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関東大学春季大会A(第39回UTY招待ラグビー) 対東海大学戦

関東大学春季大会A(第39回UTY招待ラグビー) 対東海大学戦

2017/05/30

5月28日(日)・山梨中銀スタジアム

○帝京大学(勝ち点12)31-28東海大学(勝ち点14)●



《帝京大学》

[FW]

(1)西⇒岡本(2)堀越(3)當眞⇒淺岡(4)久保⇒藤田(5)秋山(6)古田(7)安田⇒金(廉)(8)吉田

[BK]

(9)小畑⇒田上(10)矢澤⇒奥村(11)竹山(12)マクカラン(二)(13)本郷⇒矢富(14)宮上(15)尾﨑

 

《東海大学》※先発のみ

[FW]

(1)三浦(2)加藤(3)春名(4)川瀬(5)ロバーツ(6)藤山(7)西川(8)タタフ

[BK]

(9)橋本(10)金(11)平尾(12)池田(13)鹿尾(14)佐藤(15)野口

 

【前半】【得点経過】

【9分】帝3-0東

WTB竹山がPGを決める。

 

【14分】帝3-7東

カウンターアタックでつながれてトライを奪われる。

 

【21分】帝3-14東

帝京がノックオンしたボールを相手に拾われ、つながれてトライを奪われる。

 

【33分】帝3-21東

マイボールのラインアウトを奪われ、つながれてトライを奪われる。

 
 
【後半】【得点経過】

【3分】帝10-21東

ラインアウトからモールを形成。ラックになるも、そこから連続攻撃。ラックからHO堀越が持ち出し、そのまま飛び込んでトライ。ゴール成功。

 

【7分】帝17-21東

ラインアウトからモールを形成。モールを押し込み、HO堀越がトライ。ゴール成功。

 

【19分】帝24-21東

フリーキックを得て、SH小畑がクイック・リスタート。SO奥村-CTB本郷-FB尾﨑-WTB竹山と渡り、竹山が走り切ってトライ。ゴール成功。

 

【29分】帝31-21東

相手のキックをFB尾﨑がキャッチし、カウンターアタック。尾﨑が抜け出し、WTB竹山へパス。竹山が走り切ってトライ。ゴール成功。

 

【35分】帝31-28東

ラインアウトからモールを押し込まれ、トライを奪われる。

  

《BRIEF REVIEW》

UTYテレビ山梨による招待試合「第39回UTY招待ラグビー」。対戦相手は昨年度の大学選手権決勝を戦った東海大学。試合開始から一進一退の攻防が続く。均衡を破ったのは帝京。相手のペナルティからPGを選択すると、WTB竹山が決めて3-0と先制する。しかし、ここから帝京の守る時間帯が続く。必死のディフェンスで凌ぐが、14分、タッチキックのミスからカウンターアタックされ、トライを与えてしまう。さらに21分には帝京がノックオンしたボールをうまく拾われ、つながれて追加点を許す。その後、帝京が攻め込む時間帯もあったが、ゴールラインまでは届かない。33分には、マイボールのラインアウトを奪われて、そのままトライを許してしまう。帝京は不用意なミスとディフェンスでのコミュニケーション不足から3トライを献上し、3-21で前半を折り返した。ハーフタイムには、岩出監督から、コミュニケーションの確認、ブレイクダウンでもっとファイトすること、そして「できないことは急にはできるようにはならない。それは明日から練習すればいい。今はできることをしっかりやろう」と声がかかる。これで集中力が高まったか、後半はコミュニケーションもよくなり、ブレイクダウンも激しさを増す。そして何より、一人一人が自分の役割に集中し、できること、やるべきことをしっかりと遂行していく。3分、7分とラインアウトからHO堀越が立て続けにトライを奪うと、前半の重苦しかった空気感がガラリと変わり、帝京ペースで試合が進む。スクラムは前半から互角以上。後半も押しにかかる相手に対して、真正面からしっかりと押し返し、相手の反則を誘う。19分にはスクラムでFKを得ると、SH小畑が一呼吸置いてからのタップキックで展開。WTB竹山までつながり、トライを奪って24-21と逆転に成功した。29分にはFB尾﨑が好判断でカウンターアタックを仕掛けてチャンスを作り、竹山にパスしてトライ。終了間際にトライを返され、31-28となり、さらにロスタイムにも猛攻を受けるが、帝京は落ち着いてディフェンスし、ノーサイド。帝京が春季大会2連勝を飾り、勝ち点を12とした。





 

《POST MATCH INTERVIEW》

 

■岩出雅之監督

「今日の前半はやや集中力が欠けていて、コミュニケーションがうまくいかないところがあり、スコアされましたが、後半はうまく修正できたと思います。経験の少ない選手も多い中、今年のチームのポテンシャルを見せてくれたように思います。ハーフタイムでは『最後は笑っている自分たちをイメージしてプレーしよう』ということと、『ブレイクダウンでしっかり戦おう』という話をしました。苦しいこと、うまくいかないこともすべて楽しもうという今年のテーマを理解して、プレーしてくれたのだろうと思っています。現状、ケガで試合に出られない選手も少なくないのですが、今、出場している選手たちはとてもいい経験を積めていると思います。ケガが治った選手たちが戻ってくれば、さらにチームに厚みが増していくことでしょう。今日のような、ワンプレーの精度が勝敗を決める試合ができることは、学生たちにとってとても有意義なことです。こうした試合を経験できる機会は、そう多くはありません。最後の最後まで気持ちの入ったプレーをされた東海大学さんに感謝を申し上げたいと思います。最後になりましたが、ご招待いただいたいUTYテレビ山梨の皆様、山梨県ラグビー協会の皆様、大会関係者の皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。」

 

■キャプテン・HO堀越康介(4年)



「前半はミニユニットのところ、ラインアウトやBKのコミュニケーションでうまくいかないところがあり、不用意なミスが多く出て、そこが相手のスコアにつながってしまいました。ですが、ハーフタイムにそこを修正しようと話して臨んだ後半は、ラインアウトもよくなりましたし、そのあとのモールもよく、ゾーンごとの自分たちのプランをしっかり実行できました。それによって、後半に逆転できたのだと思います。スクラムに関しては、去年よりはよくなっていると思いますが、去年の決勝戦で東海大学さんにスクラムトライされた悔しさがあり、今年は何としてもやり返してやろうと言っているので、もっともっと強くしたいです。今日は練習でやってきたことを出せた部分がたくさんあったので、次の試合もしっかり出し切れるように頑張りたいと思います。」

 

■手応えを感じつつ、さらなる成長を誓う・CTB本郷泰司(2年)



「今日、自分が目標としていたのはディフェンスで、相手のアタックをしっかり封じ込めるようなディフェンスをしようと思って試合に臨みました。いいところもあったのですが、何回かはずされたところもあったので、そこは修正したいです。ここまで試合に出る経験を多くいただいて、通用する部分もたくさんあり、そこは自信になっています。ただ、例えば今日でいえば、ブレイクダウンでしっかり相手をめくらなければいけないところで甘くなって、相手のジャッカルを許す場面があったので、そういうまだまだ足りないところは修正して、もっと強さを磨いていきたいです。今後はもっと自分の強さを活かして、チームを勝利に導くいいアタック、いいディフェンスができるように頑張っていきます。」

 

■エリアマネジメントの修正力に自信・FB尾﨑晟也(4年)



「今日は前半、こちらとしてはエリアマネジメントとして、敵陣でプレーしようと思っていたのですが、キックでうまくいかないところがあったり、風の影響など、いろいろな状況の中でエリアを取ることができず、自陣で苦しむ場面が多くなりました。また、ユニットごとのコミュニケーションのところがうまくいっていなくて、そこから相手のスコアにつながってしまったので、これは課題として修正していきたいです。後半に入ってからは、前半に出た課題のエリアマネジメントのところがしっかりできたので、敵陣に入って攻撃ができて、スコアできたことが勝利につながったと思います。次に向けては、今日出た課題をしっかり修正して、また自分もチームに帰ってきたばかりでコミュニケーションがうまくいかないところもあったので、そこもしっかり修正して、もっといいゲームができるように頑張りたいと思います。」

 

 

《PICK UP PLAYERS》

スクラムで自身の強みをアピール

PR 當眞琢(3年・ゲームMVP)

TOMA TAKU


 
1996年9月21日生まれ

医療技術学部スポーツ医療学科

コザ高校出身

身長182cm/体重120kg

 
■まずは今日のゲームを振り返ってください。

「今日は自分のやるべきこと、自分の役割をしっかり果たすという意気込みで試合に臨みました。スクラムに関しては、押せた場面もありましたが、フィールドプレーのタックルやディフェンスやアタックのコミュニケーションの部分でまだまだ足りないところが出ましたので、そこをこれから伸ばしていって、もっともっと成長していきたいです。」
 

■Aチームの先発メンバーとして出場したのは初めてですね。試合前はどんな気持ちでしたか。

「はい、大学生になって初めてのAチーム先発でした。前日はすごく緊張していましたが、周りの同期や先輩方から声をかけてもらい、緊張も解け、『今までやってきたことを全力で出し切ろう』と思ってやりました。」
 

■昨年の決勝戦でスクラムトライをされた相手に、今日はいいスクラムが組めたのではないでしょうか。

「はい、自信になります。自分の仕事は主にそこ(スクラム)だと思っているので、自分が任された役割をしっかり認識して、一本一本集中して組んだ結果が、いいスクラムにつながったと思っています。」
 

■後半途中で交替(入替)でアウトしたとき、スタンドの岩出監督からも指でOKサインが出ていました。評価してもらえたことへの手応えはいかがですか。

「うれしかったですが、それに満足するのではなく、もっともっと自分を磨いていって、もっといい選手になっていきたいです。」
 

■先ほど、「フィールドプレーでの足りないところ」という話がありましたが、具体的にはどんなところなのでしょうか。

「主にディフェンスのところです。何回か抜かれるシーンがあったので、そこは自分がしっかり止めて、相手の攻撃を防いで、自分たちのチャンスにできるようなタックルをしたいです。」
 

■では、次戦以降への意気込みをお願いします。

「これをスタートとして、またここから、もっといい選手になって、チームにどんどん貢献していきたいと思います。」

 
 

岩出監督は特に公言してはいないが、選手の間では「スクラムの強化」が今年度の大きな課題の一つだという共通理解があるようだ。そのためのさまざまな取り組みがなされているが、この日、スクラムで特にいい働きをしたのが右PRの當眞だ。本人も語るように「一本一本集中して」組んだことで、マイボールでもノーフッキングで押し込んでくる相手に対して、真正面から受けて立ち、互角以上にわたり合った。自信を得ると同時に、さらなる成長を誓うあたりも頼もしい。今後の成長が楽しみな選手がまた一人現れた。






 

《COLUMN》

 

――日本代表経験者がチームに持ち帰ったもの――

 

 

この春はキャプテン堀越、バイスキャプテン尾﨑の2人が日本代表に参加し、長くチームを離れていました。本人たちも認めているように、チームとしてのコミュニケーションの部分でまだまだしっくりこないところもあるようです。

 

ですが、もちろん、それを補って余りあるメリットがあります。岩出監督もそこを期待して2人を送り出したはずです。たくさんあるメリットうち主なものを挙げれば、まずは2人の個人的なスキルの向上があるでしょう。さらには、日本代表で学んださまざまなことをチームに還元して、チームをさらに成長させるというメリットもあるでしょう。

 

チームに還元できていることについて聞いてみると、2人はこんな話をしてくれました。

 

「ポジションごとの一人一人の役割、やるべきことについて、事あるごとに口酸っぱく言っているつもりです。ジャパンは一人一人の役割がはっきりしていないとチームとして機能しませんので、そこはみんなで共有するようにしています。あとは、スクラムなどでは、例えば相手がスクラムで押してくる場面ではFLもスクラムに集中してしっかり押すとか、そういう意識の共有もしています。」(堀越キャプテン)

 

「練習中の質だったり、一つ一つの練習でこだわるポイントの確認だったり、そういう中身の部分、練習のレベルを意識して言うようにしています。僕も(堀越)康介もその高いレベルの練習を経験してきたので、普段の練習もそこを基準に置いてやっていきたいと思っています。例えば、コンタクトのドリルなら、ブレイクダウンにもっと激しく入ってもらうとか、そういった質の部分をどんどん高めているところです。」(尾﨑バイスキャプテン)

 

この日の試合の前半、劣勢に見える中でもスクラムは安定していました。ハーフタイムに確認した修正ポイントは、一人一人の役割、やれることの確認、そしてブレイクダウンで激しく戦うことでした。

 

後半はこれらがうまく修正でき、逆転につながりました。

 

キャプテン、バイスキャプテンが日本代表から持ち帰ってきたもの。徐々にですが、チームに浸み込み始めているのかもしれません。




 

《THE NEW FACE》

 

ニューフェースたちの声を紹介します。

 

WTB 木村朋也(1年)

伏見工業高校出身

身長173cm/体重76kg

 
「自分の強みはランです。ランプレーの動きとスピードを見てほしいと思っています。今は先輩方に追いつけるような体作りをすることが一番の課題だと思っているので、フィジカルの強化を今年のテーマとしてやっていきたいと思っています。帝京大学ラグビー部は、入る前に想像していた以上に練習の内容、質が濃く、とても頭を使うので、そこがすごいところだと感じました。今後は、もっと体を大きくして、チームに信頼してもらえるようなプレーヤーになることと、チームの勝利に貢献できるプレーヤーになることを目標に頑張っていきます。」

 
 

SO 奥村翔(1年)

伏見工業高校出身

身長179cm/体重81kg

 
「自分は前を見てランをするのが強み、アピールポイントだと思っています。そこにパスやキック、状況判断を付けていきたいと思っています。FWのコントロールやゲームコントロールの部分をこれから伸ばしていきたいです。高校時代、部の練習に参加させていただいたことがあり、そのときも頭を使って考えることが多かったのですが、入ってからはそれが毎日毎日続いているので、たいへんですが、とても成長できていると思います。帝京大学ラグビー部は、掃除などの仕事を3、4年生が中心にやってくださり、僕たち下級生は余裕がある分、成長できる時間と機会を与えていただいているので、その間に帝京大学ラグビー部としての考え方、社会で生きていくための考え方をしっかり理解していきたいと思います。」

 

 

《NEXT MATCH》

関東大学春季大会A

対明治大学(http://www.meijirugby.jp/

6月4日(日) 月寒屋外競技場(月寒ラグビー場)

13時キックオフ 

(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

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