REPORT

レポート

トップ
   
レポート
   
関東大学対抗戦A 明治大学戦

関東大学対抗戦A 明治大学戦

2014/11/18

11月16日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(6勝0敗)31-6明治大学(5勝1敗)●

《帝京大学》
[FW]
(1)森川(2)坂手⇒徳永(3)東恩納⇒深村(4)金(嶺)⇒町野⇒姫野(5)小瀧
(6)イラウア(7)亀井(8)河口⇒飯野
[BK]
(9)流⇒荒井(10)松田(11)磯田(12)森谷(13)前原(14)尾崎(15)重⇒濱


《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)勝木(2)中村(3)須藤(4)東(5)寺田(6)上田(7)桶谷(8)松橋
[BK]
(9)加納(10)田村(11)梶村(12)水野(13)尾又(14)成田(15)村井


【前半】【得点経過】
【3分】帝0-3明
PGを決められる。

【13分】帝7-3明
ラインアウトからFWで前進。No8河口、PR森川、HO坂手が前進し、最後はFLイラウア
がトライ。ゴール成功。

【22分】帝7-6明
PGを決められる。

【26分】帝12-6明
ラインアウトからモールを形成。押し切って、HO坂手がトライ。

【32分】帝19-6明
ラックで、FLイラウア、No8河口がうまくからんでターンオーバー。SH流が右前方へ
ゴロ・キック。WTB尾崎が追いかけ、ギリギリで追いついてトライ。ゴール成功。

【37分】帝24-6明
ラインアウトからモールを押し込む。LO金が飛び込んでトライ。


【後半】【得点経過】
【20分】帝31-6明
自陣からFW、BKでつなぐ。WTB磯田が大きく前進。さらに、CTB前原、FBに回った森谷
が前進。ラックになるも、SH流-No8飯野と渡り、飯野が抜け出してトライ。ゴール
成功。

《BRIEF REVIEW》
対抗戦第6戦の相手は、帝京とともにここまで対抗戦全勝の明治大学。開始3分、PGを
決められ、先制されるが、選手たちに慌てる様子はまったく見られない。13分に逆転
すると、その後の攻められる時間帯も、FW陣の奮闘はもちろん、CTB森谷、WTB尾崎、
SO松田らBK陣も厳しいディフェンスを見せ、相手の前進を許さない。攻撃では、相手
の素早い出足にやや攻めあぐねる場面もあったものの、取るべきところではきっちりと取り切
り、得点を重ね、前半を24-6で折り返す。
後半はお互いに厳しいディフェンスのぶつかり合いで、なかなか得点が動かないが、
20分には帝京が自陣からの連続攻撃で得点。
その後も途中出場のCTB濱野やLO姫野らの好タックルもあり、31-6でノーサイ
ド。相手をノートライに抑え、対抗戦6連勝を飾った。なお、この勝利により、残り1
戦を待たずに帝京の対抗戦1位が決まった(対抗戦は勝敗数が同じ場合、同順位とな
る)。


《AFTER MATCH SAY》

■岩出雅之監督
「今日は対抗戦の全勝対決という大切な試合で、選手たちも気合が入っていたと思い
ますし、また、明治大学さんも気合を入れて臨まれたことと思います。そういう状況
でしたが、帝京大学としては、ここでベストを出し切るとともに、ボールの動かし
方、ディフェンスの精度などで、さらに進化していけるゲームにしたいと考えていま
した。新しく始めたこともありますし、これまでの要素での大切な部分も残しなが
ら、それらをミックスした中でどれだけのパフォーマンスができるか、期待した部分
も多くありました。まだまだできていないこともたくさんありましたので、今日出た
課題がこれからの練習に活かされれば、次に明治大学さんと対戦するときには、もっ
と厳しいラグビーで向かって行けるのではないかと思っています。その課題とは具体
的には、ボールを動かす部分とディフェンスのコントロールの部分だったのですが、
前半、後半を通して、少しストラクチャーが崩れてしまって、強引に持っていこうと
したところがありました。選手たちには、新しいことも少しずつ消化していっても
らって、また次の慶應大学戦に全力をぶつけていってほしいと思います。」

■キャプテン・SH流大(4年)
「今日はまず、明治大学さんに対して、ペース配分など考えずに、試合開始から全力
を出し切ろうと言って臨みました。新しくやろうとしていることと、今までやってき
たこととのミックスの部分で、明治大学さんのプレッシャーもあり、少し噛みあわな
いところもありました。それは今後の反省材料としていきますが、ゲームを通して進
化、成長できることもたくさんあると思うので、しっかり修正して、次の慶應大学さ
んとの試合に向かって行きたいと思います。」


■最後まで激しいプレーをやり続けた・PR森川由起乙(4年・ゲームMVP)
「今日はやってきたことへのチャレンジ、そして気迫の部分で明治大学さんに負けな
いことをテーマに、試合に臨みました。ただ、自分たちでミスをしてしまうことで、
だんだん受け身になってしまって、チャレンジする気持ちを忘れてしまったところが
ありました。そのチャレンジし続ける気持ちが途切れかかったところで、さらにミス
が出てしまいました。後半、ゲームが動かなくなった原因は、そこにあったと思いま
す。前半、ゲームがあまり動かなかった中でもセットプレーから得点できたことで、
後半、かえって守りに入ってしまったところもありました。リスクの少ないプレーを
選択しがちになり、ブレイクダウンでターン
オーバーされるシーンが増えたように思います。まずは次の慶應大学戦に向けて、こ
の2週間を大事にして、今日出た課題を反省して成長につなげることと、新しいこと
にチャレンジする気持ちを一人一人がさらに高めていくことで、対抗戦の締めくくり
のゲームにいい形で臨みたいと思います。」


■地味なプレーにも体を張った・FLマルジーン・イラウア(3年)
「今日はいい試合だったと思いますが、個人的には小さなミスもたくさんありました。細かい部
分をもっと強化していかなければと感じました。ここ1、2週間、新しいことも取り入
れてきているのですが、まだそれが完璧になっていないので、そこをもっと練習して
いかなければと思っています。まだ発展途上なので、もっと練習して、自分たちのも
のにしていきたいです。自分としては、今日は、後半のボールキャリーの部分でいい
プレーができたと思っています。次に向けて、たくさんある自分のウィークポイン
ト、例えばボールを両手でしっかり持つこととか、うまくボールコントロールすると
いったところを改善して、いい準備ができるように練習していきたいと思います。」


■新たなチャレンジを前向きにとらえる・CTB前原巧(4年)
「今日はチームのためにやるべきことを全力でやろうと心掛けて試合に臨みました。
その中でも、タックル、体を張る部分で逃げずにやると心に決めていました。ミスも
ありましたが、フラストレーションをためずに、修正していって、また次につながる
ようにコミュニケーションして、ゲームを進めていけたと思います。アタックでは新
しいことへのチャレンジもあり、ミスが出てしまいましたが、ディフェンスでは一人
一人がしっかりとタックルに行こうと言っていたので、そこはみんな、徹底してでき
ていたと思います。後半、得点は伸びませんでしたが、新しいチャレンジの部分での
ミスについては前向きに捉えていいと思いますし、ミスの原因をしっかりコミュニ
ケーションして修正していこうと言っていたので、焦りなどはありませんでした。次
戦も、支えてくださっている方々、応援してくださっている方々にいいプレーをお見
せできるように、フィールドで体を張り続け、全力でプレーしたいと思います。」


《PICK UP PLAYERS》

痛い仕事を坦々とやり続ける仕事人
FL 亀井亮依(2年)
RYOI KAMEI


1994年10月8日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
常翔啓光学園高校出身
身長178cm/体重97kg

■対抗戦は久しぶりの先発でしたが、試合前はどんなことを考えていたのでしょうか。
「今日は、シーズンを通して課題としているタックルの精度の部分を出し切ろうと
思って、試合に臨みました。」

■実際にプレーしてみて、どうでしたか。
「タックルコースをしっかり追うことはできたと思うのですが、タックルするバイン
ドであったり、倒し切る部分がまだまだ甘かったと感じています。」

■80分間、フルタイムでプレーして、体力面はどうでしたか。
「80分間、ブレイクダウンの痛い部分で戦い続けることが自分の仕事ですし、セールス
ポイントでもあると思っているので、体力面はまったく問題ありません。フルタイム
で出させていただいて、いい経験をさせていただいていると感じています。」

■今日は、自身のプレーでは特にどんなところがよかったと思いますか。
「ブレイクダウンでの粘りでしょうか。粘って粘って、相手のテンポを少しでも遅ら
せることができたかなと思っています。あまり目立たない裏の仕事ですけど(笑)、
そこをしっかりと意識できました。」

■ここ最近、その裏方的な仕事への自信も感じられます。
「はい。少しずつですが、自信もついてきました。」

■明治大学はFWが強いというイメージがありますが、FW勝負の意識はありましたか。
「やはり、明治大学さんは前へ前へと出てくると勢いが出ますから、FWとしては、相
手を前に出させないことは意識してやりました。特に近場のディフェンスに関しては
よかったと思います。」

■次戦以降に向けて、意気込みをお願いします。
「対抗戦を通しての課題であるタックルの精度、FLとしてタックルは必須なので、と
にかくいいタックルをして、さらにそれにプラスして次のアクション、ジャッカルと
か、ボールを超えてのターンオーバーとか、その精度もしっかりと上げていきたいと
思います。」


こっちでタックルしたと思ったら、次の瞬間にはあっちのラックに頭を差し込んでい
る。もちろん、ボールを持っての前進もあるが、FLとしてそれ以上に光るのは、そん
な地味なプレーをし続けているときだ。運動量と痛いプレーへの積極性は天性の部分
もあろうが、やはり本人の意識と努力の賜物でもある。杉永、イラウアら好プレー
ヤーが揃うFL陣だが、この試合では、ケガで控えに回った杉永の穴をしっかりと埋め
るプレーをしていた。本人が言うように、タックルのバインドのところではずされて
しまう場面もあったが、そこはこれからの成長課題として期待したい。誰もが信頼す
るタックラーへと成長したとき、帝京ラグビーもまた大きな成長を遂げているに違い
ない。


《COLUMN》

――精神面での成長がチームをさらに強くする――

この日のゲームは、対抗戦の全勝対決ということもあり、両チームともに気持ちの
入った好ゲームとなりました。伝統的なFWの強さに加え、BKの動きもすばらしい明治
大学に対し、帝京も「ペース配分など考えずに、試合開始から全力を出し切ろう」
(流キャプテン)と言って臨みました。

この「ペース配分など考えずに、試合開始から全力で出し切る」という気持ちは、特
にFWに関して言っていたようです。実は、この日のリザーブメンバーの起用法に、そ
の思いはすでに表れていました。8人のリザーブメンバー中、6人がFWだったのです。
これは岩出監督からの「スタミナ切れを起こしても、入替メンバーはたくさんいるの
で、FWは最初から全力で戦ってほしい」というメッセージと読み取ることもできるで
しょう。

その思いに帝京FW陣は応えます。

前半からガツガツと体を当て、トライもゴール前のラインアウトからFWで3トライ
と、FW陣の奮闘ぶりは結果にも表れています。

後半はBKで崩してFWで取り切った1トライのみでしたが、それでも相手をノートライ
に抑えるなど、最後まできっちりと全員で仕事をやり遂げました。

バイスキャプテンの森川は、後半、やや停滞気味になった攻撃について、こんなふう
に分析しています。

「前半、セットプレー(ラインアウト)からFWで3本トライを取れたことで、守りに
入ってしまったというか、リスクの少ないプレーを選択しがちになり、そこでまたミ
スが出てしまいました。」

前半から全力で飛ばしてきた疲労が出たという見方もできますが、ディフェンスが大
きく崩れなかったことを考えると、どうやら攻めに対する気持ちの部分が少なからず
影響していたようです。

痛いプレー、苦しいプレーが多い分、ラグビーは気持ちの部分がプレーに大きく影響
するスポーツだと言われます。気持ちの部分でまだまだ成長できる余地があるという
ことは、チームももっともっと成長できる伸びしろがあるということでしょう。

春や夏のチームと比べれば、気持ちの部分で大きく成長しています。それでも、まだ
まだ成長の伸びしろがあるわけです。

ただ、この試合では岩出監督も選手たちも「新たなチャレンジを始めた」とも話して
います。

CTB前原はこう話します。

「後半、得点は伸びませんでしたが、新しいチャレンジの部分でのミスについては前
向きに捉えていいと思います。」

これも、気持ち、精神的なものが大きい証拠と言えます。現象だけを見てしまうと、
前半は24点取っていたのに、後半は7点ですから、「よくなかった」と捉えることも
できるでしょう。しかし、「新しいチャレンジ」をした部分については、すぐに結果
に結びつかなかったとしても、次への反省材料がわかった点は評価していいと考えて
いるわけです。

「点数が取れなかった」とくよくよしたり、「もっと点を取ろう」と焦ったりするこ
となく、「どうすれば修正できるか」「どうすれば成長できるか」にフォーカスして
いるのです。

この時期に、気持ちの面に加え、戦術面でも新たなチャレンジを始めた帝京ラグ
ビー。これからの1戦1戦でどんな成長を見せてくれるのでしょうか。とても楽しみで
す。


《THE NEW FACE》

ニューフェースたちの声を紹介します。

CTB・FB 保坂純平(1年)
保善高校出身
身長181cm/体重90kg
「キックとランニングが自分のアピールポイントです。どのポジションでも自分の最
高のパフォーマンスが出せるように、パスやキックのスキルをさらに高めたいと思っ
ています。今は体幹トレーニングに力を入れています。ボールを持ったときになかな
か倒れないプレーヤーになりたいですし、タックルも強い姿勢でできるようになりた
いと思って、毎日の体幹トレーニングに励んでいます。帝京大学ラグビー部は、練習
の雰囲気もとてもすばらしいですし、先輩方はみなやさしいので、コミュニケーショ
ンも円滑にできます。いろいろな部分でサポートしてくださるところもとても勉強に
なります。チームに貢献できるように、一つ一つのプレーを手を抜くことなくやって
いって、まずは体を強くして、Aチームに入れるように頑張ります。」

FL・LO 武者秀典
仙台育英学園高校出身
身長177cm/体重88kg
「自分の得意なプレーはディフェンスです。思い切りのよさ、激しさの部分を見ても
らいたいと思っています。課題としては、ハンドリングの精度を高めることと、ブレ
イクダウンの精度を高めることに取り組んでいます。帝京大学ラグビー部は、入る前
にイメージしていた以上に先輩方がフレンドリーで、とても生活しやすいです。た
だ、練習になるとそれが一変して、みな真剣そのものです。そんな中でも、自分の意
見が言いやすい環境で、チームも一つになっている感覚があります。とてもレベルの
高いチームですが、その中で自分がどれだけ結果が残せるかは自分次第だと思ってい
るので、プレーにおいても、生活面においても、自分に厳しく、積極的にしっかりと
したところを見せていきたいと思っています。」


《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A・第7戦
対慶應義塾大学戦(http://www.kurfc.com/
11月30日(日) 秩父宮ラグビー場
12時キックオフ

過去の対戦成績:関東大学対抗戦7勝8敗1分(大学選手権4勝0敗)
[慶應義塾大学の直近5戦]
 9月15日 ○68-3明治学院大学(関東大学対抗戦A)
 9月28日 ○38-7青山学院大学(関東大学対抗戦A)
10月11日 ○36-29筑波大学(関東大学対抗戦A)
10月19日 ○57-14立教大学(関東大学対抗戦A)
11月 2日 ●17-40明治大学(関東大学対抗戦A)

(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
 
 
 

特集一覧