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関東大学対抗戦A・第5戦 早稲田大学戦

関東大学対抗戦A・第5戦 早稲田大学戦

2012/11/05

『ブレない心で逆転勝利』
 

11月3日(土・祝)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(4勝0敗) 37-27 早稲田大学●(3勝2敗)

 
 
《帝京大学》
[FW]①森川 ②泉 ③出渕 ④小瀧⇒イラウア ⑤マニング ⑥大和田 ⑦松永 ⑧李
[BK]⑨流 ⑩森谷⇒荒井(基) ⑪磯田 ⑫中村 ⑬権 ⑭小野(寛) ⑮竹田
 
《早稲田大学》※先発のみ
[FW]①上田 ②須藤 ③垣永 ④近藤 ⑤芦谷 ⑥金 ⑦黒木 ⑧佐藤
[BK]⑨西橋 ⑩間島 ⑪原田 ⑫布巻 ⑬森田 ⑭中靍 ⑮黒澤
 
 

  【前半】  
ここから本当の戦いが始まる。対抗戦第5戦の相手は早稲田大学。夏合宿での練習試合では43-0で勝利している相手だが、それはすでに過去の話。チャレンジャーとして挑めるかが大事になってくる。また、この日の秩父宮にはこれまでの四試合にはないたくさんの観衆が集まった。その独特の雰囲気に早く順応することも大切だ。
早稲田戦に臨むまでの一週間。帝京の部員たちは誰もが淡々と、しかしながらきっちりと準備に勤めていた。
必ずや訪れるであろう緊迫した場面でも、きっといつも通りのパフォーマンスを発揮してくれるに違いない。
 
いよいよキックオフ。序盤戦。帝京にやや硬さが見られる。ノックオンなどのミスが出て攻められるが、WTB磯田、LO小瀧らの好タックルで相手を止める。帝京も攻撃に転じるが、サインプレーでミスが生じるなど、やはり硬さが抜けきれない。
 
一方、早稲田はハイパントキックを多用。これに対して帝京はカウンターアタック、裏へのキック、タッチキックなど状況に応じて選択し、反撃。最後尾にFB竹田、またFWの舵取り役にNO8李が控えるのはなんとも頼もしい限りだ。
 
その後も一進一退が続く。誰もがキーポイントとして捉えていたスクラム戦は、いずれかに大きく優劣がつくことはないが、HO泉を軸に相手FWにきっちり圧力をかけ続ける。またブレイクダウンにおいても、LOマニング、FL松永を中心にしっかりボールキャリアに働きかけ、ゲームに安定感を加える。
 
前半も15分を迎え、このあたりから少しずつ動きがよくなる帝京。相手のハイパントを李がうまくキャッチし、前進。ラックからすばやく展開し、FL大和田、CTB権らがさらに前進する。強烈なコンタクトで徐々に相手にプレッシャーをかける。20分すぎには、磯田、大和田らがゴール前まで運び、FWがかたまりとなってインゴールに迫るが、惜しくもグラウンディングできず。
 
また、相手の繰り返しの反則に対してスクラムを選択するが、うまく組めず、三度目に得たペナルティはタッチキックに。ラインアウトでモールを作り、抜け出した大和田が前進。ゴール直前でつかまるも、FWで押し込み、最後はマニングがトライ、逆転に成功する。
 
続いて、この日も好調を維持する大和田がその持ち味を存分に発揮する。相手ボールのラックからこぼれたボールにすばやく反応し、ターンオーバー。さらにBKにつないで前進。相手の反則を誘い、CTB中村が長いPGを見事に決め、点差を広げる。
 
その後も互いの意地がぶつかり合い、ゲームはさらに接戦の様相を呈していく。双方の好プレーにスタンドから感嘆のため息がもれる展開が続く。そして、10-17でハーフタイムを迎えることとなった。

 

 
  【得点経過】  
【13分】帝0-3早
早稲田ボールのラインアウト内で帝京がアーリーチャージ。PGを決められる。
 
【27分】帝7-3早
ゴール前5m、帝京ボールのラインアウトをキャッチし、FWで前進。FL大和田、No8李、PR森川、HO泉らが前進を図り、最後はLOマニングがトライ。ゴール成功。
 
【32分】帝10-3早
相手ボールのラックからこぼれたボールをFL大和田がすばやく拾って前進。CTB中村、CTB権と渡って前進すると、相手はオフサイドの反則を犯す。正面ながら、10mラインからややハーフウェイ寄りという長いPGを中村が決める。
 
【36分】帝10-10早
ゴール前5m、早稲田ボールのラインアウト。モールを作ると見せかけ、相手No8がすっと抜け出し、トライを奪われる。
 
【39分】帝10-17早
早稲田がラインアウトからBK展開。ライン参加したFBに走られ、ゴール前へと運ばれる。FL大和田が必死でディフェンスするが、つながれてトライを奪われる。

 
 
  【後半】  
ハーフタイム。ロッカールームではこの接戦を楽しむかのような良い空気が、選手たちから伝わってくる。岩出監督からは「目の前の一つ一つのプレーを大事にして、しっかりとやっていこう。この厳しい状況を与えてもらえるのは、自分たちの成長にとってありがたいこと。厳しい状況を楽しんで、自分たちのラグビーをしよう。結果はそれができたときについてくるものだから。」との指示が出る。
 
これでさらなるスイッチが入ったか、後半はより攻勢に出る帝京。後半もお互いキックが多くなるが、帝京BKの動きにキレが増し、前に出る展開が続く。権-竹田-磯田とつないで前進。つかまってもSH流のすばやいパスアウトでFWへとつなぐといった、帝京らしい攻撃が出始める。
 
守っても小瀧、泉らが地味ながら体を張ってボールを保持する。途中、PG失敗ながら、跳ね返ったボールをセーブされ13-27と14点差をつけられてしまうが、選手たちに動揺と焦りは見られない。インゴールでは、今一度円陣を組み直し次なる攻撃に備える。
その成長の証を、次はピッチでのパフォーマンスで披露する。まずは相手のキックを、磯田がカウンターアタック。相手を次々とかわし、22mラインの内側まで運び、さらに大和田が前進する。相手はここから反則を繰り返し、そのたびに帝京はラインアウトで攻める。最後はモールを押し込む。夏までケガで戦列を離れていたため、まだまだ万全ではないものの、安定感の増した李がトライ!角度のある難しいゴールも中村がしっかりと決め、7点差に迫る。
 
途中出場のCTB荒井(基)も存在感を見せる。こぼれ球にすばやく反応し、マイボールにすると、帝京はFW、BK一体の攻撃で前進。ゴール前で相手の反則を誘う。あくまでも勝利にこだわる帝京は、7点差ながら、確実に3点を取りにいくPGを選択。1トライで逆転できる点差にして相手にプレッシャーを与える作戦を選んだ。
 
残りおよそ10分で4点差。だが、試合は完全に帝京ペースだ。ハイパントのこぼれ球にキャプテンの泉が体を張ったセービング。ボールを獲得すると、流がすばやく大外のWTB小野(寛)へと長いパスを送る。小野の前進で引き付けられた相手ディフェンスもFW陣がしっかりフォロー。最後はSOの位置に入っていた中村が仕掛け、そのままトライ!ついに逆転に成功。
 
残り時間およそ5分で3点差。まだまだ油断できない状況で、相手は得意のBK展開でゆさぶりをかけてくる。
 
ここでビッグプレーが飛び出す。相手のBK展開するボールを荒井(基)が見事にパス・インターセプト。そのまま走り切りトライ。37-27で勝利を収めることとなった。
 
スタンドでは帝京ファンが、そして控え部員たちが肩を寄せ合い喜びを爆発させている。
だが泉主将は円陣で冷静にメンバーに語りかけている。
「ここがゴールじゃないぞ!ここからがスタート。もう一度ここから挑戦者としてチャレンジしていこう!」。
 
翌日。ジュニア選手権のため早大上井草グラウンドに乗り込んだ帝京は、その泉の言葉を体現するかの如くチャレンジし続け、ジュニア戦を含むCDEの計4戦に勝利。ライバルチームとの5連戦を制し、一歩成長した帝京フィフティーンがさらなる進化の旅に出る。

 
 
 
  【得点経過】  
【4分】帝10-20早
ゴール正面で帝京がハイタックルの反則を犯す。PGを決められる。
 
【8分】帝13-20早
ゴール正面で早稲田がオフサイドの反則を犯す。CTB中村がPGを決める。
 
【11分】帝13-27早
帝京がゴール正面でオフサイドの反則を取られる。早稲田のPGは右ポスト、左ポストと当たり、手前に跳ね返る。ちょうど走り込んできた早稲田の選手がキャッチし、そのまま飛び込まれてトライを奪われる。
 
【20分】帝20-27早
ゴール前5m、帝京ボールのラインアウトからモールを形成。そのまま押し込んでNo8李がトライ。
 
【30分】帝23-27早
ゴール前で早稲田がノットロールアウェイの反則を犯す。CTB中村がPGを決める。
 
【33分】帝30-27早
HO泉のセービングで獲得したボールをSH流がすばやくパス。WTB小野(寛)が前進し、ラックになると流からSOの位置に入った中村へ。中村が自ら仕掛けて前進し、そのままトライ。ゴール成功。
 
【37分】帝37-27早
早稲田のBK展開するボールをCTB荒井(基)がインターセプト。そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
 
 

《AFTER MATCH SAY》

■岩出雅之監督

「今日は『厳しく、しぶとく、元気よく』という言葉で選手たちを送り出しました。これは特別なことではなく、普段から心掛けてやっていることを改めて確認したものです。11月に入り、これまで以上に厳しいゲーム、ほんの小さなミスで勝負の綾が変わっていくというゲームを経験する時期になりました。
選手たちにはどこまで気合いを入れ、どこまでリラックスさせるか、選手たちの様子を見極めながら、声をかけるようにしました。前半はやや緊張していたようですが、後半はのびのびとプレーしてくれたと思います。見ていて『後半勝負になるだろう』と思っていましたが、みなしっかりと馬力を維持し、後半20分すぎからはこちらのペースでゲームを運ぶことができました。
また、これまで短い時間で入替していた選手をあえて長く使い、逆に長く使っていた選手を控えに置くなどすることでチームとしての幅を広げる仕掛けを試みたのですが、後半はそれも功を奏したのではないかと思っています。
夏合宿でも早稲田大学さんとの戦いで、特に泉キャプテンが大きく成長してくれましたが、今日もさらに大きく成長してくれた試合になったと思います。こうした厳しいゲームをしてくださる早稲田大学さんのおかげで我々もまた一歩成長することができました。今日のゲームもこのあとしっかりと分析して、もう一度対戦するときには、後半20分すぎからのような時間帯をさらに長くできるようにして臨みたいと思います。
これからも厳しいゲームが続きますが、選手たちには厳しいゲームができる喜びを感じながら、一戦一戦、成長していってほしいと思っています。」
 
 
■キャプテン・HO泉敬(4年)
「今日はまず気持ちの部分、『厳しさ』という部分をしっかり出そうと言って臨みました。夏合宿では早稲田大学さんに勝利しましたが、それを忘れて、チャレンジャーとして挑んでいくことを課題にして戦いました。前半は、大勢の観衆の中でのビッグゲームでやや緊張して、硬さが出てしまったところがありました。ハーフタイムに監督から『のびのびやりなさい』という言葉をいただき、後半はのびのびできたと思います。今後も、今日の結果に満足することなく、この先のゴールに向けて一つ一つレベルアップしていけるように努力していきたいと思います。」
 
■セットプレー、フィールドプレーともに存在感を見せた・PR森川由起乙(2年)

「今日のゲームを経て、自分も成長できたと思いますし、前半リードされる展開でしたが、そこで自分たちのタフさ、しぶとさを出すことができ、全員で成長できた試合だったと思います。スクラムは圧倒することはできませんでしたが、今後さらに力をつけて、次に早稲田さんと当たったときには圧倒できるように強くなっていきたいです。ただ、セットプレー全体を考えたら優位に立っていたと思うので、そこは自分たちの収穫にしていいところだと思っています。」
 
■80分間フル出場も激しいプレーを最後まで持続した・PR出渕賢史(4年)

「後半、逆転して勝利できたことはとてもよかったのですが、セットプレーやフェーズの中で圧倒するまでには到らなかったことは反省点として次に生かしていきたいです。特にスクラムは、次に対戦するときはさらに自分たちから仕掛けるスクラムを組んで圧倒します。今日は、点差をつけられた場面でも焦りはありませんでした。熱さ、激しさの中でも冷静さを保つことができ、自分たちのミスで取られた点もあったと気づけたので、しっかりと立て直すことができました。今日出た修正点をしっかりと改善して、次戦以降に臨みたいと思います。」
 
■激しいタックルとボールへの働きかけが光った・FL松永浩平(4年)

「今日は厳しいゲームながら、勝利という結果を得ることができ、今後への自信につながるいいゲームだったと思います。クロスゲームを追いかける展開で勝ち切れたことは一番の収穫です。劣勢の場面でも、練習から想定してやってきたことなので、冷静に、落ち着いて、目の前のプレーをしっかり正確にやっていけば結果はついてくるという気持ちで戦えました。ただ、後半の集中力や厳しさを前半から出すことができればもっとよかったと思います。次の試合には前半から100%出し切ることを意識して、しっかりと練習から取り組んでいきたいです。今日の試合を自信にしながらも、出た修正点はきちんと修正して、油断することなく、またおごることなく、厳しさをもってやっていきたいと思います。」
 
■緩急つけたパスアウトでゲームをコントロール・SH流大(2年)

「今日は自分たちのラグビーをしようと言って臨んだのですが、前半ちょっと硬くなってしまい、できた部分もありつつも、甘いところも出てしまいました。でも、敵陣に行ければスコアできるという自信もあったので、自分自身は落ち着いて後半に臨むことができました。ゲームを通してしっかり我慢して、最後に自分たちらしさを出すことができたので、素直にうれしいです。一人一人がやるべきことをやって、あきらめずに集中して、自分たちの形を出し切れたことが逆転できた最大の要因だと思います。前半はゲームの勝利というものにとらわれていましたが、後半は一つ一つのプレーの先に勝利があるという気持ちになれて、『いま』に集中できたのがよかったと思います。」
 
■思い切った走りを見せ、スタンドを沸かせた・WTB磯田泰成(2年)

「ハーフタイムで監督に『こういう厳しいゲームを経験できるのは大きいことなので、これを楽しんで乗り越えていこう』という言葉をいただき、チームが一つになって後半に臨むことができました。自分のプレーの中で、カウンターアタックで抜ける場面を作ることができましたが、いつも(竹田)宜純さんから『パスをもらったら思い切って行け!』と言われているので、スペースもあったのでそのとおりに思い切って走りました。『劣勢になってしまったのは、自分たちのラグビーができていなかったからなので、まずは自分たちのラグビーをやろう』とお互いに声を掛け合えたので、リードされても焦りのようなものにはつながりませんでした。今後も厳しいゲームが続くと思いますが、今日の経験を生かして、明日からの練習を頑張っていきたいと思います。」
 

■鋭い読みが的中し、インターセプトで試合を決めた・CTB荒井基植(4年)

「今日はリザーブからのスタートでしたが、短い時間でも自分のすべてを出し切ろうと思い、アップからしっかり集中して臨むことができました。インターセプトのシーンは、けっして狙っていたわけではありません。対面の布巻くんが何か仕掛けてきそうな感じがしたので、はやめにタックルに行こうと思い、前に出たら、結果的にインターセプトになりました。これからも厳しいゲームが続きますが、リザーブであれ、スタメンであれ、自分のやるべきことは変わらないので、まずは自分の持ち味であるタックルからしっかりやって、さらに一戦一戦、チームが成長できるように4年生としてチームを引っ張っていきたいと思います。」
 

《PICK UP PLAYERS!》

さらなる逞しさを身につけ、ケガもプラスに変える
CTB 中村亮土(3年生)
NAKAMURA RYOTO

 
1991年6月3日生まれ
経済学部経営学科
鹿児島実業高校出身
身長178㎝/体重84㎏
 
■今日の試合にはどのような気持ちで臨んだのでしょうか。
「大観衆の中での早稲田大学さんとの対戦ということで、プレッシャーのかかるゲームになると思っていましたが、自分はとにかく冷静にプレーしようと思っていました。」
 
■試合を振り返って、感想を聞かせてください。
「前半、苦しい時間帯が続きましたが、後半はこの大観衆の雰囲気にも慣れて、みんなが厳しいプレーを続けることができました。結果として、勝利できたことは自分たちの大きな自信につながると思います。」
 
■後半、いい仕掛けで逆転トライを奪いましたが、あの場面を振り返っていただけますか。
「FWの選手が相手の内側のディフェンスをしっかりと止めてくれて、さらにSHの流がいいパスをくれたので、自分は目の前にできたスペースに走り込んだだけです。みんなが僕の前を開けてくれたので、そこに走ったらトライになりました。」
 
■CTBでスタートして途中からSOの位置に入りましたが、何か違いのようなものは意識しているのでしょうか。
「プレーとしてはいろいろ違いはあると思いますが、CTBでも流れの中でSOの位置でボールを受けたり、SOに入ってもCTBの位置に行くこともあるので、自分の意識の中では役割としては変わらないと思っています。」
 
■今日のゲーム、劣勢に立たされていたときにはどんな気持ちでプレーしていたのでしょうか。
「去年もこうした接戦のゲームがありましたが、そういうときに大事になってくるのは冷静さだと思います。この冷静さというのは、今年の自分の課題の一つとして掲げているものです。こういう試合で自分が冷静さを保って、周りも自分の冷静さを見ることで何かを感じてくれたらと思っています。」
 
■しばらくケガで休んでいましたが、チームを外側から見ることで何かを得たということはありますか。
「自分がプレーしていない状態でチームを見ると、やはり全体の動きが見られるので、自分が戻ったときに外から見ているのと同じ目で見ようと意識することができるようになりました。それによって視野も広がって、プレーの幅も広がったと思います。」
 
■ケガもプラスに変えることができているようですね。
「はい。さらに、ケガの間はいろいろな方々にサポートしていただき、周囲の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。戻ったときにプレーで結果を出して恩返ししたいとずっと思っていました。そういう思いも自分の中でプラスになったのではないかと思っています。」
 
■では、次戦に向けて意気込みを聞かせてください。
「これからも厳しい戦いが続くと思いますが、今日の経験を生かして、反省すべきところは反省して、でもこの勝利を自信にしながら今後の練習に励んでいきたいと思います。」
 
今シーズン、公式戦初のフル出場。頼れる男がついに復活だ。どんなときでも常に冷静さを保つことを心掛け、周囲への影響力も意識している。『一緒にプレーしていて、滑川さんや、森田さんたちはピンチの時こそ冷静でした』。常々そう語る中村だが、その大きな背中は彼自身がすでに周囲に安心感を与える存在になり始めている。
この日も難しい位置を含むPG、コンバージョンゴールをすべて決めた。ゴールを狙う際のその姿には、昨年度のキャプテン・森田を想起させる逞しさがあった。
普段は人懐っこい笑顔で周囲に癒しを与えてくれるリョートが、今後もチームに大きなインパクトをもたらすに違いない。
 

《NEXT MATCH!》

関東大学対抗戦第6戦 対明治大学(http://www.meijirugby.jp/)
11月18日(日)秩父宮ラグビー場 14時キックオフ
 
過去の対戦成績:関東大学対抗戦7勝27敗(大学選手権2勝0敗)
[明治大学の直近5戦]
9月16日  ○96-0 立教大学(関東大学対抗戦)
9月23日  ○52-5 日本体育大学(関東大学対抗戦)
10月7日  ○68-8 青山学院大学(関東大学対抗戦)
10月21日 ○31-27 筑波大学(関東大学対抗戦)
11月3日  ○42-14 慶應義塾大学(関東大学対抗戦)

 

(文/木村俊太、写真/川本聖哉)

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