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2013 関東春季大会 第5戦・東海大学戦

2013 関東春季大会 第5戦・東海大学戦

2013/06/23

「2013 関東春季大会 第5戦・対東海大学戦」
 
6月23日(日)・百草グラウンド
○帝京大学 48-15 東海大学●

《帝京大学》
[FW]
(1)竹井(勝)⇒高田(2)坂手(3)深村⇒浅堀(4)小瀧⇒町野(5)今村(6)イラウア(7)杉永(8)李⇒大和田
[BK]
(9)荒井⇒塚本(10)金田⇒牧田(11)磯田(12)大橋⇒山崎(13)権(14)前原(15)森谷
 
《東海大学》※先発のみ
[FW]
(1)坂尻(2)崩(3)平野(4)橋本(5)タタナ(6)磯辺(7)藤田(8)金堂
[BK]
(9)小泉(10)中川(11)石井(12)宮田(13)三坂(14)近藤(15)安岡

【前半】【得点経過】
【1分】帝7-0東
ラックからSO金田-CTB権へと渡る。権がディフェンスをかわしてトライ。ゴール成功。
 
【13分】帝12-0東
マイボール・ラインアウトをキャッチし、ラックに。FWで攻め、最後はHO坂手が抜け出してトライ。
 
【23分】帝19-0東
マイボール・ラインアウトからモールを形成。そのまま押し込み、FL杉永が押さえてトライ。ゴール成功。
 
【26分】帝19-7東
BKの展開からゲインを許し、トライを奪われる。
 
【41分】帝19-10東
反則からPGを決められる。
 

 【後半】【得点経過】
【4分】帝26-10東
ゴール前のスクラムからFWで連続攻撃。最後はHO坂手が飛び込んでトライ。ゴール成功。
 
【27分】帝31-10東
HO坂手が大きく前進。つかまるがSH塚本が仕掛けて、抜け出す。そのまま走り切ってトライ。
 
【29分】帝31-15東
帝京のミスからターンオーバーされて、トライを奪われる。
 
【32分】帝36-15東
SH塚本が前方へゴロキック。CTB権が走り込んでキャッチし、そのままトライ。
 
【37分】帝43-15東
相手のPGがノータッチ。FLイラウアが前進。SH塚本がパスを受け、そのままトライ。ゴール成功。
 
【38分】帝48-15東
CTB権からパスを受けたCTB牧田が大きく前進。ゴール前でWTB前原へとパス。
前原が相手ディフェンスをかわしてトライ。
 

《  BRIEF REVIEW  》

気持ちで負けないように「体をバシバシ当てていこう」と声を掛け合って臨んだ一戦。前半は受けに回る場面も散見したが、後半は自らのペースに持ち込み、特に残り10分で3トライを奪うなど、最後は十分な形を見せることができた。とりわけ、後半から投入されたリザーブの選手たちの活躍が目立った。先発陣ではPR深村が奮闘。HO坂手、FL杉永、CTB権らも安定感のあるプレーを見せた。なお、この勝利により、関東大学春季大会の2年連続全勝優勝を決めた。また、試合後は、選手とファンとの交流イベント「FEEL TEIKYO RUGBY 2013 at 百草」が開催され、互いの交流を深めた。
      
《  AFTER MATCH SAY  》
 
■岩出雅之監督
「まずは、気持ちの入った真剣勝負をしてくださった東海大学の選手ならびに関係者のみなさまに御礼申し上げます。 今日は、この時期にふさわしい心技体を求めて、しっかりと気持ちの入ったゲームをしたいと思っていました。良い面もでましたが、甘い面もあり、反省点は数多くみつかりました。選手たち自身が『今日はうまくいかなかった』と思った点は、今後の練習や次の試合に生かしてくれるだろうと思っています。今日の勝利により、春季大会で2年連続全勝優勝することができました。春シーズンの積み重ねによって優勝という結果を得ることができました。この積み重ねを次の試合にも向けていき、春シーズンに留まることなく、夏、秋へとつなげ、目指す目標である大学選手権5連覇とトップリーグ上位への挑戦へというつながりをもった積み重ねにしていきたいと思います。 最後になりましたが、ご観戦くださったみなさま、ならびに試合後のイベント「FEEL TEIKYO RUGBY 2013 at百草」にご参加くださったみなさま、ありがとうございました。これからもご声援のほど、よろしくお願いいたします。」
 
■ゲームキャプテン・No8李聖彰(4年)
「東海大学さんは体も大きく、コンタクトも強いので、そのコンタクトの部分で絶対に受けないで前に出ようと言って、厳しさ、激しさをテーマにして臨みました。ただ、入りは悪くなかったのですが、心のどこかに油断があったのか、気持ちが緩んでしまった時間帯がありました。ハーフタイムで監督から指摘されて、後半の最後の方はよくなったのですが、自分たちで気付いて修正することができなかったのは反省点です。ゲーム内容に関しては、アタックしていても、自分たちのミスでゲームが作れず、相手にリズムを与えてしまったところがありました。メンタル面でも技術的にも課題が多く出たと思います。次の試合は、入りのところから80分間、常に圧倒し続けられるように準備して臨みたいと思います。」
 
■力強いプレーでチャンスを作った・PR浅堀航平(2年・ゲームMVP)
「今日はAチームの試合に出られるということで、自分の仕事であるスクラム、セットプレーをしっかりやろうと思って臨みました。フィールドプレーでは、イメージしていたことと実際のプレーとがつながったと思います。アタックの部分で、いままでは倒れていたようなシーンでも、当たり勝って、立ってプレーでき、自分の思ったプレーができたので、そこはよかったです。ただ、大事なところでのスクラムでコラプシングの反則を取られてしまい、悔しいです。監督やチームメイトからは『あのスクラムは組み勝っていた』と言っていただいたのですが、疲れが出る時間帯で出た反則ということで、いい課題が見つかったと思っています。次の試合も出られれば、スクラムは全部押し切るつもりでやりたいです。」
 
■途中出場で好プレーを連発した・CTB牧田旦(4年・ゲームMVP)
「ハーフタイムで監督から、自分たちの気持ちの部分を見つめ直すように言われて、リザーブでしたが、自分が入ったときにチームにどういう影響を与えて、いい流れを作っていけるかを考えていました。その結果、少しですが、いいイメージでプレーができたと思っています。アタックの場面で自分が大きく前進できたのは、(権)裕人がディフェンスをうまく引きつけてくれてからいいパスをくれたおかげだったり、ジーン(イラウア)が前進したあとのプレーでしたので、彼らのおかげです。一日一日の練習にしっかりと誠実に取り組んでいくことが、夏、秋の成長につながっていくと思うので、4年生としてチームを引っ張る役割も忘れず、日々、積み重ねていきたいと思います。」
 
《  PICK UP PLAYERS  》
 
強気なリードでチームを生かす
SO 金田瑛司(2年)
KANEDA EIJI
1993年5月14日生まれ
教育学部初等教育学科初等教育コース
伏見工業高校出身
身長171㎝/体重82㎏
 
■今日のゲームの感想を聞かせてください。
「アタックでは、自分の仕掛けから周りを生かすプレーをしようと思って臨みました。ですが、周りを生かすプレーがあまりうまくできず、反省しています。」
 
■U20日本代表として戦った経験は、自身のプレーにどう生かされていますか。
「U20もディフェンスの運動量が激しかったので、その部分では成長できたかなと思っています。今日も、その成長したところを出そうと思っていました。以前よりもタックルの回数は増えたと思いますが、何本かはずされたシーンがあったので、次はしっかりタックルしたいと思います。」
 
■長くチームから離れていた点は、プレーに影響しましたか。
「SOとしてうまくゲーム・コントロールができなかったところがあったので、そこも次への反省点にしたいです。ただ、そこはこれから積み上げていけると思っています。」
 
■強みはやはり、仕掛けの部分なのでしょうか。
「はい。今日は自分の内側にばかり仕掛けていったのですが、もっと外を使ったほうが、つかまってもパスで味方を生かすことができたと思います。強みと思っている部分で課題が見つかったので、悔しいですが、もっと練習したいと思います。」
 
■SOはライバルが多く、競争も激しいですが、その点についてはどう考えていますか。
「たしかにレベルの高い人たちがたくさんいるのですが、プレーを見て学ぶことができたり、お互いに切磋琢磨できるので、とてもよい環境だと思っています。同じポジションの仲間たちに負けないように努力していきたいです。」
 
■今後への意気込みを聞かせてください。
「今日出た課題を克服できるように練習して、いいプレーができるように一歩一歩着実に成長していきたいです。」
 
U20代表合宿から帰ってきてすぐにAチームに合流し、先発メンバーとなったが、ブランクをほとんど感じさせない好プレーを見せた。積極的な仕掛けで局面の打開を図るなど、自らの強みもアピール。ディフェンス面でもタックル回数が増えている。戦術的なすり合わせは、今後、時間とともに解決していくはず。競争の激しいSOというポジションだが、「逆に自分を高めるにはいい環境」と捉えている点もたのもしい。今後の成長に注目しよう。

《  COLUMN  》
 
―敵は我にあり―
 
「今日は『コンタクト・デー』だ! しっかり体を当てていこう!」
 
試合前の円陣で、ゲームキャプテンの李がこう言いました。みんな気合い十分。しっかり体を当てていくことを意識できていたようでした。それを体現するかのように、帝京は開始1分で先制トライをあげました。
 
「今日もこの調子で行ける」とはっきりと意識した選手はいなかったと思います。みな、頭の中では「もう1本。気を引き締めていこう」と思ったはずです。実際に言葉として出ていたかもしれません。
 
ところが、ここからやや停滞した時間帯が続くことになります。試合開始1分の間にできたことが、なかなかできなくなっていきました。プレーでのミスや判断ミスもありましたし、ディフェンスで受けてしまう場面もありました。
 
岩出監督はこの変化に気付き、ハーフタイムに指示を出しました。
 
「暑くてしんどいのはわかる。でも、天候は変えられない。変えられるのは自分の気持ちだけだ。人任せにして、楽して勝とうなんて思ってはいけない。ファーストジャージを着ているものの責任として、着られなかったみんなのためにもタックルしよう。」
 
このあと、リザーブとして途中出場した選手たち、あるいは先発メンバーが好プレーを連発し、後半の終盤はいい形でトライを連取することができました。
 
もちろん、周りが疲れきっている中、元気な状態で出てきているからという理由もあるでしょう。でも、もう一つ、彼らが活躍できた理由があるのです。
 
岩出監督はそれを見抜いていました
 
「人間はどうしても楽をしたいと思ってしまいます。ラグビーのように『痛い』競技ならなおさらです。ましてや、開始1分で簡単に得点できてしまうと、頭で考えていることとは裏腹に、体は楽なほうに動いてしまいます。でも、戦う相手が自分なら別です。楽をすれば自分に負けるのです。リザーブの選手、あるいはAチームに定着していない選手は、Aチームに残るためにひたむきに自分と戦っています。だから、余計楽をしないのです。」
 
リザーブとして途中出場し、好プレーを見せたCTB牧田はこう語っています。
 
「ハーフタイムで監督から『サポートをはやくしよう』というアドバイスがあったので、それをイメージしてプレーしたら、いいボールをもらえて、大きく前進することができました。」
 
自分のプレーを頭の中にしっかりとイメージとして描き、それを実践したということです。相手が誰だろうと関係ありません。イメージした自分のプレーをやりきること。そこだけにフォーカスできていたのです。
 
この試合のあと、Bチームのゲームがありました。このBチームが、さらに気持ちの入った好ゲームを見せてくれました。特にPR徳永、LO姫野、FL服部、FB木崎らの躍動感のあるプレーが印象的でした。
 
「同じ理由でしょうね。彼らは相手と戦っていません。自分がもっと上のチームでプレーするために、自分自身と戦っているのです。」
 
岩出監督がこう分析するように、Bチームの選手たちはさらなる成長のために自分と戦い、そしてさらに言えば、自分がAチームに上がるためにAチームと戦っていたのです。
 
「敵は我にあり」
 
油断につながるのも自分の心、成長につながるのも自分の心。しかも、頭で考えるだけでなく、自分の心の奥の無意識の部分にまで染み込ませられるかどうかが重要ですから、ここにも、以前このコラムで触れた『分かると解かる』の違いが潜んでいるようです。
 

《  NEXT MATCH  》
 
練習試合 対早稲田大学戦
6月30日(日)ニッパツ三ツ沢球技場
14時キックオフ

(文/木村俊太、写真/志賀由佳)

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