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2014関東大学春季大会 第4戦・慶應義塾大学戦

2014関東大学春季大会 第4戦・慶應義塾大学戦

2014/06/09

「2014関東大学春季大会 第4戦・対慶應義塾大学戦」
 
6月8日(日)・百草グラウンド
○帝京大学51-24慶應義塾大学●

《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒堀越(2)小川(一)⇒渋谷(3)深村⇒浅堀(4)金(嶺)(5)町野⇒小滝(6)飯野(7)亀井⇒河口(8)吉田
[BK]
(9)流⇒村瀬(10)朴(11)飯山(12)濱野⇒金村(13)永野(14)別所(15)宮崎⇒石垣
 
《慶應義塾大学》※先発のみ
[FW]
(1)青木(2)佐藤(3)吉田(4)小山田(5)白子(6)木原(7)鈴木(8)森川
[BK]
(9)宮澤(10)矢川(11)川原(12)廣瀬(13)名頭薗(14)吉迫(15)下川

【前半】【得点経過】
【4分】帝5-0慶
CTB永野のターンオーバーから前進。ラックからSH流-SO朴-CTB濱野-WTB飯山と展開して、飯山がトライ。
 
【14分】帝10-0慶
5mスクラムから、そのまま押し切り、No8吉田が押さえてスクラムトライ。
 
【25分】帝17-0慶
HO小川が前進。ラックからSH流-SO朴-CTB濱野-CTB永野と展開し、永野がトライ。ゴール成功。
 
 

 【後半】【得点経過】
【6分】帝22-0慶
SO朴が突破。ラックからSH流が仕掛けて抜け出し、そのままトライ。
 
【10分】帝22-5慶
ラインアウトからモールを押し込まれ、トライを奪われる。
 
【12分】帝27-5慶
連続攻撃からSO朴が前方へゴロキック。WTB別所が拾って、そのまま飛び込んでトライ。
 
【14分】帝32-5慶
FL飯野が前進。つかまるもこぼれ球をWTB別所が拾って、走り切ってトライ。
 
【16分】帝32-12慶
キックオフのこぼれ球を拾われ、そのまま走られ、トライを奪われる。
 
【19分】帝32-19慶
スクラムから前に出られ、走られて、トライを奪われる。
 
【22分】帝39-19慶
スクラムからFWで連続攻撃。最後はHO渋谷がトライ。ゴール成功。
 
【25分】帝44-19慶
ラインアウトのこぼれ球をFL河口が拾って、飛び込んでトライ。
 
【31分】帝51-19慶
スクラムからFL河口が前進。FL飯野につないで、飯野がトライ。ゴール成功。
 
【33分】帝51-24慶
ラインアウトから抜け出されて、トライを奪われる。
 
 

《  BRIEF REVIEW  》

久しぶりに百草グラウンドでの公式戦。春季大会第4戦の相手は、対抗戦のライバル、昨年度大学選手権ベスト4の慶應義塾大学。この日、帝京は秩父宮ラグビー場で行われる「ジャパンセブンズ」と日程が重なり、春季大会のメンバーには公式戦経験の少ない若手が多く選ばれた。開始4分にBK展開で幸先よく先制すると、14分にはFWがスクラムトライを奪ういい流れで進む。このまま得点を重ねるかに見えたが、断続的に降り続く雨によるミスや、相手の前に出るディフェンスなどでスコアは伸びない。だが、Aチーム初出場のNo8吉田やHO小川らが、力強い前進を見せる。WTB飯山、CTB永野、FB宮崎らもキレのある走りで前進する。守っても相手の攻撃をしっかり防ぎ、17-0で前半を折り返した。ハーフタイムに岩出監督から、相手のひたむきなタックルに敬意を表した上で「相手以上のひたむきさで泥臭くタックルに行こう」「意図したプレーでのミスは構わない。常に意図のあるプレーをしよう」とのアドバイスがあった。その後半は、前半とは打って変わってスコアが動く。雨の影響もあり、ミスからの失点はあるものの、帝京はWTB別所の連続トライなどで突き放す。途中出場のPR堀越、HO渋谷、SH村瀬、FB石垣らも好プレーを見せ、51-24で春季大会4連勝を飾った。
      
《  AFTER MATCH SAY  》
 
■岩出 雅之監督
「今日は『ジャパンセブンズ』と日程が重なり、『春季大会』も『ジャパンセブンズ』も両方しっかり戦おうということで、春季大会の方は経験の浅い、若い選手を多く起用することになりました。彼らのほとんどは、これまで、試合の中でのさまざまな状況判断を他の選手に任せて、自身はその判断に付いていく形でプレーすることが多かったように思います。しかし、今日のゲームでは、その判断を委ねるべき経験値の高い選手が少なかったため、自分自身で判断し、周囲を引っ張っていく役割を担う必要がありました。他の選手に頼らず、自身で判断し、さらに周囲を引っ張っていくためには、どうしてもある程度の経験が必要になります。多くの選手がそうした経験を積むことができた点が、今日の最大の収穫だったと思います。また、この日は『ジャパンセブンズ』においても、大学、トップリーグの強豪を相手に準優勝という結果を得ることができました。出場した選手たちにとっては、たいへん大きな自信になることと思います。学生たちには、この日の経験と自信をさらなる成長へとつなげていってほしいと思っています。」
 
■Aチーム初出場ながら落ち着いたプレーを見せた・HO 小川 一真(3年)
「最初のラインアウトを2本、しっかり安定させることができて、今日はそこが自分としては大きかったです。いつもセットプレーの安定を心掛けて試合に臨んでいるので、安定したボールをBKに供給できてよかったと思います。自分の強みはフィールドプレーでの運動量とランニングなので、そこをもう少し見せたかったのですが、慣れていないこともあって、少しバテてしまった部分がありました。今後も、同期の坂手に追いつけ追い越せの気持ちをもって、HOとして高い技術を身に付けられるように頑張ります。」
 
■軽快な走りでカウンターアタックを仕掛けた・FB 宮崎 詠基(3年)
「ゲームの入りの部分ではいいテンポでボールも出ていてよかったのですが、後半になると自分の判断の部分が甘くなったり、裏のスペースを見ることができなくなったりしてしまいました。カウンターアタックは今週、チームでテーマとして取り組んだことだったので、試合前からスペースがあったら思い切り行こうと決めていました。いいカウンターアタックができてよかったです。前半の入りのところで、自分の強みであるランを出せたのはよかったのですが、前半の終盤、あるいは後半の入りのところで、積極的に走ることができなかったので、そこは反省点です。今日の試合で見つかった課題を修正して、Aチームに定着できるように頑張りたいです。」
 
■短時間ながら軽快な球さばきでゲームをコントロール・SH 村瀬 謙介(2年)
 
「事前に出場はラスト10分ぐらいだろうと伝えられていたので、その時間で自分のできることをしっかりやろうと思って臨みました。入った時、SOの朴さんと『ここからエンジンをかけ直そう』という話をして、またFWにも『帝京のスタンダードを下げずに、ここからもう一度エンジンをかけて行こう』と話しました。今日は自分の『思い切りのよさ』を買われての出場だったと思っていますが、10分間だけだったので、思い切りのよさが出せたかどうかは自分ではよくわかりません。ただ、ディフェンスにはよく行けたと思います。今後もAチームに入っていけるように、今日見えた自分の課題を克服しながら、思い切りのよさをもっともっと伸ばして、打倒トップリーグに向けて頑張っていきたいと思います。」
 
《  PICK UP PLAYERS  》
 
「大型」新人が大器の片鱗を見せた
No8 吉田 杏(1年)
YOSHIDA KYO
1995年6月30日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
身長188cm/102kg
大阪桐蔭高校出身
 
■公式戦初出場でしたが、ゲームを振り返って感想を聞かせてください。
「ケガが治っていきなりAチームでの試合だったのですが、とにかくタックルを頑張ること、体を張ったプレーをすることを心掛けて臨みました。自分としてはまだまだでしたが、またAチームとして出場できるように頑張りたいです。」
 
■自身の強みはどんなところでしょうか。
「突破力です。その突破力を生かしつつ、ディフェンスも強化したいと思っています。」
 
■その突破の部分では、今日は手応えを感じられるゲームだったのではないでしょうか。
「まだまだ自分としては、できていなかったと思っています。もっと質を高めて、ボールをもらったら常に突破できるように頑張っていきたいです。」
 
■帝京大学に進もうと思った理由を教えてください。
「高校では花園で負けてしまいましたので、負けないように、一番強いチームに入りたいと思いました。」
 
■実際に入ってみて、どう感じましたか。
「当然ですが、自分よりすごい人がたくさんいますので、自分も負けないように頑張ろうという気持ちになりました。」
 
■今後への意気込みをお願いします。
「今日の試合で自分の課題がいろいろ見つかったので、そこを修正して、Aチームに入れるように、また一から頑張っていきたいと思います。」
 
 
188cm、102kgという大きなサイズでぐいぐいと前に出るのが魅力のNo8。この日もボールキャリアとして何度も力強い前進を見せた。まだ粗削りながら、大器の片鱗は十分に見せてくれた。岩出監督も「まだまだこれからですが、今後の成長が楽しみな選手の一人であることは間違いありません。」と成長への期待を寄せる。特にスピードとスタミナ面での評価は高いようだ。ケガでのリハビリが続いていたが、いきなりAチームに抜擢され、高いレベルでの経験を積めたことは大きい。どこまで力強く成長するか。目が離せない存在である。


《  COLUMN  》
 
――最大の収穫は「自分で判断する」という経験を積めたこと――
 
この日は、百草グラウンドでの「春季大会」と秩父宮ラグビー場での「ジャパンセブンズ」の日程が重なり、両方ともしっかりと戦うためには、どうしても戦力を分散せざるを得ませんでした。
 
先週の豊田自動織機戦のメンバーと比較しますと、PR森川、FL服部、FL杉永、SO松田、WTB尾崎、SH伊藤、WTB磯田、CTB森谷の8人が「ジャパンセブンズ」に参加しています。さらにケガ人も複数いたため、先週と今週とともにスターティングメンバーで出場した選手は、PR深村、LO金、LO町野、SH流の4人だけです。
 
メンバーに選ばれた選手たちにとっては、いろいろな意味で絶好のチャンスです。
 
「いろいろな意味で」と書きましたが、その中にはもちろん、いいプレーをしてチームにアピールするということもあります。しかし、それ以上に、自分自身が成長するための絶好のチャンスでもありました。
 
岩出監督はこう語ります。
 
「今日のメンバーは、判断力という部分でこれまで他人に頼っていた部分が多かった選手たちがたくさんいます。判断力に優れた選手に判断の部分を任せれば、自分はそれに付いていくだけでいいプレーができます。しかし、今日はその判断力に優れた選手が少なかったため、各自が自分自身で判断して動き、また周囲を動かす必要がありました。そうした経験を積めたことが最大の収穫です。」
 
しっかりとした判断をして、明確な意図を持ったプレーができるか。おおげさにいうと、これまではその判断を自分でやらなくても誰かがやってくれて、いい結果が出ていたことでしょう。しかし、それではいつまで経っても他人の判断に身を委ね続けることになってしまいます。
 
他人の判断に乗っかることでいい結果が出てしまうと、あえて危険を冒してまで自分の判断で動こうとはしなくなってしまいます。しかし、それでは、自身の判断力は身に付きません。社会に出た時にも「指示待ち族」になってしまいかねないでしょう。
 
岩出監督はこうもおっしゃいました。
 
「明確な意図を持ってやったプレーでのミスは構わない。でも、考えずになんとなくプレーしてはいけない。」
 
自身で判断したプレーでのミスは構わないが、意図のないプレーをしてしまうことだけは戒めようということです。
 
この試合、多くの選手が自分自身での判断を強いられました。この日はBチームで出場した、WTB津岡、FL武者、SH千葉ら1年生や、また4年生SH塚本らの“経験者”は積極的な動きを見せてくれたように感じました。またAチームではFL飯野が昨年度の経験を生かした、幅の広い動きを見せてくれた印象です。
 
それらの経験を次の試合でも、その次の試合でも生かしていくことで、一人一人が大きく成長していくことでしょう。今日のメンバーたちが、次戦以降でどんなプレーを見せてくれるかに注目しましょう。
 
 
 
 
《  THE NEW FACE 》
 
ニューフェースたちの声を紹介します。
 
PR 平井 将太郎(1年)
長崎南山高校出身
身長185cm/体重123㎏
「ボールを持ったキャリープレーが得意で、自分がボールを持ったときには絶対に前に出るとか、相手を弾き飛ばすようなプレーをしようと常に心掛けています。今後はセットプレー、特にPRとしてのスクラムの安定の部分を伸ばしていきたいと思っています。自分はケガで、本格的な練習はまだできていないのですが、私生活やリハビリの部分で先輩方からのサポートがすばらしく、いろいろな仕事を率先してやっている先輩方についていくことで、自分も成長できていると思います。まずは体作りをしっかりやって、早く上のチームでプレーできるように、今できることを精いっぱいやっていきたいと思います。」
 
CTB 矢富 洋則(1年)
仙台育英高校出身
身長181cm/体重89㎏
「自分の強みはステップワークとボールを持ったときのランニングです。そこを伸ばしていきたいと思っています。入学してみて、皆先輩方は、体も大きいですし、練習もハードなので、ついていくのも必死な状態ですが、入学してから体重は5、6kg増えました。帝京の先輩方はすごくやさしく、ラグビーを一から教えてくださいます。先輩後輩の上下関係もとてもいい関係で、本当に来てよかったと思います。自分は一年生から公式戦に出ることを目標にしているのですが、出た試合ではしっかり活躍して、大学選手権でメンバーに入れるように頑張ります。」
 
《  NEXT MATCH  》
 
第4回茨城県ラグビーフェスティバル
対明治大学戦(http://www.meijirugby.jp/
6月15日(日)・ケーズデンキスタジアム水戸
14時キックオフ
 

(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

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