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関東大学対抗戦A 明治大学戦

関東大学対抗戦A 明治大学戦

2016/11/21

11月20日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(6勝)42-15明治大学(5勝1敗)●
 
《帝京大学》
[FW]
(1)西⇒淺岡(2)堀越⇒竹井(3)垣本⇒平井(4)飯野⇒今村(5)姫野⇒金(嶺)(6)ロガヴァトゥ(7)亀井(8)マクカラン
[BK]
(9)小畑⇒末(10)松田(11)竹山(12)金村(13)重⇒本郷(14)吉田⇒元田(15)尾崎
 
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)久原(2)武井(3)板橋(4)尾上(5)古川(6)石井(7)井上(8)前田
[BK]
(9)兵頭(10)堀米(11)山村(12)梶村(13)尾又(14)渡部(15)森田
 
【前半】【得点経過】
【5分】帝7-0明
ペナルティでのクイック・リスタートから連続攻撃。ラックからSH小畑-CTB金村-SO松田と渡り、松田が前方にキック。追いかけたFB尾崎がうまくキャッチしてトライ。ゴール成功。
 
【13分】帝14-0明
相手ボールのラインアウトを奪って、連続攻撃。ラックからSH小畑-FLロガヴァトゥと渡り、ロガヴァトゥがトライ。ゴール成功
 
【28分】帝14-3明
PGを決められる。
 
【31分】帝21-3明
スクラムから連続攻撃。HO堀越、LO飯野らが前進。ラックからSH小畑-WTB竹山-WTB吉田と渡り、吉田がトライ。ゴール成功。
 
【39分】帝21-8明
ラインアウトから展開され、トライを奪われる。
 
 
【後半】【得点経過】
【0分】帝28-8明
キックオフから連続攻撃。LO姫野、FB尾崎が前進。ラックからSH小畑が持ち出し、キック。WTB竹山がキャッチしてトライ。ゴール成功。
 
【17分】帝35-8明
スクラムから連続攻撃。ラックからSH小畑-SO松田-FB尾崎と渡り、尾崎が抜け出してトライ。ゴール成功。
 
【40分】帝42-8明
キックチャージしたボールを拾って連続攻撃。ラックからSH末-PR垣本と渡り、垣本が抜け出してトライ。ゴール成功。
 
【45分】帝42-15明
フリーキックから攻められ、トライを奪われる。
 


 
《BRIEF REVIEW》
 
対抗戦第6戦の相手は明治大学。勝ったチームが対抗戦1位を決める、全勝対決となった。前半5分、FLロガヴァトゥらの前進でチャンスを作ると、前に出てくる相手ディフェンスの裏へSO松田がキック。追いかけたFB尾崎の前で弾んだボールを、尾崎がうまくキャッチし、先制トライを奪う。13分には相手ボールのラインアウトが乱れたところをターンオーバーして、攻撃。力強く抜け出したFLロガヴァトゥがトライ。攻め込まれる時間帯もあったが、CTB重、CTB金村らのタックルでビッグゲインは許さない。FW陣も密集で体をぶつけ続け、隙あらばターンオーバーを狙う。前半は21-8で折り返した。後半は開始早々に帝京が魅せる。キックオフのボールをLO飯野がうまくタップしてキープ。LO姫野の前進でゴール前まで進むと、SH小畑が絶妙なキック。WTB竹山がキャッチしてトライ。17分にはスクラムから連続攻撃を見せ、FB尾崎が抜け出してトライ。その後、攻守の入れ替えが激しくなる時間帯もあるが、40分には連続攻撃からPR垣本がトライ。42-15で帝京が勝利し、1試合を残して、対抗戦6年連続1位を決めた。
 


 
《POST MATCH INTERVIEW》

 ■岩出雅之監督
「前節、早稲田大学さんといい試合ができましたが、そこからさらに気持ちを入れ、油断せず、今日の試合に臨みました。まだまだ甘いところもありましたが、お互いにぶつかり合いの部分ではとても気合いの入った試合だったと思います。ブレイクダウンなどではもう少しスキルアップしてほしい部分もありますし、若い選手にもう少し経験を積ませてあげたいところもあるのですが、総合的にしっかりと成長させながら、少しずつ前進していきたいと思います。今日のゲームで対抗戦の1位を決めることができ、とてもうれしく思いますが、まだもう一試合ありますので、今日出た課題をしっかりと見つめ直して、次に向けて、もう一度、気持ちを引き締めていきたいと思います。いいゲームをして対抗戦を締めくくって、いい形で大学選手権に臨みたいと思います。最後になりましたが、明治大学の選手、スタッフ、関係者の皆様にお礼を申し上げるとともに、大学選手権での再戦を楽しみにしております。」
 

■キャプテン・FL亀井亮依(4年)
「今日は明治大学さんの縦と横とを上手に使ったアタックに対して、どんどん前に出てディフェンスしようと言って、試合に臨みました。外のアタックに対して、ゲインを許してしまうところがありましたし、自分たちのミスもあり、相手にチャンスを多く与えてしまい、自分たちのラグビーができない時間帯も多くありました。その中で、状況に応じた考え方やオプションの選択など、多くの課題が見つかった試合だったと思います。今日で対抗戦の1位が決まりましたが、まだもう一試合ありますし、次の筑波大学さんには去年、苦い思いをさせられていますので、去年の悔しさを知るメンバーが、この2週間、しっかりとチームを引き締めて、いい準備をしていきたいと思います。」

 
■力強いプレーで秩父宮初トライを決めた・FLジョセファ・ロガヴァトゥ(1年)
「今日の試合は全体としてはよかったと思いますが、自分自身は集中力を欠いたり、小さなミスが出てしまったところがありました。それが失点につながってしまったと思います。ですが、よかったところもたくさんありました。チームとしてはアタック面や攻守の切り替えのところがよかったです。自分のプレーとしては、ハードタックルがたくさんできましたし、力強く前に出て、トライをすることもできました。次の筑波大学さんとの試合では、今日出てしまったようなミスをなくすように、もっとレベルアップして試合に臨みたいと思います。

 
■久々の先発出場で体を張り続けた・CTB重一生(4年)
「久しぶりの先発で最初は緊張もありましたし、先発出場はやはり、この背番号を背負いたいと思っている部員がたくさんいる中で自分が選ばれたという責任感を感じていたので、前に行こうとする気持ちが強すぎて、それが空回りしてしまったところもありました。先発としては最初から相手にどんどん当たっていって、どれだけプレッシャーをかけられるかで試合終盤のプレー、途中出場で入ってくる人たちのやりやすさも変わってくるので、どんどん当たっていくことを意識しました。対抗戦の1位が決まったことはうれしいですが、まだ終わったわけではないので、次の試合でも、グラウンドに立つからには一分一秒も無駄にせず、体を張り続け、チームのために何ができるかを考えてプレーしたいと思います。」

 
■途中出場で気持ちの入った激しいプレーを見せた・LO今村陽良(2年)
「出場時間の短い中、自分の思っていたプレーができなかったことが悔しいです。後半から使ってもらう意味は、チームにインパクトを与えることだと思っていますが、今日はそのインパクトを与えることができませんでした。自分の持ち味はブレイクダウンやボールキャリーで激しく行くところなので、そこを期待されて使っていただいていると思っているのですが、今日は甘いところが出てしまいました。激しいだけではダメで、もっと正確さをもってやらなければと思っています。ただ、試合経験を積む中で、いろいろな面で積極的にはなれていると思います。最初にメンバーに入ったときには、自分の中で受け身になっているところがありましたが、先輩方がうまく引き出してくださって、今は自分からいろいろなプレーに絡めるようになりました。今は数少ないチャンスをいただいている身なので、一つ一つ結果を出して、次につなげていけるプレーヤーになっていきたいです。」

 
 
《PICK UP PLAYERS》
 激しさと冷静さを兼ね備えたもう一人の司令塔
 CTB 金村 良祐(4年)
KANEMURA RYOSUKE
 
 
1993年6月26日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
常翔啓光学園高校出身
身長177cm/体重87kg
 
 
■まずは、今日の試合を振り返ってください。
「今日は特にディフェンスを意識して臨みました。いい部分もあったのですが、抜かれるシーンやコミュニケーションがあいまいな部分があり、いいディフェンスができない場面もありました。次はそこを修正して臨みたいです。」
 
■アタック面ではどうでしたか。
「アタックでは、積極的にスペースを見つけて、そこへアタックしていくことを意識しました。いい場面もよくない場面もあったと思います。」
 
■CTBでの先発出場が続いていますが、プレー中、SOのようにSHから直接ボールをもらうシーンもよく見ます。インサイドCTBとSOは役割が近いとはいえ、簡単ではないと思いますが。
「去年、ジュニア戦ではずっとSOをやらせていただいていたので、そこで経験したことが、今、活きていると思います。」
 
■松田選手と、SOが二人いるかのようです。
「(松田)力也がタックルされたり、密集に巻き込まれたりしていないときは、自分がSOに入るという意識は常に持っていますし、そこは自分の役割だと思っています。」
 
■一転、激しく縦に入っていくプレーもあります。
「アタックでは自分の持ち味である、思い切って前に出るプレーを常に意識しているので、その意識のおかげで強いアタックができていると思います。アタックだけではなく、ディフェンスでももっとしっかり思い切って行きたいと思っています。」
 
■4年生として意識していることは、どのようなことでしょうか。
「常に4年生がまず一番に頑張ること。その一生懸命さで下級生を引っ張って行くこと。そして、それによって下級生がプレーしやすくなるようにということを意識しています。」
 
■では、次戦以降への意気込みをお願いします。
「対抗戦6連覇できたことは、素直にうれしいです。しかし、次の筑波大学さんには去年、敗れて悔しい思いをしているので、ここで満足せず、しっかりいい準備をして戦いたいと思います。」
 
 
アタックでもディフェンスでも、相手とのコンタクト機会が多いCTBというポジションで体を張り続け、アタックでは決定的なチャンスを生み出し、ディフェンスでは相手のチャンスの芽を摘む。そんな激しさの中、SO不在と見るや急いで駆けつけ、司令塔の役割も果たす。激しさと冷静さを兼ね備えた、非常に頼もしいプレーヤーに成長している。インタビュー中に時折見せる笑顔からも、自信と余裕を感じさせてくれる。4年生としての自覚も十分。本人は「ディフェンス面がまだまだ」と語るが、そこは伸びしろでもあり、毎年、この時期から急速に成長していく4年生は少なくない。今後のゲームでは、今以上に頼もしい姿を見せてくれるに違いない。
 


 
《COLUMN》
 ――ユーティリティ・プレイヤー――
  
「ユーティリティ・プレイヤー」という言葉があります。
 
「Utility」とは「実用的な」という意味ですが、他にも「種々の用途をもつ」「いろいろな用途に使える」という意味があり、スポーツにおいては「いろいろなポジションをこなせる」という意味になります。ラグビーでも、いろいろなポジションができる人を「ユーティリティ・プレイヤー」と呼びます。
 
 帝京にはこの「ユーティリティ・プレイヤー」がたくさんいます。というより、「意識的に『ユーティリティ・プレイヤー』を育てている」と言ってもいいかもしれません。
 
 ここ数試合、もともとFW第三列だった吉田がWTBをやっていることはご存じのとおりです。また、今回「ピックアップ・プレイヤーズ」に登場した金村は、SOとCTBをやっています。重は高校時代、FBとSHを兼任していましたが、大学ではCTBでの出場が多くなっています。SH小畑はもともとはSOでした。FB尾崎は昨季はWTBをやっていました。
 
 FW陣もLOとFL(あるいはNo8)を兼任するのはよくありますし、過去にはLOとHOを兼任した選手もいました。
 
 1年生のインタビューでも「高校時代は○○をやっていましたが、今は△△にチャレンジしています」と答える人が増えました。
 
 複数ポジションをこなす選手を増やす理由は、チームとしての幅を広げることはもちろんですが、それ以上に一人一人の可能性を広げるという意味合いが大きいと言えます。一つのポジションしかできない選手は、同じポジションに強力なライバルがいた場合、出場のチャンスはほとんどなくなってしまいます。複数ポジションができれば、その分だけ、出場のチャンスも広がるわけです。
 
 ただし、それだけではありません。おそらく最も重要なのは、「他のポジションの考え方がわかる」=「他の人の気持ちがわかる」ようになるということです。
 
 人は、たいてい自分の立場で物事を考え、自分の立場で意見を述べます。一つの立場しか知らない人は、その立場でしか考えられず、その立場からしか意見が言えません。しかし、複数の立場を知っていれば、「この立場ならこう考えるが、あっちの立場ならこう思うだろう」と、他人の思考にまで思いが至るようになります。
 
 この能力は、社会に出てからとても強い力を発揮することでしょう。仕事上での「ユーティリティ・プレイヤー」になれれば、企業や組織にとって大きな戦力となりますから、必ずや重用され、仕事上での自身の可能性も広がっていくことでしょう。
 
 また、立場と立場のぶつかり合いでは対立しか生まれませんが、お互いの立場を理解して話し合うことができれば、共通点や「落としどころ」を見つけられる可能性が高まります。ライバルだと思っていた人や組織と、一緒に大きなプロジェクトを立ち上げたり、大きなビジネスができたりするかもしれません。こうした力は、企業や組織の内外で必ず役に立つことでしょう。
 
選手たちには、ぜひ、社会に出ても「ユーティリティ・プレイヤー」でいてほしいと思います。
 
 


《THE NEW FACE》
 ニューフェースたちの声を紹介します。
 
WTB・FB 亀井康平(1年)
摂津高校出身
身長176cm/体重70kg
 
「自分のアピールポイントはタックルです。相手がボールを持った時点でタックルに入れるような、素早い出足で、いいタイミングで入れるタックルを意識しています。相手がボールを持ったときにはもうタックルに入っていて、一発で仕留められるようなタックルを心掛けています。スピードには自信があるので、タックルでもそのスピードを活かしていきたいです。課題としては、体が細いので、しっかりと体づくりをしていきたいと思っています。帝京大学ラグビー部は、高校時代、テレビなどで上級生の先輩方がいろいろと率先して行動してくださることは知っていましたが、テレビで見た以上に先輩方が動いてくださり、自分たちに余裕をつくってくださいます。今後はもっと体づくりに励んで、自分のタックルでチームが盛り上がる、そんなタックルをして、Aチームで試合に出て貢献したいです。」
 
 
LO・PR慎昌徳(1年)
東京朝鮮高級学校出身
身長185cm/体重105kg 
「自分は力強いキャリープレー、ランプレーを得意としています。前に出る力強さを見てほしいと思っています。課題はディフェンス、タックルがまだまだなので、意識して取り組んでいます。高校時代、何度かチームの練習に体験参加させていただいたのですが、先輩方がとても優しく教えてくださいました。実際に入ってみますと、自分がしっかりと努力をしないと上のチームには上がれないということがよくわかりました。自分の主体性、自主性が常に問われていると思います。今後は体を少しでも大きくして、試合で体を張ってチームに貢献できるように、そして赤いファーストジャージを着られるように頑張りたいと思います。」
 
 
SH徳井彰真(1年)
荒尾高校出身
身長177cm/体重71kg 
「自分のアピールポイントは、球さばきの安定感です。パスの安定感は強みだと思っています。テンポやゲームメイクの部分は課題で、そこが先輩方のレベルにないためにまだ下のチームにいるのだと思っています。また、高校時代からメンタルが課題で、気分がころころ変わってしまう悪い癖がありました。気持ちが落ちてしまうと、そこから上げるのに時間がかかってしまっていました。なので、今はメンタルの強化に意識的に取り組んでいます。帝京大学ラグビー部には兄(徳井琢真・2015年度卒)がお世話になっていたのですが、兄からはとても頭を使って考えるチームだと聞いていました。ラグビーのプレーについてもそうですし、私生活でも考えることが多いチームだと思います。先輩方は考え方がとても大人で、自分がとても子供に思えます。今後はまずメンタル面を強くして、プレーを安定させ、さらにスキルを磨いていって、チームに貢献したいと思います。」
  
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対筑波大学(http://club.taiiku.tsukuba.ac.jp/rugby/
12月3日(土) 秩父宮ラグビー場
14時キックオフ
 
過去の対戦成績:関東大学対抗戦21勝14敗(大学選手権4勝0敗)
[筑波大学の直近5戦]
9月18日 ●20-28慶應義塾大学(関東大学対抗戦A)
10月2日 ●12-46早稲田大学(関東大学対抗戦A)
10月16日 ●28-48明治大学(関東大学対抗戦A)
11月6日 ○46-14日本体育大学(関東大学対抗戦A)
11月19日 ○82-14成蹊大学(関東大学対抗戦A)
 
 
関東大学ジュニア選手権大会・決勝
対東海大学
11月26日(土) 秩父宮ラグビー場
11時半キックオフ
 


(文/木村俊太・写真/川本聖哉)

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