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関東大学対抗戦・第1戦

関東大学対抗戦・第1戦

2010/09/19

開幕戦快勝! 好発進で2010シーズンイン

9月19日(日)・熊谷ラグビー場
○帝京大学 50対10 立教大学●

《出場メンバー》
(1)吉田(康)(2)小幡⇒泉(3)坪井⇒出渕(4)菅原⇒木下(5)ボンド⇒李(6)ツイ(7)吉田(光)(8)柴田(9)滑川(10)森田⇒中村(有)(11)富永(12)南橋(13)黒川(14)伊藤(拓)⇒橋口(15)竹田(宜)⇒小野

関東大学対抗戦・第1戦

いよいよ2010帝京の関東大学対抗戦が開幕した。相手は先週すでに一足早く開幕戦を迎えている立教大学。夏合宿で取り組んだ成果をしっかりと出し切って、シーズンに弾みをつけたいところだ。

【前半戦】
試合前のアップ。この試合への意気込みを岩出監督は次のように訊かせてくれた。
「いよいよシーズンがスタートしました。仕込から仕上げに入っていくことになりますが、まだまだチーム作りの過程にあるので、自分たちの取り組んできたことの確認作業と、多くの若いメンバーに経験を積ませることに主眼を置いています」。

いよいよキックオフ。帝京は開幕戦の緊張からか、やや重苦しい立ち上がりとなった。序盤はキックの蹴り合いが続く。FLツイ、ルーキーながら15番の開幕キップを掴んだFB竹田らを中心にお互いカウンターを仕掛けるタイミングを見計らいながら、相手の出方を伺うような展開となった。

関東大学対抗戦・第1戦

試合が動いたのは13分。LOボンドの突破で得た敵陣ゴール前でのスクラムで立教大が反則。クイックスタートのボールを受けたボンドが飛び込んで、先制トライを決めた。この春、日本A代表にも選出されたボンドは、より引き締まった体躯を武器に終始堂々たるプレーを披露。

関東大学対抗戦・第1戦

その後もじりじりとした時間帯が続いたが、30分過ぎからは一気に帝京ペースに。キックの蹴り合いに付き合うのをやめ、積極的に仕掛けていくことで本来の動きが戻り始める。そして33分、3年目を迎えチームの中心に成長中のこのBKトリオが決める。まずはFWの素早い寄りからSH滑川が好パスをBKへ配球すると、SO森田のインゴールへのキックパスをCTB南橋が押さえてトライ。さらに35分には、HO小幡の縦への突進でチャンスをつくると、ここでもFWが早い寄りを見せ密集を制圧。森田の好判断から最後はWTB富永がトライ(19対0)。
勢いの止まらない帝京は38分には、連続攻撃から最後はFLツイがインゴールに飛び込み立て続けにトライを奪う。FW、BK一体となった攻撃力の高さを見せつけ、26対0で前半を終えた。

関東大学対抗戦・第1戦

前半の立ち上がりこそは、相手FWの密集付近での反則覚悟の働きかけや開幕戦独特の緊張感からややペースを掴み損ねたが、それでも富永、LO菅原らがキックチェイスなど精力的な動きでチームを盛り立て、まずまずのスタートで40分を戦い終えた。

【後半戦】
後半、今後続く長いシーズンを見据えさらに自分たちの“形”を作り上げていきたい帝京は開始早々、ラインアウトからきっちりモールを押し込んでトライ。このまま一気に突き放すかに見えたが、この時期とは思えない酷暑の中での戦いとありお互いに消耗戦が続く。
だが、常に継続と攻め続ける気持ちを切らさない帝京は、15分にはターンオーバーからラックを連取し、この試合本職のWTBからその突破力を活かしアウトサイドCTBで起用された黒川がトライを叩き出す(38対5)。

関東大学対抗戦・第1戦

その後帝京は、メンバーチェンジによってフレッシュな(DFで見せたHO泉、夏合宿での急成長を見せたLO木下、ルーキーLO李ほか)選手を多数投入しながらも2トライを連取し、50対10のスコアで開幕初戦をものにした。

関東大学対抗戦・第1戦

全体を振り返ってつなぎの部分でのミスやちょっとしたDFエラーも見られたが、試合前、岩出監督がテーマとして掲げていた攻撃面に関して練習の成果を発揮できた場面が何度も見られ、順調さをうかがわせた開幕戦となった。
昨シーズンで得た自信も携え迫力の増したFW、個人個人の才能が一気に開花しそうな予感を抱かせてくれるBK。今年も彼らの成長をしっかりと追っていきたい。

《試合後のコメント》
□岩出雅之監督

「遠いところまで足を運んでいただき、ご声援をいただいたみなさま、ありがとうございました。シーズンのスタートとしてはいい面もたくさん出ましたが、まだまだ準備不足の面も出てしまいました。ただ、この時期、練習試合とは違い、公式戦という緊張感の中でゲームを経験して課題が見えたことは、選手が成長する上でよかったと思います。大事なところでの集中力の有無が大きな結果につながるということも体感できたのではないでしょうか。
今後は、攻防の変化の中でのディフェンスとゲームの流れの中での仕掛けという部分の精度をもっと上げていきたいと思います。今日のゲームではいい面も悪い面も出ましたが、学生たちは常に精一杯のプレーをしてくれています。試合の中では、一喜一憂するところもあると思いますが、学生たちのプレーからのメッセージを受け止めていただき、シーズンを通して見守っていただければと思います。個々の力も、チーム力も、この秋を通じてまだまだ伸びていきますので、みなさまにはその様子をぜひ楽しんでいただきたいと思います。応援の程宜しくお願いいたします。
最後になりましたが立教大学関係者の皆様、本日はありがとうございました。これからの試合でのご健闘をお祈りいたします。」

□キャプテン FL 吉田光治郎(4年生)
関東大学対抗戦・第1戦
「開幕戦ということもありましたが、序盤は立教大学さんのひたむきなタックルにみんな少し戸惑っていたところがありました。ただ、これは試合を重ねていくことで解消できる課題だと思います。
アタックは前半の最初の時間帯を除けば、よかったと思います。キックではなく、ボールを生かして動かしていこうと修正して、そこからは次戦につながるアタックができました。
自分自身のプレーに関しては、今日はみんなに助けられました。もっとしっかりタックルして、ディフェンスでみんなを引っ張っていけるように修正したいです」

□献身的なプレーでチームを引っ張った LO 菅原貴広(4年生)
関東大学対抗戦・第1戦
「今日は自分としてはミスが多すぎました。チーム全体ではタックルミスとか課題が出た場面もありました。まだチームとして噛み合わない部分もあるのですが、シーズンは始まったばかりなので、これからどんどんよくなっていくと思います。ボールを持ったら立つとか、1対1でしっかり倒すといったことを15人みんなができれば必ずいい結果が出るチームなので、まずは自分自身がしっかり修正して、それをチームに浸透させていきたいと思います」

□冷静にゲームコントロールした SO 森田佳寿(3年生)
関東大学対抗戦・第1戦
「去年は開幕戦がよくなかったので、今年は夏合宿でやってきたことを思い切って出し切ろうと思って臨みました。チームとして全体的に感じは悪くなかったですが、自分の求めているゲームメイクができなかった点は反省です。もっとキックでいろいろと工夫をしたかったのですが、淡白になってしまいました。
次戦でもバックス展開にどんどんチャレンジしていきたいと思いますが、まずは帝京の強みであるフォワードを前に出すプレーをしっかりとやりたいと思います」

《PICK UP PLAYERS》

公式戦初出場で大活躍(ゲームMVP)
HO 小幡大彰(4年)


関東大学対抗戦・第1戦

OBATA HIROAKI
1988年9月14日生まれ
経済学部経済学科
熊本工業高校出身
身長174cm/体重103kg/血液型A型
ニックネーム/オバ、得意なプレー/フィールドプレー、試合前に聞く音楽/HIP
HOP、故郷自慢/馬刺しがうまい(熊本県)

■Aチーム公式戦初出場でしたが、今日の試合を振り返っていかがでしたか。
「最初の5分くらい、ものすごく緊張してしまって、ラインアウトで2つスローイング・ミスをしてしまったのですが、その後は修正できたので、そこはよかったと思います」

■修正できたのは、しっかりとした準備ができていたからですね。
「準備はできていたのですが、もう緊張してしまって……でも、しっかりアタックはできました」

■トップスピードでパスをもらって、ラックサイドを駆け抜けての縦への突破。すごかったです。
「あれは狙っていたプレー。SH滑川とアイコンタクトできたので、練習通りにできました」

■スクラムはどうでしたか。
「安定して組めたと思います。相手がバテたところでは、かなりプレッシャーをかけられたと思います」

■普段から心がけていることはありますか。
「ラインアウトでは絶対にノットストレートだけはしないようにということと、フォワード前5人は自分が中心になって引っ張るんだという気持ちでやるということです」

■自分のここを見てほしいというのはありますか。
「フィールドプレーではフォワード前5人の中では絶対誰にも負けない自信があります。ぜひ僕のフィールドプレーを見てください」

■4年生ですが、卒業後の進路は。
「JR九州から内定をいただいています。卒業後もラグビーを続けるつもりです」

■オフのときなど、ラグビーをしないときはどんなことをしていますか。
「洋楽が好きで、寮の部屋でDJをやっています。ターンテーブルを買ったので、レコードをかけて、スクラッチなどをしています」

■最後に今後の意気込みを聞かせてください。
「なかなかAチームの試合に出られず、親には心配をかけてしまったのですが、自分がAチームの試合に出ることが恩返しだと思うので、頑張って出続けて、大学選手権の決勝戦に出られたら両親を招待したいと思っています。それが実現できるようにしっかりやっていきたいと思います」

公式戦初出場ながら、特にボールをもったフィールドプレーで輝きを見せた小幡大彰。ディフェンス力も高い。体重も順調に増え、スクラムでの安定感も増している。この逸材を控えに置くのはもったいない。ライバルHOたちとのポジション争いが注目される。

《NEXT MATCH PREVIEW》

【10月2日(土)関東大学対抗戦第2戦 VS日本体育大学 熊谷ラグビー場 12時キックオフ】
対抗戦第2戦は日本体育大学戦。昨年は対抗戦6位、今シーズンも明治大学に大敗している日本体育大学だが、どのような相手でも常にリスペクトして臨みたい。今日の試合の反省をふまえ、相手に合わせることなく、自分たちの目指すラグビーができるかが試される。

《その他の試合結果》
関東大学ジュニア選手権カテゴリー1
●帝京大学Jr 27-28 明治大学Jr○
(通算成績0勝1敗)
○帝京大学C 29-10 明治大学C●
(以上、9月20日・帝京大百草G)

《今後の関東大学ジュニア選手権スケジュール》
・10月3日(日) VS慶應義塾大学 13:30キックオフ @帝京大学百草グラウンド
・10月23日(土) VS関東学院大学 12:00キックオフ @帝京大学百草グラウンド
・11月7日(日) VS早稲田大学 13:00キックオフ @早稲田大学上井草グラウンド
・11月14日(日) VS東海大学 13:00キックオフ @帝京大学百草グラウンド

(写真/志賀由佳)

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