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関東大学春季大会A・第2戦 対流通経済大学戦

関東大学春季大会A・第2戦 対流通経済大学戦

2016/05/15

5月15日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(勝ち点12)82-12流通経済大学(勝ち点6)●

《帝京大学》
[FW]
(1)西⇒大西(2)堀越⇒李(城)(3)呉(味)⇒垣本(4)飯野⇒金(廉)(5)姫野(6)菅原(7)亀井⇒マクカラン(8)吉田
[BK]
(9)小畑⇒末(10)松田⇒重(11)宮上(12)金村(13)岡田⇒保坂(14)津岡(15)尾崎

《流通経済大学》※先発のみ
[FW]
(1)大川(2)中村(3)足立(4)粥塚(5)金山(6)鶴田(7)廣瀬(8)大西
[BK]
(9)釜谷(10)東郷(11)桑江(淳)(12)落合(13)テアウパ(14)タナカブランドン(15)桑江(健)

【前半】【得点経過】
【10分】帝7-0流
キックのこぼれ球を拾って前進。ラックからSH小畑-FB尾崎-CTB岡田-WTB宮上と渡り、宮上がトライ。ゴール成功。

【15分】帝7-5流
BKに走られ、トライを奪われる。

【18分】帝14-5流
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH小畑-FB尾崎-WTB宮上と渡り、宮上が走り切ってトライ。ゴール成功。

【32分】帝19-5流
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH小畑-PR呉-PR西-CTB金村-WTB津岡と渡り、津岡がトライ。

【37分】帝26-5流
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH小畑-FB尾崎-WTB津岡と渡り、津岡が走り切ってトライ。ゴール成功。

【39分】帝33-5流
キックオフキャッチから連続攻撃。ラックからSH小畑-SO松田-FB尾崎と渡り、尾崎が抜け出す。尾崎からCTB岡田へとパスが渡り、岡田が走り切ってトライ。ゴール成功。


【後半】【得点経過】
【2分】帝40-5流
ターンオーバーから連続攻撃。ラックからSH小畑が持ち出し、仕掛けて大きく前進。SO松田へとパスし、松田が抜け出してトライ。ゴール成功。

【9分】帝47-5流
ラインアウトからFWで連続攻撃。ラックからLO飯野が持ち出してトライ。ゴール成功。

【12分】帝54-5流
ラインアウトからモールを形成。モールを押し込み、HO堀越が押さえてトライ。ゴール成功。

【16分】帝61-5流
FW、BKで連続攻撃。LO姫野が抜け出し、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。

【20分】帝68-5流
ラインアウトからラックに。SH小畑-FB尾崎と渡り、尾崎が抜け出してトライ。ゴール成功。

【29分】帝68-12流
スクラムを押し込みながらもターンオーバーされ、連続攻撃されてトライを奪われる。

【31分】帝75-12流
ターンオーバーから連続攻撃。FLマクカラン-WTB津岡と渡り、津岡が抜け出し、走り切ってトライゴール成功。

【42分】帝82-12流
WTB津岡が大きく前進し、ラックからBK展開。CTB重が抜け出し、そのままトライ。ゴール成功。


《BRIEF REVIEW》

春季大会第2戦の相手は、昨季リーグ戦2位の流通経済大学。フィジカルの強い選手も多く、序盤から体のぶつけ合いの勝負となることが予想された。前半、予想通りの展開で、お互いに激しい当たりでぶつかり合う。10分、BK展開からルーキーWTB宮上のトライで先制するが、15分にはトライを奪い返されてしまう。18分にはふたたび宮上のトライで突き放すが、その後も攻守が激しく入れ替わる展開が続く。帝京は相手の厳しい攻撃にも耐え、チャンスを得れば、一気に前進する。お互いの激しい攻防が続くが、相手に疲れが見え始める前半30分過ぎから、帝京はBK陣で3連続トライを奪って突き放し、33-5で前半を折り返した。
後半は総じて帝京ペースで進む。2分、ターンオーバーからの攻撃でSH小畑が大きく前進すると、サポートしていたSO松田に絶妙なパスが渡ってトライ。9分、12分とラインアウトからFWで前進して連続トライ。18分には、この日のゲームMVP・LO姫野が独走トライ。また、今シーズン新たな「挑戦」としてFBのポジションに入った尾崎がいい形で機能し、チームのアクセントとなる。SH末、CTB重、FLマクカランら、途中出場組も激しい動きを見せる。帝京は攻めでも守りでも最後まで集中力を見せ、82-12で春季大会2連勝を飾った。


《POST MATCH INTERVIEW》

■岩出雅之監督
「この時期ですので、個々がどんなイメージを持っていて、それをお互いに連携しながら、どう現実的にクリエイティブにしていくかということに注目しながら送り出しました。我々のもてるものと相手のもてるものとの噛み合わせの中で相手の強みが出たところ、出た時間帯もありましたし、逆にそこを我々がコントロールしながら我々が頑張っていくことで相手が崩れていく要素が増えていったところもあったと思います。こちらが相手にチャンスを与えてしまったところもありましたが、そこは課題としていい意味で深く掘り下げながら反省していけばいいでしょう。学生たちは、ワンプレーワンプレー、1分1分を大切にするゲームをやろうとしていたと感じましたし、集中力はトータルとしてそんなに悪い状態ではなかったと思います。まだまだスキルや連携の部分は完全ではないのでミスもありますが、一歩一歩上がっていける、そういう今シーズンの第2戦だったと思います。一人一人が判断し、適応できる力はとても大切です。そのためにもいろいろな考えを持っておく必要があります。判断するための『もと』がなければ判断もできないので、その『もと』を理解して、どうあるべきかということを自分たちが普段の中から知識、発想、構想を深め、自分自身を熟成させていく作業をしていってほしいです。そして、それが全体の連携によってチームになっていくように、チーム学習をしていってくれることを望みたいと思います。」


■キャプテン・FL亀井亮依(4年)
「流通経済大学さんはフィジカルの強いチームなので、体のぶつけ合いの勝負になるだろうと思って、厳しいところ、厳しい時間帯でどれだけ戦えるかにフォーカスポイントを置いて試合に臨みました。前半の序盤、ペナルティも多くなってもたついたところもありましたが、まずはディフェンスからということを意識して、しっかり立て直せたのでそこはよかったと思います。今は春シーズンということで、個人のスキルにフォーカスしてトレーニングしていて、チームとしてはまだまだです。特にディフェンスは土台作りの段階ですので、今は何度も何度も失敗しますが、それをいかに次につなげられるかを考えてやっています。今年一年、『挑戦』というテーマを掲げていますが、この春シーズン、各自それぞれが去年とは違ったことに『挑戦』しています。『挑戦』している分、試合ではミスが目立つこともあるかもしれません。ミスはないに越したことはありませんが、ミスが起こったとしてもそのあとのプレーでどうなったかといったところまで見ていただけるとうれしいです。これからも応援よろしくお願いします。」


■次戦もタックルを意識して臨みたい・PR呉味和昌(4年)
「今日はタックルを意識して試合に臨んだのですが、うまくいかない部分も多くありました。タックルで相手にプレッシャーをかけられるPRになりたいと思っているので、そこはまた練習しなおして、次の試合ではタックルでアピールしたいと思います。スクラムでは8人でどう連携してプレッシャーをかけられるか、また、試合中にコミュニケーションをとってどう修正していくかが大事だと言って臨みました。前のCチームの試合でスクラムを回されるシーンがあったので、しっかりまっすぐに押すことを意識して組みましたが、総じて自分たちでコントロールできていたのでよかったと思います。次戦はさらにタックルを意識して、タックルで流れを変えるようなプレーをしたいと思います。」


■的確なゲームメイクと力強い仕掛けを見せた・SO松田力也(4年)
「今日は自分としては、今までやってきたことを出し切って、これからにつながるゲームをしようと思って試合に臨みました。その中で立ち上がりはお互い元気な状態で厳しかったのですが、そこでしっかりファイトしたことによって、相手の体力を奪うことができ、後半につながったと思います。チームはここまでとてもいい雰囲気で来ていると思いますし、上級生が引っ張って、いいまとまりを作ってくれていると思います。今回、日本代表スコッドに選んでいただいたことはとてもうれしく思っていますが、まだ最終的に選ばれたわけではないので、ここから本当に頑張らなければならないと思っています。もう一度、今やらなければならないことを考えて、前向きに取り組んで、キャップを獲得できるように努力していきたいと思います。強気にプレーすることが自分の強みだと思っているので、そこを常に意識してやっていきたいと思います。」


■パナソニックワイルドナイツ・坂手淳史(帝京大学OB・前年度キャプテン)
「帝京大学ラグビー部は組織としてしっかり固まっているなと改めて感じました。チームを離れ、客観的に見ると、ゲームに出ている選手たちはもちろん、外でサポートしているメンバーたちの様子を見ても、とてもいい組織だなと感じます。もちろん、プレーもよかったのですが、こうしたすばらしい環境でラグビーができていることはとても幸せなので、それを忘れずにこれからも頑張ってほしいですね。応援しています。」




《PICK UP PLAYERS》

プレーの質の向上とともに修正力にも注目

CTB 岡田優輝(3年)
OKADA YUUKI

1995年7月13日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
大阪桐蔭高校出身
身長180cm/体重88kg


■今日の試合を振り返って感想を聞かせてください。
「今日の試合では、前回の中央大学さんとのゲームでの反省点を活かして、ラインの深さ、溜めといった部分を意識して臨みました。そこはおおむね修正できていたと思うので、よかったです。」

■たしか前回は、岩出監督から「CTB陣のディフェンス」についてアドバイスが多く飛んでいましたね。
「そうですね。今日はディフェンスも悪くなかったと思いますが、次はもっとコミュニケーションを取ることを意識して臨みたいです。コミュニケーションを深めることで、ディフェンスだけでなく、攻撃面でもトライにつながるプレーが増えてくると思います。」

■そのアタック面で、試合中に修正したところがあったようですね。
「強く当たることを意識していたのですが、試合の序盤では相手のディフェンスに対して、横に動いてかわそうとするプレーが多く出てしまいました。そこを修正して、前に出るプレーを意識したところから、流れもよくなっていったと思います。次も横に動くのではなく、前に出るプレー、縦に切って次に活かすプレーをしていきたいです。」

■今、特に力を入れて強化している部分はありますか。
「CTBとして、タックルにこだわって取り組んでいます。今後もタックルを意識してプレーしていきます。」

■次戦以降に向けて、意気込みをお願いします。
「次の明治大学さんに対しても、とにかくタックルを意識してやっていきたいと思います。」


競争の激しいBK陣の中、春季大会では2試合連続の先発出場となった。前回はCTB陣のコミュニケーション不足から相手に前進を許す場面もあり、岩出監督から声がかかるシーンも見られたが、今日の試合ではそこを修正することができていた。「もっとしっかりコミュニケーションを取っていきたい」と語るように、見据える場所はさらに高い。アタック面でも体の強さを活かして、前に出るプレーを意識したところから、チームの流れもよくなっていった。プレーそのものはもちろん、今後はその修正力の高さにも注目だ。




《COLUMN》

――失敗に寛容――


帝京大学ラグビー部について、外部の方から「帝京は失敗に寛容な文化があるようですね」と指摘されたことがあります。

失敗を許さない文化があると「チャレンジ」よりも失敗しない無難なプレーを選びがちになり、成長につながらないのに対して、帝京には「チャレンジしての失敗」はむしろ歓迎するという空気があるのはたしかです。

ただし、岩出監督は「『失敗に寛容』と言っても2種類ある。どちらなのかが重要」と語ります。

「『失敗に寛容』というのは、どんな失敗も『ドンマイ』と笑って許すような文化のことではありません。単に失敗を笑って許すだけでは成長はありません。成長のための新しいチャレンジを試みる際、一回目からいきなりはできませんから、その新たなチャレンジをしたときの失敗はかまわないということです。なぜ失敗したのか、どのように失敗したのかを分析して、修正して、もう一度やってみる。それでも失敗したら、再修正してまたやってみる。そういう失敗は許すチームでありたいということです。」

単純なプラス思考で「失敗を引きずらない」ということではなく、「チャレンジに失敗はつきものだ」と理解した上で、起こってしまった失敗を分析し、その失敗を次にどう活かすかを考えて、実行する。それでもまた失敗するかもしれないが、再度、分析して、考えて、実行する。このサイクルを認め、尊重し、大切にする風土こそが「失敗に寛容」の本当の意味なのです。

コメント欄にもあるように、亀井キャプテンはこう言います。

「『挑戦』している分、試合ではミスが目立つこともあるかもしれません。ミスはないに越したことはありませんが、ミスが起こったとしてもそのあとのプレーでどうなったかといったところまで見ていただけるとうれしいです。」

そのときは「失敗」だと思っても、のちにそれを糧に成長できれば、それはもはや「失敗」ではありません。むしろ、「成功のための一過程」だったと言えるでしょう。

選手たちは、目の前の「失敗」に一喜一憂することなく、未来を見据えて頑張っています。私たちファンも未来を見据える視点でプレーを見ていくと、いろいろ新しい発見ができたり、選手たちの成長の後押しができたりするのではないでしょうか。


《THE NEW FACE》

ニューフェースたちの声を紹介します。

LO 栗丸大輝(1年)
佐賀工業高校出身
身長183cm/体重97kg

「ボールキャリアとしてのキャリーの強さが自分の強みです。帝京大学はディフェンスを強みとしていますが、自分はまだまだタックル力が足りないと思っているので、タックルをもっともっと強化したいと思って取り組んでいます。入部前は「Aチームの先輩方とは気軽には話せないだろう」「ある程度、距離があるのだろう」と思っていたのですが、そんなものは全然なくて、先輩方はみなとても優しく接してくださいます。今後はまずはタックルを強化して、少しでも早く上のチームで活躍できるように頑張りたいと思います。」


WTB 塩田一成(1年)
桐蔭学園高校出身
身長176cm/体重83kg

「自分は走るのが得意で、スピードで相手を抜き去るプレーでアピールしたいと思っています。今、取り組んでいることは、鋭いステップを磨こうと思って、練習しています。もう一つ、ディフェンスの面ではタックルを意識して取り組んでいて、大きな相手をしっかり倒せるようなタックルができるように、タックル力を磨いています。帝京大学ラグビー部は選手の自主性が活かされるところなので、自分自身がしっかりとした強い意志を持つことで成長していける環境があるので、自分も強い意志を持って成長していきたいと思っています。早く上のチームに上がって、赤いファーストジャージを着るチャンスをつかめるように頑張ります。」


《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A・第3戦
対明治大学戦(http://www.meijirugby.jp/
5月22日(日) 山梨中銀スタジアム
13時キックオフ


(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

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