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第39回関東大学ジュニア選手権決勝 対明治大学戦

第39回関東大学ジュニア選手権決勝 対明治大学戦

2017/11/25

11月25日(土)・秩父宮ラグビー場

○帝京大学30-14明治大学●



《帝京大学》

[FW]

(1)李(城)⇒岡本(2)呉⇒小川(3)淺岡⇒當眞(4)金(廉)⇒北林(5)藤田⇒岩永(6)菅原(7)申(8)古田

[BK]

(9)末⇒吉川(10)矢澤⇒龍野(11)亀井(12)本郷(13)吉本(14)元田(15)井上

 
《明治大学》※先発のみ

[FW]

(1)齊藤(2)朴(3)船木(4)土井(5)外岡(6)辻(7)廣井(8)朝長

[BK]

(9)三股(10)忽那(11)渡部(12)森(13)渡邉(14)宮嵜(15)石井



【前半】【得点経過】

【23分】帝0-7明

ラインアウトからFWで攻められ、トライを奪われる。


【27分】帝0-14明

スクラムから攻められ、キックをインゴールで押さえられて、トライを奪われる。


【33分】帝7-14明

ラックでターンオーバー。CTB本郷が仕掛け、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。


【43分】帝14-14明
ラインアウトからモールを押し込む。ラックになり、さらにつなぐ。SH末-CTB本郷と渡り、本郷が抜け出してトライ。ゴール成功。


後半】【得点経過】

【12分】帝19-14明

フリーキックから連続攻撃。FB井上が抜け出し、走り切ってトライ。


【20分】帝24-14明

スクラムから連続攻撃。FL申が抜け出してトライ。


【26分】帝27-14明

SO龍野がPGを決める。


【39分】帝30-14明

SO龍野がPGを決める。


《BRIEF REVIEW》

第39回関東大学ジュニア選手権大会決勝の舞台がやってきた。試合開始早々は、帝京が攻める時間帯。だが、攻め切れずに地域を戻されてしまう展開が続く。15分頃からは、ペナルティも絡み、相手に攻め込まれる場面が増える。帝京は激しく守るが、23分、FWで攻められ、先制点を許してしまう。27分にはスクラムから展開され、ディフェンスの裏に小さく蹴られたキックが相手の手元に入り、追加点を許してしまう。しかし、帝京はここから立て直す。もう一度、自分たちのやってきたこと、やるべきことをやりきろうという意志を全員で確認すると、アタックでもディフェンスでも力強さが戻ってくる。33分、ラックでターンオーバーしたところからチャンスを作り、CTB本郷が力で前進。そのまま相手ディフェンスを何人も振り切ってトライを奪うと、前半終了間際にも、本郷が力強く抜け出して連続トライ。14-14の同点で前半を折り返した。後半の序盤は一進一退。攻め込まれるシーンはあるものの、FL申の好タックルやWTB亀井のラックでのターンオーバーなど、強さと速さを前面に出してしっかりと守る。12分にはフリーキックから展開し、FB井上がタッチ際を走り切ってトライ。20分にはスクラムからの攻撃でFL申がトライを奪って、リードを広げる。その後も、厳しい守りで相手の前進を許さず、攻めてはSO龍野が2つのPGを決める。後半は相手に得点を許さず、30-14でノーサイド。帝京がジュニア選手権6連覇を飾った。







《POST MATCH INTERVIEW》

■岩出雅之監督

「カテゴリー1のファーストフェーズ(総当たり戦)で選手たちが伸びてきて、そこからAチームに上がってきた選手もいるなかで、正直に言ってしまうと、パンチ力でゲームを動かせる選手は、ここまでの戦いの中で今日が一番少ないかなと感じていました。そういう意味では、今日は我慢のゲームになるだろうと思っていました。この日のゲームキャプテンの金選手は、堀越キャプテン、尾﨑バイスキャプテンに勝るとも劣らないキャプテンシーの持ち主で、普段からチームを支えてくれている人物だということもあり、前半の半ば過ぎまでは、リーダーシップのある選手に他のメンバーが引っ張ってもらっている状態、指示されている状態でした。ハーフタイムにはその部分、いままで引っ張ってもらっていた選手たちにとっては飛躍のゲームにしようという話をしました。もっとも、前半の最後にスコアでもしっかり追い付いて、元気になって戻ってきましたので、私たちのそうした励まし、サポートなしに、自分たちですでにいい状態に上がって来られたこと、そういった成長ぶりを感じられたことは、指導者としては結果以上にうれしかったです。もちろん、こうしたクロスゲームでの判断力、ラグビーの思考力の足りないところも見えましたので、もう少し力を付けていってほしい部分も感じました。ジュニア選手権は終わりましたが、チームの戦いはまだまだ続きますので、今日の飛躍を今後のゲームにうまく活かしてほしいと思っています。」


ゲームキャプテン・LO・HO金廉(4年)

「まずは、この大会を主催していただいた関東ラグビーフットボール協会の皆さまに、お礼を申し上げたいと思います。今日のゲームは、自分たちのやってきたこと、やりたいことを80分間出し続けることにフォーカスして臨みました。前半の入りのところでは、どこかに甘い部分があり、受け身になってしまい、うまくいかなかったところもありましたが、前半の終盤、もう一度、自分たちのやってきたことを思い切って出そうと言って、そこから一人一人の強みが出せて、こうしたゲーム展開になったのだと思います。この結果に満足することなく、このあとの試合に向けても、一人一人がやってきたこと、やりたいこと、帝京大学の強みを出し切り、自分としても大学選手権でチームに貢献したいと思います。」


 

■ここから毎日、自分と戦っていきたい・PR李城鏞(4年)

「ジュニア選手権優勝の場に立てたことは、本当にうれしいです。しかし、ここがゴールではありませんので、この優勝をいい糧にして、大学選手権優勝に向けて頑張っていきたいです。ゲームについては、試合前に『やってきたことを出し切る』ことを確認して臨みました。前半の最初はそれができず、他人任せになっていたところがあったと思います。前半の途中からは確実なプレーを心掛けてできましたし、その結果、同点で折り返すことができたと思います。ここからチームとしても、自分としても、もうワンランクもツーランクもレベルアップしていきたいです。僕が大学選手権優勝の瞬間にどこにいるのかということを常に考えながら、毎日、自分と戦っていきたいと思います。」


■得意のラインアウトで自信を持ってプレーできた・HO北林佑介(4年)

「残り数分での出場でしたが、とにかく自分たちがやってきたことをしっかりとやり切るだけだったので、自分がやってきたことにフォーカスしてプレーしました。入ってすぐにラインアウトスローでしたが、そこは自分の得意プレーなので緊張などはなく、『ここで見せるしかない』『逆にチャンスだ』と思ってやりました。シーズンが深まっていくにつれて、チームもいい方向に進んでいますが、まだまだ安心や油断が出ることもあるので、そこを僕たち4年生がどう埋めていけるかが、今後、大学選手権に向けて大切になってくると思っています。今日の優勝に満足せず、Aチームでも貢献できるように、日々、努力して、チャンスをいただけたら全力でプレーしたいと思います。」


■4年生としてチームを引っ張っていきたい・LO岩永健太郎(4年)

「自分が出たときには、強みであるコンタクト、強いアタックを前面に出していこうと思っていました。また、課題としているタックルの部分をしっかり出せていけるようにと思って臨みましたが、こちらのアタックが続き、タックルする場面はありませんでした。前半の序盤、リードを許していた時間帯は、帝京のいいところが出ていないと感じていましたが、自分たちのミスであのような展開になっていたので、修正していければ大丈夫だと思っていました。後半はきちんと修正できたので、この結果につながったと思っています。まだまだここで終わりではないので、自分の強みであるコンタクトの部分を前面に出して、Aチームでも貢献できるように、また4年生として周りを引っ張っていけるように頑張っていきたいと思います。」


■キャプテン・堀越康介(4年)

「アタックもディフェンスも、とても粘り強くプレーしていて、今日の試合に関しては、集中力が切れる場面がなかったように思います。集中できている時間帯は、ミスが出ても引きずらず『次に』と切り替えられるので、それもすべて楽しんでできたことで、前半の最後のきつい時間帯に相手に走り勝てたり、粘り強さを出せたのではないかと思います。そこは僕らもいい影響を受けましたし、Aチームはこれに負けない粘り強さ、厳しさを体現していきたいと強く思いました。スタンドの上で応援していると、スタンドで見る緊張感、応援する側の気持ちがすごくよくわかり、改めてグラウンドでは気持ちを引き締めて、一つ一つのプレーをきちんとやらなければいけないという思いが強くなりました。これまでやってきたことを出し切って結果を出せたことで、よりいっそう自信になりますし、今後の大学選手権にもつながるゲームになったと感謝しています。」


《PICK UP PLAYERS》

地道にひたむきなプレーをし続けた

LO 小川 正志(4年)

Ogawa Masashi
 

教育学部教育文化学科

長崎北陽台高校出身

身長184cm/体重96kg


まずは、今日のゲームを振り返って、感想をお願いします。

「今日は、前半、苦しい展開もありましたが、そこを我慢して、自分たちがやってきたことをしっかりとやり切れば結果はおのずとついてくると思ってやり切って、最後はその我慢強さがプレーに出て、この勝利につながったと思います。」

■前半25分から入りましたが、想定していたよりはやや早い時間帯だったのでしょうか。

「そうですね。でも、どのタイミングで入ってもいいように準備はできていましたので、グラウンドに入った瞬間にパチッとスイッチが入ってプレーできました。」

■自身のプレーについてはどう評価していますか。

「やはり我慢強くプレーすることを念頭に置いてやりました。私自身はあまり目立つプレー、派手なプレーができる方ではないと思っているので、地道なプレー、ひたむきなプレーを心掛け、タックル、ボールキャリー、サポートなどを地道に、我慢強く、プレーし続けました。」
 
■4年生として、チームへの言葉がけなどはどのようなことをしていたのでしょうか。

「後半になって点数が入るようになりましたが、キックオフでのリスタートの前に、ここで安心したら後手を踏んで、また厳しいゲーム運びになってしまうと思ったので、『油断せず、安心せずにプレーしよう』と言葉をかけました。」

■小川選手が入ったあたりの時間帯から、ゲームの流れもだんだんよくなっていったように思いますが、プレーしていての感触はいかがでしたか。

「自分が入って流れが変わったとは思っていませんが、自分がやってきたこと、チームがやってきたことを一つ一つ積み重ねてやっていったことがいい流れを作り、いい結果につながったのだと思います。」

■今後に向けての意気込みをお願いします。

「今日は厳しい展開でしたが、我慢強く、地道なプレーができ、いい結果をつかむことができました。自分たちの強みの部分をさらに成長させることができたと思うので、これに満足することなく、大学選手権に向けて一歩ずつ、自分たちができることを積み重ねていきたいと思います。」


前半25分からの途中出場。やや早い時間帯での投入となったが、いつでも行ける準備はできていて、入った瞬間からスイッチが入ったと言う。実際、安定したプレーでチームの縁の下の力持ち的な役割を十分に果たした。自身は「派手なプレーができる方ではない」と謙遜するが、むしろ地道なプレーこそが彼の持ち味だ。普段の物静かで柔らかい物腰とプレーの激しさとのギャップは大きな成長の証し。4年生として、チームへの声掛けも積極的にしている。大学選手権に向けても、さらなる成長が期待できそうだ。






《COLUMN》

―― ジュニア選手権の魅力 ――
 
 
Bチームが覇を競う関東大学ジュニア選手権。帝京は6連覇を飾りました。
 
この大会は、Bチームの大会といってもけっして侮れない、いや、それ以上に魅力のある大会だと言えます。
 
対抗戦、リーグ戦両校のBチームが混ざり合った形で戦いますが、帝京は最上位のカテゴリーである「カテゴリー1」に所属していて、そのなかでまず総当たり戦で戦い、上位4校が決勝トーナメントに進みます。その決勝トーナメントの決勝戦がこの日の試合でした。
 
この大会の最大の魅力はやはり「選手の成長」が見られることではないでしょうか。もちろん、Aチームの人たちもどんどん成長していきますが、例えばAまではまだ届かないが、ちょっと前まではC、Dチームにいた選手が急成長して出場してくる様子とか、この大会を通じて成長し、Aチームに上がっていく選手の成長ぶりとか、そんな「成長過程」がよく見えるのがこの大会なのです。
 
岩出監督は「対抗戦と同じようなモチベーションで臨み、成長できるすばらしい大会」だと述べています。
 
また、毎年、このジュニア選手権での成長が認められ、大学選手権のメンバーに入っていくという選手が必ずと言っていいほど出てきます。
 
あるいは、Aチームの練習相手はBチームなので、Bチームの成長はそのままAチームの成長に直結するということもあるでしょう。
 
そういった魅力、そしてチームから見た重要性が大きいからこそ、「第39回」という長きにわたって続いているのでしょう。
 
以前のコラムにも書きましたが、ここでちょっとしたトリビアをご紹介します。今年のジュニア選手権は第39回でしたが、第1回大会の優勝校は日本体育大学。そのときの日本体育大学のキャプテンは岩出雅之監督でした。
 
岩出監督はキャプテンでAチームにいましたので、ジュニア選手権には出場していませんが、第1回大会優勝の思い出はいまだに忘れられないと言います。
 
ジュニア選手権大会では優勝という結果を得ることができましたが、チームの戦い、そして選手一人一人の戦いはまだまだ続きます。ここからのさらなる成長ぶりに注目です。
 





《THE NEW FACE》

ニューフェースたちの声を紹介します。


CTB ニコラス・マクカラン(1年)

ハミルトンボーイズ高校出身

身長189cm/体重93kg

「得意なプレーはアタック、パス、ボールキャリーをしてのランニングプレーです。課題として取り組んでいるのはキック、特にハイパントキックの練習に力を入れています。帝京大学ラグビー部に入って一番驚いたのは、練習時間がとても長かったことです。ニュージーランドではこんなに長く練習をしないので、最初はきつかったです。ですが、すべてに対してハードワークするところは、帝京のすばらしい文化だと感じています。今後は、全部の試合に出るつもりで、常に自分のプレーを改善していきたいです。また、いまBK陣を引っ張っている選手は4年生が多いのですが、来年は卒業していなくなってしまうので、自分もリーダーとしてBKを引っ張っていける選手になれるように頑張りたいです。」
 
 
HO 荒川 海斗(1年)

帝京八王子高校出身

身長174cm/体重100kg
 
「自分の強みはボールキャリーとラインアウトスローです。課題として取り組んでいるのは、フィットネスとディフェンスでのタックルです。帝京大学ラグビー部は、一人一人のラグビーに対する取り組みがすごいと感じます。練習中はもちろん、練習外の時間でもラグビーに対する意識が高く、入る前に想像していたレベルをはるかに超えていました。今後は、一つでも上のチームでプレーしたいと思っているので、まずは苦手を克服して、上のチームで貢献できるように頑張りたいです。」
 
 
HO 上方 風馬(1年)

長崎北陽台高校出身

身長177cm/体重98kg
 
「僕は安定したセットプレーと力強いディフェンスを持ち味としています。ただ、さらなるセットプレーの安定のためには、ラインアウトのスローをもっともっとよくしていかなければいけないと思っているので、そこに力を入れて取り組んでいます。帝京大学ラグビー部に入る前は、上下関係が厳しくて、先輩たちはもっと怖いのかなと思っていたのですが、みなさん優しくて、何もわからない自分たちにも優しく接してくださり、自分たちがやりたいことをやれる環境があるので、とても助かっています。今後は、自分の課題をしっかり見つけて克服し、自分自身を見つめ直して、これからの練習に励んでいきたいと思います。」


PR 渡邉 元太(1年)

臼杵高校出身

身長181cm/体重124kg
 
「自分の強みはパスです。手先が器用なので、そこを見てほしいです。それと、近場での力強い、身体を使ったプレーを得意としています。課題はディフェンスのポジショニング、タックル、スクラムで、そこに力を入れて練習しています。帝京大学ラグビー部は部員一人一人のラグビーに対する姿勢がすごいのと、ラグビーをするための環境がすばらしいと感じています。体のケアの徹底、自身のコンディショニングの管理、体づくりなど、ラグビーをする体をつくるための環境が整っています。今後は上のチームに上がって試合に出て、チームに貢献したいので、自分に足りない部分をしっかり克服できるように頑張りたいと思います。」


(文/木村俊太・写真/小林綾乃[帝京大学ラグビー部])

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