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第4回茨城県ラグビーフェスティバル 明治大学戦

第4回茨城県ラグビーフェスティバル 明治大学戦

2014/06/17

6月15日(日)・ケーズデンキスタジアム水戸
○帝京大学53-12明治大学●



《帝京大学》
[FW]
(1)森川⇒岩永(2)坂手(3)深村⇒東恩納(4)金(5)町野⇒小川(6)イラウア
(7)杉永⇒飯野(8)吉田⇒徳永
[BK]
(9)流⇒伊藤(10)松田(11)磯田(12)森谷(13)石垣⇒金田(14)尾崎(15)
重⇒前原


《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)勝木(2)中村(3)松波(4)東(5)南(6)上田(7)田中(8)山下
[BK]
(9)三股(10)田村(11)齊藤(12)水野(13)尾又(14)成田(15)林


【前半】【得点経過】
【2分】帝5-0明
相手のノックオンしたボールを拾ってつなぐ。最後はWTB磯田が抜け出してトライ。

【10分】帝10-0明
相手のペナルティからNo8吉田がクイック・リスタート。ラックになるも、SH流-CTB
森谷と渡り、森谷が抜け出してトライ。

【15分】帝17-0明
FWで連続攻撃の後、BKへ展開。ラックからSH流-FB重-WTB尾崎と渡り、尾崎がトラ
イ。ゴール成功。

【19分】帝22-0明
ラインアウトからFLイラウアが前進。HO坂手につないで坂手がトライ。

【30分】帝29-0明
カウンターアタックから連続攻撃。ラックからSH流-SO松田-WTB磯田と渡って、磯
田がトライ。ゴール成功。
 

 【後半】【得点経過】
【0分】帝34-0明
カウンターアタックからBKでつなぐ。CTB石垣が自陣から走って抜け出し、そのまま
走り切ってトライ。

【4分】帝34-7明
スクラムから展開され、抜かれて、トライを奪われる。

【7分】帝39-7明
ラインアウトからモールを作り、押し込む。そのまま押し切って、FL飯野がトライ。

【18分】帝39-12明
ラインアウトからFWで攻められ、トライを奪われる。

【37分】帝46-12明
WTB尾崎が前進。ラックからSH流-SO松田と渡り、松田が抜け出し、そのままトラ
イ。ゴール成功。

【43分】帝53-12明
インターセプトしたボールをつないで前進。最後はWTB磯田が抜け出して、トライ。
ゴール成功。
 

《  BRIEF REVIEW  》

この日は、茨城県ラグビーフェスティバルとして招待されたゲーム。対戦相手は今季、早稲田、筑波等に勝利するなど
ここまで無敗の明治大学。試合は開始直後から帝京ペース。攻めてはWTB磯田らが大き
く前進。守っても、FB重がナイスタックルからターンオーバーするなど、攻守ともに
いい流れで進む。FWのセットプレーも安定。FW、BKのバランスのよい攻撃、全員で守
る組織的なディフェンスで前半を29-0で折り返す。後半は、この日が初先発のCTB石
垣が自陣から走り切るノーホイッスル・トライで始まった。その後、暑さもあり、や
や集中力を欠く時間帯もあるものの、ゲームの流れはほぼ帝京が支配する。途中出場
組も活躍。HO小川はセットプレーの安定感を維持し、SH伊藤は素早い球さばきで、
ゲームのテンポを崩さない。失点しても、相手に流れを奪われることなくゲームを運
び、53-12で勝利した。なお、この試合に先立って行われたBチームの試合も64-26
で勝利した。


《  AFTER MATCH SAY  》

■岩出雅之監督
「まずは、A、B、両チームともご招待いただいた茨城県ラグビーフットボール協会の
方々、関係者の方々に感謝申し上げます。春はこの試合を含めて、あと2試合という
ことで、春のまとめとして、最後の最後まで集中力を切らさないことを期待して送り
出しました。頑張った選手もいましたし、まだまだ成長が必要な選手もいました。成
長が必要な選手にとっては、今日のゲームで得た苦い経験もまた成長の糧となります
ので、この経験を生かして、一歩一歩、成長していってほしいと思います。」
 
 
■キャプテン・SH流大(4年)

「今日は、自分たちがやろうとしていたことができた場面もたくさんあったのです
が、ペナルティやディシプリンのところで少し熱くなりすぎて、自分をコントロール
できなかったメンバーが何人かいました。そこはきちんと修正して、その熱くなるエ
ネルギーをプレーに向けていけるようにしなければいけないと強く感じました。試合
内容に関しては、前半はいい形で進められていたのですが、それを後半、続けること
ができなかったのと、トライを2本取られてしまったところは修正点だと思うので、
トータルとしてはまだまだだったと思います。春シーズンは残り1戦ですが、今日出
た課題を修正して、しっかり戦いたいと思います。」

■スクラムをしっかり安定させ、自信を得た・PR深村亮太(3年)

「今日は今までで一番いいスクラムが組めました。自分たちからしっかりとプレッ
シャーをかけることができました。スクラムは試合を経るごとにどんどんよくなって
いるので、これからももっとよくなるようにしていきたいです。ただ、アタックの面
では参加しなければいけないところで参加できていなかったり、サポートがよくない
ところがあったので、そこは直していきたいと思います。今日に満足せず、もっとい
いスクラムが組めるように、そしてアタックの面でもディフェンスの面でも、今日出
た課題を修正して、さらにいいプレーができるように頑張りたいと思います。」

■終始落ち着いてゲームをコントロールした・SO松田力也(2年)

「今日はFWがしっかり前に出てくれたので、その分、BKでもトライが取れたと思いま
す。試合運びとしては、前半はすごくよかったのですが、後半、相手にスペースを突
かれる部分があったので、そこは修正だと思います。あと、個人的にはゴールキック
で課題が出てしまいました。今後、競っているゲームではゴールキックの2点が大き
な意味を持ってくると思うので、ポストの真ん中を通過するように、もっと意識し
て、集中して蹴らなければと思いました。目標とするトップリーグにはまだまだ届い
ていないと思うので、まずはこの春シーズンで自分のレベルをどれだけ上げられるか
に重点を置いてやっていきたいと思いますし、そして、もっとSOとしてコミュニケー
ションやゲームコントロール、キックなどを磨いていきたいと思います。」

■CTBのポジションにも慣れ、プレーの幅が広がった・CTB金田瑛司(3年)

「後半途中から入ることになったのですが、入るときの帝京の流れがあまりよくな
かったので、厳しいプレーで流れを変えようと思って入りました。ただ、最初のボー
ルキャリーのところでミスしてしまい、イメージどおりのプレーができなかったのは
反省点です。暑さはたしかにありましたが、それは相手もイコール・コンディション
なので、特に気にはしませんでした。SOでもCTBでも、どちらのポジションでも自分
の役割を明確にして、それをやり切って、チームに貢献したいです。また、トップ
リーグを倒すというのが今シーズンの目標なので、その高い基準で取り組み続けたい
と思います。」

《  PICK UP PLAYERS  》

「強さ」と「スピード」をバランスよく持つ突破型CTB
CTB 石垣 航平(3年)


ISHIGAKI KOHEI

1993年6月25日生まれ
教育学部教育文化学科
身長184cm/体重106kg
宮古高校出身

■Aチーム初先発でしたが、今日のゲームの感想を聞かせてください。
「今日は自分の持ち味である縦への力強いアタックを出そうと思って臨みました。で
すが、ディフェンス、アタックともに課題が見つかりました。これからその課題を
しっかり修正して、Aチームに定着できるように頑張っていきたいです。」

■課題というのは、具体的にはどんなところでしょうか。
「ディフェンスではタックルや周りとのコミュニケーション、アタックでは縦への力
強い前進があまり出なかったところです。いい経験をさせていただいたので、しっか
り修正していきたいです。」

■後半の入りのところでのトライは、とてもいいプレーだったと思います。自信になったのではないでしょうか。
「ありがとうございます。あそこは思い切って行こうと思ったので、自分でもいいプ
レーができたと思っています。出場時間を通して、ああいった気持ちでプレーできれ
ばよかったのですが、いろいろ考えてしまって、思い切ったプレーができなくなって
しまったのは悔しいです。」

■今日、先発で出場したのは、どんなところを期待されたと考えていますか。
「自分の強みである力強いアタックの部分を期待されたと思っています。また、これ
まで課題と言われていたディフェンス面でもいいプレーをしたかったのです
が、今日は自分としては納得できていません。」
 
■普段の練習で一番力を入れて取り組んでいることは何でしょうか。
「やはりディフェンスです。タックル、周囲とのコミュニケーションを意識していま
す。」

■今後への意気込みをお願いします。
「今日、課題が見えたことに関してしっかり取り組んで、自分たちが目指しているも
のに向かって、日々、積み重ねを続けて、今後もAチームで出られるように、また上
級生としてもっともっと周りを引っ張っていけるようなリーダーシップのある存在に
なっていきたいと思います。」


184cm・106kgというFW並の体格でぐいぐいと前に出るパワフルなCTB。同時にスピー
ドとスタミナも併せ持つ。特に、この大きな体から繰り出すスピードは魅力。この日
の後半開始直後、自陣から抜け出し、そのまま走り切った走力は、今後への大きな可
能性を感じさせてくれた。自身はディフェンス面での課題を口にするが、今日の貴重
な経験によって一歩ずつ成長してくれることだろう。3年生として、リーダーシップ
への意識も強い。より高いレベルでの経験を積むことで、今日出た課題も修正できて
いくに違いない。

《  COLUMN  》

――ハーフ団の取り組み――

SH、SOのハーフ団は、ゲームをコントロールする「司令塔」の役割を担っています。
パス、キックの選択、そして時には自ら仕掛けて、走ります。

そんなハーフ団が、今、取り組んでいることは何なのでしょうか。

SO松田はこう言います。

「ハーフ団ではどうゲームコントロールをしていくかについて常に考えて、普段の練
習に取り組んでいます。特にBKのコントロールは自分の役割だと思っているので、SH
とコミュニケーションを取って、僕たちがゲームをしっかり作っていこうといつも話
し合っています。」

また、SH流はこう語ってくれました。

「FWがセットプレーやフェイズを重ねていくことで消耗しますので、自分たちがゲーム
コントロールしてFWを助けていかなければなりません。FWの体力を考えて、BK
がそこで貢献したいと考え、意識してやっています。今は特にどちらかを多く使うと
いうことはなく、FW一辺倒、BK一辺倒にならないようにバランスを考えて、あいてい
るところを見つけてアタックするようにしています。他に意識しているのは、エリア
コントロール、時間のコントロールですね。これも広い意味でのゲームコントロール
に入るかもしれません。」

パスやキックといった個人の技術的な練習はもちろんですが、ハーフ団にとって最も
大事なスキルは、やはり「ゲームコントロール」だと言います。では、ゲームコント
ロールとは具体的にはどんなことをするのでしょうか。

SO金田はこう説明してくれました。

「キック、パス、ランといったプレー選択の判断という部分もありますし、それ以外
に、例えばFWに行ってほしいところで行ってもらうとか、逆にFWが行かずにBKにボー
ルを出したいときには、それをFWにしっかり伝えてボールを動かします。運びたいと
ころにボールを運ぶためにはFWがいてくれないとできないので、それをうまく伝達す
るということですね。それを素早く、瞬時に判断してやらなければなりません。伝達
は、基本的にすべてしっかりとした言葉で伝えます。」

重要なのは「選択」と「伝達」ということになるようです。

特に「伝達」はプレー中に言葉でやらなければなりません。これについて、松田はこ
う言います。

「僕と流さんに関して言えば、寮で同部屋だというのは大きいように思います。よく
一緒に試合や練習のVTRを見て、お互いに意見を言い合っています。」

流は、「ゲームコントロールについて、(松田)力也とVTRを見て意見交換したこと
を、BKミーティングなどで共有しています。試合中も(CTBに入ることが多い)森谷
や金田らからもゲームコントロールに関するコールが出ます」と言います。

常に各自が考え、それを仲間と共有して、よりよいものに高めていく。そんな好循環
がハーフ団だけでなく、BK全体で生まれているようです。

岩出監督はハーフ団に対して、こんな期待を語ります。

「流は日本代表を目指していますから、学生レベルに留まらず、それに見合う基準を
チームの中に落とし込んでほしいと思っています。松田もまた、そういう未来を目指
しているのですから、流についていってほしいです。それがさらにチーム全体に影響
して、全体のスタンダードが上がっていってくれたらいいですね。そういう意味で、
彼らには、自身のプレーで見せて、それを見たみんなが自分の頭で考えていくための
牽引役になってほしいと思っています。」

まずは、流キャプテンが日本代表のレベルをチームに落とし込み、松田がそれについ
ていき、さらにみんながついていく。こうなることによって、全体の基準が高くな
り、一見すると高いレベルに見えることが、全員にとって当たり前になっていきま
す。

ハーフ団のゲームコントロールは、実は「チームコントロール」にもつながってい
く、とても重要な働きを担っているようです。
 
先日のジャパンセブンズでそうであったように、
今年のバックスはポジションに関係なく、互いに相乗効果を生み出すシナジー面でも可能性を秘めます。
流、松田、金田、森谷らコントロールタワーが、
自由自在にアウトサイドCTB&バックスリーを操ってくれることでしょう。
 
 


《  THE NEW FACE 》

ニューフェースたちの声を紹介します。

PR 依藤尚之介(1年)
常翔学園高校出身
身長180cm/体重117kg
「僕はアタックでボールを持って前に運ぶプレーが得意です。課題はスクラムだと
思っていて、今はスクラムを強化すべく、練習に取り組んでいます。高校時代、
できなかった全国優勝を大学で成し遂げたいという夢を持って入りました。
実際、とてもいい環境で、先輩方もわからないことがあってもやさし
く教えてくださいます。早く上のチームで試合に出て活躍できるように、まずは自分
の課題であるスクラムをしっかり組んで、頑張っていきます。」


《  NEXT MATCH  》

関東大学春季大会
第5戦・早稲田大学戦(http://www.wasedarugby.com/
6月22日(日)・ニッパツ三ツ沢球技場
14時キックオフ
 

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