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関東大学対抗戦A 青山学院大学戦

関東大学対抗戦A 青山学院大学戦

2017/10/14

10月14日(土)・秩父宮ラグビー場

○帝京大学(3勝)89-5青山学院大学(3敗)●



《帝京大学》

[FW]

(1)西⇒岡本(2)堀越⇒金(廉)(3)垣本⇒淺岡(4)今村(5)藤田(6)古田(凌)(7)安田(8)マクカラン(ブ)⇒吉田

[BK]

(9)小畑(10)北村⇒龍野(11)竹山(12)マクカラン(二)(13)矢富(14)元田⇒岡田(15)尾﨑

 
《青山学院大学》※先発のみ

[FW]

(1)渡邊(将)(2)岩切(3)渡邊(悠)(4)稲垣(5)濱田(6)森(7)村井(8)藤森

[BK]

(9)肘井(10)古賀(11)佐藤(12)工藤(13)五十嵐(14)齊藤(15)西野



【前半】【得点経過】

【6分】帝7-0青

相手のハイパントをFB尾﨑がキャッチし、連続攻撃。ラックからLO藤田-SH小畑-SO北村-CTB矢富とパスが渡り、矢富が抜け出してトライ。ゴール成功。


【17分】帝14-0青

ラインアウトからモールを形成。モールを押し切って、HO堀越が押さえてトライ。ゴール成功。

 
【22分】帝21-0青

ラインアウトから連続攻撃。SH小畑が抜け出し前進し、さらに連続攻撃。ラックからSH小畑-SO北村-CTBマクカラン(二)-WTB竹山と渡り、竹山がトライ。ゴール成功。

 
【26分】帝28-0青

ラインアウトからモールを形成。ラックになり、FWで連続攻撃。ラックからLO今村が持ち出し、押さえてトライ。ゴール成功。

 
【36分】帝28-5青

ラインアウトから攻められ、トライを奪われる。
  
 
【後半】【得点経過】

【8分】帝35-5青

スクラムを押し込む。No8マクカラン(ブ)が持ち出してトライ。ゴール成功。
 

【11分】帝42-5青

ラックでターンオーバーして連続攻撃。ラックからSH小畑-HO堀越-LO藤田-WTB竹山と渡り、竹山が抜け出してトライ。ゴール成功。
 

【16分】帝49-5青

スクラムから連続攻撃。ラックからSH小畑-SO北村-CTB矢富と渡り、矢富がディフェンスを振り切ってトライ。ゴール成功。
 

【18分】帝56-5青

LO藤田がキックオフのボールをキャッチし前進。HO堀越がさらに前進。ラックからSH小畑-LO今村-SO北村-CTBマクカラン(二)-CTB矢富-FB尾﨑-WTB竹山と渡り、竹山が前方へキック。追いかけ、自ら拾ってそのままトライ。ゴール成功。

 
【25分】帝63-5青

ラインアウトからモールを押し込み、HO堀越が押さえてトライ。ゴール成功。
 

【30分】帝70-5青

スクラムからNo8吉田-SH小畑と渡り、小畑が抜け出してトライ。ゴール成功。
 

【35分】帝75-5青

ラインアウトからモールを押し込む。HO堀越が押さえてトライ。
 

【40分】帝82-5青

ペナルティからPR淺岡がクイック・リスタートで前進し、そのまま押さえてトライ。ゴール成功。
 

【44分】帝89-5青

HO金が好タックルしてターンオーバー。No8吉田が前進。ラックからSH小畑-FB尾﨑と渡り、尾﨑がトライ。ゴール成功。



《BRIEF REVIEW》

対抗戦第3戦の相手は青山学院大学。試合開始直後は守る時間帯となる。だが、全員でしっかりと守り、大きな前進は許さない。均衡を破ったのは6分。CTB矢富が相手ディフェンスを振り切ってトライを奪う。ここから一気に攻撃に転じるかに思われたが、相手の鋭いタックルに前進を阻まれるシーンも増える。それでも17分には、ラインアウトからモールを押し込んでHO堀越がトライ。その後も、対抗戦初先発の藤田が大きく前進するなど、チャンスを広げ、加点する。前半終了間際にトライを奪われるものの、28-5でハーフタイムを迎えた。後半は、序盤こそ一進一退が続いたが、8分にスクラムを押して、No8マクカランがトライを奪い、ここから完全に帝京が主導権を握る。WTB竹山、CTB矢富のBK陣がトライを奪うと、FW陣も途中出場のNo8吉田、PR岡本、PR淺岡、HO金らが奮闘。吉田、岡本、淺岡は前に出るアタックで、金はディフェンスでみせる。ロスタイムにはFB尾﨑が今シーズンの対抗戦初トライを奪い、ノーサイド。89-5で帝京が対抗戦3連勝を飾った。






《POST MATCH INTERVIEW》

■岩出雅之監督

「今日は、前半、学生たちがうまく、きれいにやろうとしすぎていたところがあり、ややぬるさを感じたところもありましたが、後半は逆に気合いが入って、いい流れになりました。展開の変化は、それに尽きるのではないでしょうか。10月は毎週、ジュニア選手権があり、スコアも内容もここまでとてもいいゲームが続いています。『いいゲーム』というのは、学生たちが伸びるゲームです。その『伸びるゲーム』で伸びてきたメンバーも含めて、経験のある学生、まだ経験の浅い学生を混ぜながら、メンバー構成を考えています。今日は特に前半は、気持ちに火がつかない状態で試合に入っていたようですが、そうした経験も経て、今後は試合の入りから気持ちに火がつく集団になっていってくれると信じています。最後になりましたが、厳しいプレーを最後まで続けられた青山学院大学の選手たち、スタッフ、関係者の皆様に感謝申し上げます。」

■キャプテン・HO堀越康介(4年・ゲームMVP)

「今日はゲーム前に、『厳しいプレーを80分間、積み重ね、その上で激しさ、丁寧さをもってプレーしよう』と言って臨みました。ですが、試合では特に前半、自分たちの甘さが出て、厳しさ、必死さを出すことができませんでした。気持ちに厳しさがなく、なんとなくやったらうまくできるだろうという気持ちでプレーしてしまったのだと思います。また、次の試合に向かって一つずつ積み重ねて、ひたむきに努力していきたいと思います。」


 

■集中力を切らさず、トライを奪った・PR淺岡俊亮(3年)

「今日は立ち上がりで、厳しいプレーが全体的にあまりできていないように見えたので、自分が出た時には姿で示せるようにしようと思っていました。青山学院大学さんが激しいプレーをしてくる中、自分たちの甘い部分が出てしまっていたので、そこを改善していけば、今後、もっといいゲームができると思います。トライの場面(ペナルティでのクイック・リスタートでそのままトライ)は、ゴール前、相手も疲れている時間帯でしたので、厳しさを出していこうと思い、行きました。自分でも『今日はトライを取りに行こう』と決めて臨んだので、強気にアグレッシブに行こうと思って、行きました。また、課題としていたスクラムもしっかり組めたのでよかったです。このあと、対抗戦上位のチームとの対戦が続きますが、そこでもしっかりと自分の力を出せるようにいい準備をしていきたいです。リザーブからでも、スタートからでも、いつでも本気で戦えるようなマインドと体を準備して臨みたいと思います。」


 

■久々のゲームも意識高く臨めた・CTB岡田優輝(4年)

「試合自体、夏合宿以来で、秩父宮はもういつ以来か思い出せないくらい久し振りでした。今日も、直前までメンバーに選ばれるのかわからなかったのですが、選ばれたからには思い切ってやろうと思って試合に臨みました。まずは試合に出られたことを光栄に思っていますし、これからシーズンが深まっていく中で、これまでチームに貢献できていなかった分、もっと体力、技術、気持ちの面で成長して、スタートから出られる選手になれるように頑張っていきたいです。ケガの方はもう大丈夫なので、あとは調子を上げていくだけです。試合としては、青山学院大学さんのディフェンスがかなり前に出てこられていたので、それに対して自分としてはしっかりとゲインラインを越えていくことを意識してやりました。ボールタッチの回数が少なくて、あまりそういったプレーはなかったのですが、常にその意識は持ってプレーしていました。また、ディフェンスでチームを鼓舞できるプレーヤーになっていきたいといつも思っているので、そこも意識してやりました。今後は、まずは自分が試合に出られるためにも、日々の努力を積み重ねていきたいです。シーズンが深まっていく中、強い相手との対戦が続きますが、自分たちはチャレンジャーとして、自分たちのラグビーをしていけるように練習からしっかりやっていきたいと思います。」





《PICK UP PLAYERS》

80分間走れる力をつけたい

LO 藤田 達成(3年)

Fujita Tatsunari


 
1996年12月2日生まれ

医療技術学部スポーツ医療学科

東福岡高校出身

身長192cm/体重100kg


対抗戦初先発でしたが、どんな気持ちで臨んだのでしょうか。

「昨日の練習で急遽、メンバー入りになり、そのときは驚いたのですが、試合に出られるのはうれしいことですし、1日ありましたので、気持ちはしっかりと作ることはできました。いいマインドで臨めたと思います。」

■80分間、フル出場でした。

「実は自分でも80分間フルで出るとは思っていなくて、とにかく前半を全力でやり切ろうと思っていました。ただ、その前半にタックルのところで出し切れなくて、反省点が出ました。また、70分ぐらいで足がつってしまうなど、80分出ることで見えてくる課題もありました。80分間、全力で走れるようにトレーニングしていきたいです。」

■それは、前半24分頃の、抜け出して大きくゲインし、長い距離を走った(自陣22mライン付近から敵陣22mライン付近まで一人で持っていった)プレーも影響したかもしれませんね。そのシーンは自身ではどう評価していますか。

「抜け出したのは、自分でも想定外でした。抜け出したときにサポートプレーヤーを探したらいなかったのですが、そこでスピードを上げるのではなく、逆にスピードを緩めて味方が来るのを待たなければいけないのに、それができなかったのが反省点です。自分で走りたいコースに走ってしまい、サポートが付きにくくなってしまったと思います。相手と当たってパスを出すとか、そうしていかなければいけなかったと思います。」
 
■今日のラインアウトはどうでしたか。

「今日は、自分がコーラー(サインを出す人)としてラインアウトを引っ張って行く役割だったのですが、久しぶりだったので少し緊張しました。でも、みんなの助けもあり、前を見て判断することもできたので、よかったと思います。」
 
 
■今後への意気込みをお願いします。

「いままでの自分なりのペースでは遅いと思っているので、もっとペースを上げて、試合に出られるだけではなく、チームに必要とされる選手になれるように頑張っていきたいです。」

  
対抗戦初先発、しかも前日に急遽、先発が言い渡されたという。それでもマインドセッティングをしっかりとやり、いいメンタル状態で試合に臨めたと語る。実際、フィールドプレーもセットプレーも安定し、特にラインアウトではサインを出すコーラーの役割をしっかりと果たした。岩出監督も「コツコツと努力をしてきたことで今があると思う。地道にサポートするプレーなどに、努力の跡を感じます」と評価する。本人の「試合に出るだけではなく、チームに必要とされる選手になれるように」というコメントも頼もしい。今後、経験値を高めていくことで、さらなる成長が期待できそうだ。








《COLUMN》

―― うまく、きれいに ――
 
帝京は対抗戦3戦3勝としましたが、記者会見では、特に堀越キャプテンからは反省の弁が続きました。前半、思うようなプレーができなかった原因について、岩出監督は「うまく、きれいにやろうとしすぎた」と表現しました。「うまく、きれいに」やろうとしすぎて、熱く燃える「気持ち」の部分を忘れてしまっていたと言います。
 
「うまく、きれいにやろうとする」ことでかえってうまくいかないというのは、とても逆説的な感じがします。
 
ラグビーという競技は、攻撃側は相手のディフェンスを崩して、その崩れたところにボールを運んで前進しようとしますし、守備側はそれをさせまいとします。
 
相手がしっかりと守っているところに攻撃を加えながら、その守りを崩していく。あるいは、崩されまいとしてさらに守りを固めていく。たとえが適切かどうかはわかりませんが、こうした攻防は将棋の対局に似ているかもしれません。
 
ただし、将棋の場合はお互いが一手ずつ交互に指し合い、それぞれの駒には動ける範囲が厳格に決められています。これに対して、ラグビーは交互に攻め合うわけではありませんし、人の動ける範囲も限定されていません。
 
なぜ将棋に似ていると思ったのかと言いますと、「うまく、きれいに」相手を崩すというのが、詰め将棋の手順のように感じられたからです。ここにこの駒を打ったら、相手はここにこう動く。次にここに打ったら、相手はこう動く……。これを上手に続けていくと「うまく、きれいに」相手を崩し、「詰み(勝ち)」に辿りつくことができます。
 
この日の前半、帝京はもしかすると、詰め将棋のように「うまく、きれいに」トライを取りに行ってしまったのかもしれません。
 
もちろん、理詰めで「うまく、きれいに」相手を崩すことは基本として大切なはずです。しかし、ラグビーではさらに「気持ち」の部分が競技に大きく影響してきます。将棋の駒のように、お互い交互に指し合うわけではありませんし、気持ちの入りようによっては、全部の駒が一気に相手に襲い掛かったり、「歩」だと思っていた駒が、突然、「飛車」のような動きをし始めたり、さらには各駒が連携して動くことによって予想外のところから「王手」をかけたりといった、ダイナミックな要素も多分にあるわけです(もちろん、将棋でこれをやったらルール違反ですが、ラグビーではOKです)。
 
「うまく、きれいに」崩す方法をしっかりと理解した上で、さらに気持ちを入れることで、ダイナミックな崩しが可能になる。岩出監督の「うまく、きれいにやりすぎた」という言葉には、そんなラグビーの魅力も表現されているように思います。
 







《THE NEW FACE》

ニューフェースたちの声を紹介します。


SH 春野 日向(1年)

東京高校出身

身長167cm/体重73kg
 
「自分の強みは、仕掛けて自身でボールを持っていけるところ、そしてテンポを出せるところだと思っています。ただ、チームへの指示や試合全体を見ること、ゲームをイメージする部分が自分には足りないと思っていて、そこは課題だと思っています。帝京大学ラグビー部は、上級生が部の仕事をするという話は入部前から聞いていましたが、聞いていた以上に上級生の存在が大きく、また下級生の面倒をとてもよく見てくださいます。僕たちがまだ慣れていない部分、ラグビー面でも生活面でも、細かいところまでいろいろと教えてくださいます。同じポジションの先輩に上手な人がたくさんいますので、先輩方をお手本として、1年生の間にできるだけ上のチームに上がって、さらに来年以降も成長できるように頑張りたいと思います。」
 
 
WTB 神座 立樹(1年)

専修大学松戸高校出身

身長180cm/体重75kg
 
「アピールポイントはスピードです。特にロングランしたときに、どんどんとスピードが伸びていくところが特徴だと思っています。フィジカルとラグビーの理解度は自分の課題だと思っています。体が細いので、改善すべく取り組んでいます。ラグビーの理解度については、WTBとして前を見て、外側から声を掛けてリードアップしていく役割があるのですが、まだまだ勉強中です。オプション選択やどこの位置にボールを運んだらチャンスになるかなどの判断が甘いので、たくさん経験を積んで、的確な指示ができるようになりたいです。帝京大学ラグビー部は、練習の中で考える時間がとても長く、一人一人がよく考えてプレーしていると感じます。今後は、まず自分の長所であるスピードを磨き、短所である体の細さやゲーム理解の甘さを克服し、その上で一試合でも多く、公式戦に出場し、チームに貢献できるプレーヤーになりたいです。」
 
 
LO 野田 響(1年)

荒尾高校出身

身長187cm/体重106kg
 
「自分の強みは、身長を活かしたラインアウトとフィールドプレーでのコンタクトで前にゲインしていく部分です。課題はラグビーの理解度と、フィジカルの部分、またタックルが高くなりがちなところを改善していきたいと思っています。帝京大学ラグビー部は、掃除などの仕事を上級生がやるということは知っていましたが、自分が思っていた以上に上級生の仕事がたくさんありましたし、僕たち下級生に余裕を作ってくださるためにやっているというところがすごいと思いました。上級生から学ぶべきところたくさんあります。今後は自分の課題を克服しながら、自分に何ができるかを考え、そして長所を伸ばしていきたいと思います。」

 
PR・LO 堀尾 英喜(1年)

帝京八王子高校出身

身長172cm/体重88kg
 
「ブレイクダウン付近でのすばやい動きを得意としています。現在、時間の使い方が自分ではあまりうまくないと思っていて、時間をどう上手に使うかが自分にとっての課題だと思っています。現在、ケガがあって練習はできていないのですが、その分、時間の使い方をもっと有効にしていかなければと思っています。帝京大学ラグビー部では上級生が部の仕事をするというのは、テレビなどの情報で知っていたのですが、毎日、自分たちがグラウンドに着いた頃には先輩方がすでに掃除をしてくださっていたり、練習後も毎日、3年生、4年生が仕事をしていて、その頻度は考えていた以上にすごいです。今後に向けては、ケガを言い訳にせず、自分にできることを見つめて、ケガする以前よりも少しでも成長できる自分を作っていきたいと思います。」




《NEXT MATCH》

関東大学対抗戦A

対早稲田大学(http://www.wasedarugby.com/

10月28日(土) 秩父宮ラグビー場

14時キックオフ
 


過去の対戦成績:関東大学対抗戦11勝27敗(大学選手権4勝2敗)

[早稲田大学の直近5戦]

8月20日 ●0-82帝京大学(夏季練習試合)

8月24日 ●5-52東海大学(夏季練習試合)

9月16日 ○54-20日本体育大学(関東大学対抗戦A)

10月1日 ○94-24青山学院大学(関東大学対抗戦A)

10月14日 ○33-10筑波大学(関東大学対抗戦A)
 

(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

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