超える『挑戦』をしよう」ということでしょう。

そして、岩出監督は「挑戦」というキーワードに対して「will must can」という3つが重要だと述べます。

「意志をもって、やるべきことをやり、できるようにしていくということです。意志がないと行動が起こりませんから、まず意志(will)をもって、目標達成に必要なやるべきこと(must)を描いて、それをできるように(can)にしていく。意志にあったmust、意志にあったcanになるように、意志とやるべきことと実力が一致する『挑戦』をしていってほしいですね。」

夏、秋に取り組むことになるであろう本格的な「挑戦」を見据えて、春はまず一人一人が「Individual Performance」の向上に「挑戦」していきます。今年度も学生たちの成長ぶりを温かく見守っていきましょう。


《THE NEW FACE》

ニューフェースたちの声を紹介します。

SO 霜鳥優太(1年)
深谷高校出身
身長174cm/体重78kg

「自分のアピールポイントはキックです。正確性、飛距離など、全般的にキックを得意としています。対して、今はパスの精度を高めるべく努力しています。帝京大学ラグビー部は、上級生の先輩方がしっかりリードしてくださり、下級生の自分たちがわからないところをいつも優しく教えてくださいます。今後もできる限り多くの試合に出られるように、日々、練習を頑張っていきたいと思います。」


WTB 宮上廉(1年)
佐賀工業高校出身
身長180cm/体重84kg

「自分の強みはランプレーです。走ってトライを取り切るプレーをたくさんお見せしたいです。課題はコミュニケーションの部分。WTBから内側のCTBやSOのプレーヤーにしっかり声をかけていくことを意識して練習しています。帝京大学ラグビー部は、想像していた以上に練習のテンポが速いです。また、一人一人が誠実に努力しているので、自分もしっかりそれについていって、ついていくだけでなく、自分の課題を明確に持って成長していけたらと思っています。Aチームの試合に出させていただいたのですが、今後もAチームで出られるように、先輩方についていくだけでなく、しっかり自分を出していきたいと思っています。」


SH 末拓実(1年)
長崎北陽台高校出身
身長164cm/体重68kg

「強気で前を見てランできるSHというところが自分の強みです。課題としては、パスのスキルを向上させたいと思っています。速いパスや判断力の部分を先輩方に教わりながら練習しています。試合でいいパスを出せたシーンもありましたが、まだまだムラがあるので、すべてのパスがいいパスになるように練習したいです。帝京大学ラグビー部のことはテレビで何度か見て、ある程度のイメージはありましたが、入ってみるとテレビでの印象以上でした。本来は自分たち1年生がやるべき仕事を4年生、3年生の先輩方がやっているので、僕たち1年生は自分のことに集中できています。今は自分のことをしっかりやって、上級生になったときには、自分たちが同じようにやれるようにしたいです。まずは、自分のやるべきことをやって、一つでも多くの試合に出られるように、いただいたチャンスをしっかりつかめるように努力していきたいと思います。」



《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A・第2戦
対流通経済大学戦(http://rku-rugby.jp/
5月15日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ


(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

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