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関東大学春季大会A・第3戦(第38回UTY招待ラグビー) 対明治大学戦

関東大学春季大会A・第3戦(第38回UTY招待ラグビー) 対明治大学戦

2016/05/24

5月22日(日)・山梨中銀スタジアム
○帝京大学(勝ち点18)68-12明治大学(勝ち点7)●

《帝京大学》
[FW]
(1)西⇒大西(2)堀越⇒李(城)(3)呉(味)⇒垣本(4)飯野(5)金(廉)⇒マクカラン(6)菅原⇒岩永(7)亀井(8)吉田
[BK]
(9)小畑(10)松田(11)宮上⇒竹山(12)金村⇒矢澤(13)岡田(14)津岡(15)尾崎⇒重

《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)祝原(2)佐藤(3)塚原(4)近藤(5)古川(6)田中(7)桶谷(8)前田
[BK]
(9)兵頭(10)忽那(11)澤田(12)梶村(13)尾又(14)宮嵜(15)成田

【前半】【得点経過】
【9分】帝7-0明
相手ボールのラインアウトを奪って展開。SO松田が前進。ラックからSH小畑-FB尾崎と渡り、尾崎が前方へキック。WTB
津岡がライン際で相手と競り合いながらキャッチ。そのままトライ。ゴール成功。

【14分】帝7-5明
スクラムからBKに展開され、トライを奪われる。

【38分】帝12-5明
ラインアウトから連続攻撃。HO堀越が抜け出し、大きく前進。ラックから、SH小畑-SO松田-FB尾崎-WTB津岡と渡り、津岡がトライ。

【42分】帝19-5明
ラインアウトからモールを押し込み、HO堀越が押さえてトライ。ゴール成功。


【後半】【得点経過】
【3分】帝26-5明
ラインアウトからモールを押し込み、HO堀越が押さえてトライ。ゴール成功。

【8分】帝33-5明
ラインアウトからモールを押し込む。HO堀越がサイドを抜け出し、そのまま押さえてトライ。ゴール成功。

【12分】帝40-5明
ラインアウトから連続攻撃。ラックから、SH小畑-PR呉-SO松田-CTB金村-WTB竹山-WTB津岡-WTB竹山-CTB
岡田と渡り、岡田がトライ。ゴール成功。

【16分】帝47-5明
キックカウンターから攻撃。FB尾崎が前進し、WTB竹山へパス。竹山からSH小畑-CTB岡田-FL菅原-FL
亀井と渡り、亀井が抜け出してトライ。ゴール成功。

【26分】帝47-12明
スクラムからBK展開され、トライを奪われる。

【29分】帝54-12明
LO飯野、WTB竹山が大きく前進。ラックからSH小畑-SO松田-FB尾崎-WTB津岡と渡り、津岡がトライ。ゴール成功。

【35分】帝61-12明
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH小畑-FB重-WTB竹山と渡り、竹山がトライ。ゴール成功。

【37分】帝68-12明
ラックでターンオーバー。FB重-WTB竹山と渡り、竹山が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。


《BRIEF REVIEW》

関東大学春季大会第3戦は、第38回UTY
招待ラグビーとして山梨中銀スタジアムで行われた。対戦相手は、昨季、対抗戦の優勝を分け合った明治大学。試合開始直前の気温は29.7
度。暑い中、開始早々からお互いに激しいぶつかり合いを見せる。均衡を破ったのは帝京。5分過ぎに相手ボールのラインアウトを奪って展開し、SO松田が前進。FB
尾崎の前方へのキックを追いかけたWTB
津岡が相手と競り合いながらうまくキャッチし、トライ。しかし、ここから帝京は守りの時間帯となる。ゴール前で体を張り続けて守るが、14
分、相手ボールスクラムからBK
に展開され、トライを奪われる。その後も、守りの時間帯が続くが、チームディフェンスでトライは許さない。ここで粘って耐え続けたことで、前半終了間際にチャンスが訪れる。
38分、42分と連続トライで突き放し。前半を19-5
で折り返した。ハーフタイムには、「もっとエリアを意識して、敵陣で戦おう」と確認。後半はその意識が出て、3分、8分とラインアウトからのモール攻撃でHO
堀越が連続トライ(前半終了間際のトライを含め、堀越は3連続トライ)。ほぼ試合の主導権を握った。CTB金村、CTB岡田、WTB津岡らBK
陣の動きもよくなる。ケガから復帰し久しぶりの出場となったWTB竹山も躍動し、試合終了間際に2トライをあげる。ディフェンス面でも最後まで集中を切らさない。
LO飯野、FL亀井らの激しいタックルが突き刺さり、ピンチの芽を摘む。結局、68-12でノーサイド。帝京は春季大会3連勝を飾った。



《POST MATCH INTERVIEW》

■岩出雅之監督
「この時期は、ケガをせずに一試合一試合、積み上げていくことが大事です。残念ながら今日は一人ケガがでてしまいましたが、
試合全体としては次につながっていくいいゲームになったと思っています。前半、拮抗した好ゲームを経験できたことも、
選手たちにとってはとてもよいことだったと思います。後半は練習してきたことが随所に出ていたと思いますが、今後はさらにプレーの精度を上げていくこと、
反応をはやくしていくことなどが課題となるでしょう。一つ一つ、きっちりとやり続けて、いい積み上げを心技体ともに引き締まったところでやっていってく
れればと期待しています。最後になりましたが、ご招待いただきました山梨県ラグビーフットボール協会の皆様、株式会社テレビ山梨の皆様、ならびに大会関係者、
大会スタッフの皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました」

■キャプテン・FL亀井亮依(4年)
「明治大学さんはどんどん前に出てくる、勢いのあるチームなので、自分たちもディフェンスでしっかり前に出て、流れを作っていこうと言って試合に臨みました。試合ではディフェンスでどんどん前に出ることができたと思いますが、セットプレーで噛み合わない部分があり、そこが課題として出たと思います。セットプレーはすべての起点になるので、全員で意識して、修正していきたいです。前半は明治大学さんの勢いもあって前半終了間際まで接戦になりましたが、しっかり体を当てることはできていたので、ハーフタイムでは『どんどん敵陣に行って、そこでプレーしよう』という話をしました。後半はセットプレーもそれほど押し込まれることもなかったので、ある程度は修正できたかなと思っています。次戦は昨年度の対抗戦で敗れている筑波大学さんですが、相手を意識しすぎないで、まずは自分たちの力を出せるか出せないかが大事だと考えています。特にディフェンスでのタックル、厳しいところに走って、コンタクトエリアを制圧できるかがポイントになると思います。今日の試合で出た課題を改善して、帝京の強みを出していく試合をしたいと思います。」

■4年生として下級生がチャレンジしやすい環境を作る・CTB金村良祐(4年)
「前半、明治大学さんの激しい攻撃に対してしっかり粘ることができ、試合の流れを持っていかれなかったことで、後半、自分たちの流れでゲームを運ぶことができたと思います。ただ、前半はエリアを取ることができていなくて、その部分で
CTB、WTB
が前を見てコールするようにしなければいけなかったと思います。自分自身のプレーとしては、今日はディフェンスを意識して臨みました。特に、しっかりコミュニケーションして、ラインディフェンスをすることを心掛けました。全体としてはよかったと思いますが、ゴール前でのスクラムからトライされてしまったシーンが二度あったので、そこをこれから修正していきたいです。この春シーズン、チームはいろいろなことにチャレンジしています。まずは
4年生がリーダーシップを取って、下級生たちが思い切りよくチャレンジできるように心掛けています。今後もこのままA
チームの試合に出続けられるように、まずはディフェンスからしっかりやって、さらにアタックでは自分で前に出られるように、思い切りのよいアタックをしていきたいと思います。」

■自分の強みや課題をさらに細かく見て明確にしたい・PR李城鏞(3年)
「今日はFWが強い明治大学さんが相手ということで、それに対して、自分たちもFWで負けないようにと思って試合に臨みました。自分が出たのはラスト10
分でしたので、とにかく思い切っていこうと思って入りました。ですが、自分は何をすべきかということがうまく整理できていなかった部分があったように思います。今後は、リザーブとして、いつ出てもいいように、もっと心と体の部分でいい準備をして、試合に入れるようにしたいです。とにかく与えられた時間で、最初から全力を出し切れるようにしたいです。やはり自分の役割として、スクラムで相手にプレッシャーをかけるということが求められていると思うので、スクラムでの自分のいいところ、よくないところをもっと細かく見ていって、はっきりさせて、もっと成長していきたいです。まずはどこを成長させていくのかをはっきりさせ、さらに体をもっと大きくしていきたいと思います。」



《PICK UP PLAYERS》

チームを鼓舞するプレーをしたい

CTB 矢澤 蒼(2年)
YAZAWA AOI


1996年12月6日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
御所実業高校出身
身長191cm/体重97kg


■久しぶりのAチームでの試合でしたが、どんな気持ちで臨んだのでしょうか。
「今季初のA
チームでのゲームということで、少し緊張もありましたが、暑い中、先発したメンバーたちが体を張ったいいプレーをしてくれていたので、自分も体を張って、自分のプレーを思い切り出そうと思って臨みました。練習してきたことを体現しようと思っていました。」

■実際にプレーしてみて、今、どう感じていますか。
「タックルの部分でミスはあったのですが、思い切って行くことはできたと思っています。成長につながる課題も見つけることができたので、それもよかったと思います。」

■Aチームに抜擢されましたが、自身ではどんなところが成長していると感じますか。
「去年、いろいろな経験をさせていただいたことで見つかった課題に対して、改善する努力をしてきました。その中でもタックルの部分で『練習でやっていることを思い切って体現するように』と監督やコーチのからから言われていて、それを思い切りやれるようになった点は自分の成長点かなと思っています。」

■今後、さらなる成長のためには、具体的にはどんなところに力を入れていこうと考えていますか。
「思い切りよく行けた分、コネクションの部分が少しおろそかになってしまい、チームの連携を乱してしまったところがあったので、今後はもっとチームとしての連携をしっかりと取った上で思い切りよく行けるようにしたいです。チームを鼓舞できるようなプレーができたらと思っています。」

■では、今後へ向けての意気込みをお願いします。
「もっとチームがレベルアップしていくためにも、自分自身がもっと体を張ったいいプレーをしていきたいです。A
チームで試合に出続けられるように努力していきます。」


長身を活かし、体を張るプレーが魅力のCTB。昨年度、春シーズンにAチームで出場した中で見つけた課題の克服に取り組み、この日、久しぶりのA
チームでの出場となった。自身は「チームでの連携の部分がおろそかになってしまった」と反省するが、それも経験とともに改善されていくことだろう。「連携をしっかり取った上で思い切りよく行けるように」と課題が明確になっている点も強い。「チームを鼓舞するプレーがしたい」というコメントも頼もしい。次戦以降も思い切りのいいプレーで、ぜひ、会場が沸くようなビッグタックル連発を期待したい。



《COLUMN》

――暑さ、ウエルカム――


春季大会第3戦は、「第38回UTY招待ラグビー」として山梨中銀スタジアムで行われました。この日、山梨県甲府市の気温は13時現在で29.7
度の発表。後半開始時には30度を超える気温となりました。

岩出監督も「この暑さですし、大きなケガがなく終えることが大切」と語るように、選手たちにとっては相当厳しいコンディションでの試合となりました。日差しも強く、気温以上にじりじりと消耗していくような暑さでした。

さぞかしきつい状況でプレーしていたのだろうと思い、試合後、亀井キャプテンに暑さについて雑談気味に話を聞いてみると、意外な答えが返ってきました。

「暑さですか? ウエルカムですよ」

どういうことなのかと聞き返してみると、こんな説明をしてくれました。

「普段、人工芝で練習しているじゃないですか。あれ、ものすごく暑いんですよ。普段の練習に比べると、天然芝はむしろ涼しく感じるくらいなんです。そもそも、暑いという条件は相手も同じ。みんなもそう思っていたと思いますよ。」

もちろん普段の人工芝での暑さの中での練習に慣れていることはあるにしても、それ以上に「自分たちの力でどうにもならないことには一喜一憂しない。いや、むしろ解釈によって味方にしてしまった方がいい」という思考が働いているように見えました。

「暑さ、いやだな」と思っても、「暑さ、ウエルカム」と思っても、暑いという状況(気温)自体は変わりません。だったら、「ウエルカム」と思った方がいいに決まっています。

ここで、普段の練習の暑さを思い出せれば「なんだ。普段の人工芝での練習に比べたら、むしろ涼しいくらいじゃないか」という考え方に至るわけです(選手たちは実際に、「涼しいくらいだ」と感じていたかもしれませんが、そう感じるためにはこうした思考が欠かせないはずです)。

「プラス思考」と一言で言ってしまえばそれまでですが、頭で分かっていることと、心の奥にまで腑に落ちているのとは違います。雑談の中で亀井キャプテンの口から自然に出てくるのは、こうした「プラス思考」が定着している証拠でしょう。

「心頭を滅却すれば火もまた涼し」ではありませんが、心の持ちようで環境の捉え方も変えることができ、一見、マイナスの要因に思えることでも味方にすることができます。プレーのみならず、そんな心の成長も垣間見ることができた試合でした。



《THE NEW FACE》

ニューフェースたちの声を紹介します。

FL・No8 水谷健人(1年)
秋田工業高校出身
身長183cm/体重88kg

「自分の強み、アピールポイントはフィールドプレーです。特にサポートプレーやタックルが得意です。課題としては運動量がまだまだ足りないので、体力をつけて、さらにもっと体を大きくしたいと思っています。帝京大学ラグビー部では、一日一日、学ぶことがたくさんあります。日々、成長できる環境が整っているところがとてもすばらしいです。まずはしっかりと大きな体を作って、大学選手権、日本選手権で貢献できるプレーヤーに少しでも早くなりたいと思っています。」


LO・FL 佐藤羅雲(1年)
つるぎ高校出身
身長185cm/体重90kg

「自分の強みはタックルです。しんどくなってきたときでも、しっかり仲間のために体を張れるところが強みです。まだまだ体が小さいので、しっかりとウエイトトレーニングに取り組んで、先輩方に負けないような体を作っていきたいです。帝京大学ラグビー部は一つ一つの行動に対する意識の高さが、自分が思っていた以上に高いです。自分ももっと意識を上げていきたいです。早く
Aチームに入れるようにしっかり努力して、そして、大学選手権優勝、さらにはトップリーグを倒しての日本選手権優勝という目標に貢献できる選手になりたいです。」



《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A・第4戦
対筑波大学戦
5月29日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ


(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

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