SPECIAL
スペシャル
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2020/12/06【 関東大学対抗戦A 】vs慶應義塾大学 マッチレポート
2020/12/10
《試合経過》
前半
02分 【帝京大学】PG成功 キックオフから【慶應義塾大学】のミスボールに反応し連続攻撃からペナルティを獲得 PGを選択 15奥村PG成功 3-0
05分 【慶應義塾大学】トライ ゴール前ラインアウトからFWの連続攻撃 最後は8がトライ ゴール成功 3-7
14分 【慶應義塾大学】PG成功 敵陣ゴール前で連続攻撃からペナルティを獲得 PGを選択 PG成功 3-10
21分 【帝京大学】11 木村朋也 → 23 平坂海人
28分 【帝京大学】トライ 中盤から4山川が抜け出し最後は13尾崎につないでトライ 15奥村ゴール不成功 8-10
40分 【帝京大学】トライ 中盤から連続攻撃でゴール前まで攻め入り最後は右に展開し23平坂がトライ 15奥村ゴール不成功 13-10
前半終了:帝京大学 23-10 慶應義塾大学
後 半
01分 【慶應義塾大学】 危険なタックルにより6シンビン
07分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前から連続攻撃し13尾崎が抜け出し14ミティエリに繋ぎトライ 10北村ゴール成功 20-10
11分 【慶應義塾大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成 そのままモールを押し込み最後は2がトライ ゴール不成功 20-15
19分 【帝京大学】1 江良颯 → 17 清水岳 , 2 江良颯 → 16 李承爀 , 3 渡邉元太 → 18 奥野翔太
28分 【慶應義塾大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成 そのままモールを押し込み最後は2がトライ ゴール不成功 20-20
34分 【帝京大学】18 奥野翔太 → 3 渡邉元太
35分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成 そのままモールを押し込み最後は16李がトライ 22高本ゴール成功 27-20
36分 【帝京大学】5 江里口真弘 → 19 アレクサンダー・マクロビー
38分 【帝京大学】7 上山黎哉 → 20 金隆生
41分 【慶應義塾大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトから連続攻撃し最後は23高武がトライ ゴール不成功 27-25
48分 【慶應義塾大学】トライ 敵陣ゴール前から連続攻撃し最後は7がトライ ゴール不成功 27-30
試合終了:帝京大学 27-30 慶應義塾大学
(試合速報担当:3年 中野光基・藤原清孝)
《BRIEF REVIEW》
対抗戦の最終戦は慶應義塾大学との対戦。昨年、僅差で敗れた相手だけに、今回はぜひとも雪辱を果たしたい。先制したのは帝京。開始早々、FB奥村がPGを決める。しかし、その後は帝京がペナルティで苦しむ。6分にはノットロールアウェイからゴール前まで攻め込まれて、逆転トライを許すと、14分にはPGを決められ、3-10とされる。だが、ここから帝京が盛り返す。28分には、相手のタッチキックのミスからカウンターアタックでチャンスを作り、CTB尾崎がトライを奪う。前半終了間際にもカウンターアタックからチャンスを作り、FWで崩してからBKへ展開。WTB平坂が逆転トライを決め、13-10で前半を折り返した。後半も帝京のいい形で始まる。ラインアウトからのモールは押し切れなかったものの、連続攻撃からBKへ。CTB尾崎が相手につかまりながらもバックフリップパスでWTBツイナカウヴァドラへとつなぎ、トライを奪う。だが、やはりここからも自らのペナルティに苦しめられる帝京。相手ボールのラインアウトからのモールを止められず、連続トライを許し、同点となる。FL上山のジャッカルなど、ディフェンスでの好プレーもあるが、自らのペナルティでリズムを作れない。35分、この試合初めてモールを押し切ってのトライを決め、27-20とする。しかし、最後の最後にまたペナルティが続き、41分にトライを奪われてしまう。相手のゴールキックが外れ、27-25とリードを保つが、ロスタイムにさらにペナルティを重ねてしまう。48分、FW戦でねじ込まれ、逆転を許したところでノーサイド。帝京は27-30で敗れた。この結果、帝京は対抗戦4位となり、大学選手権は12月13日(日)、花薗ラグビー場での第2試合で同志社大学と対戦することが決まった。
《COLUMN》
―― 勝つための行動――
帝京は対抗戦を4位という成績で終え、大学選手権へと向かいます。対抗戦最終戦から大学選手権の初戦まで1週間、これに勝利すると中5日で準々決勝に挑むことになります。さらに会場が花薗ラグビー場ということで、短期間に東京-大阪間を2往復(初戦に勝利すればですが)することになります。
選手たちにはベスト・コンディションで試合に臨んでもらいたいのですが、与えられた状況はなかなか過酷だと言わざるを得ません。その過酷な状況に挑み、選手たちのコンディションを整える(調える)お仕事を担うのが、アスレティック・トレーナーたちです。
彼らはどんな業務を担い、ここからどのようなことを意識しながら大学選手権へと向かっていくのでしょうか。今回は、帝京大学スポーツ医科学センター助教でもある、鶴健一朗アスレティック・トレーナーにお話を伺いました。
「アスレティック・トレーナーの業務の第一は、選手の健康、安全を確保することです。ケガの初期対応、さらには医療機関と連携してリハビリテーションを行い、復帰させていく。またケガの予防や、今年に関しては新型コロナのような感染症予防、疾病予防も重要です。そして、教育。さまざまなメニュー、提案を選手がきちんと理解して、自ら取り組んでもらえるようにします。
ここからチームは連戦になりますが、コンディションを整えることと同時に、ケガの予防が大事になります。ケガを予防するには休ませるのが一番ですが、それでは強くならない。強くするためには負荷をかけていかなければなりませんが、負荷が積み重なるといろいろなサインが出てきます。それらをコーチ陣と共有しながら、リカバリーと負荷、刺激とをバランスを取りながらやっていくことになります。」
さらには、長距離移動や宿泊などを伴うことでの、新型コロナウイルス感染のリスクも気になるところです。
「新型コロナに関しては『教育』が重要だと思っています。世の中がそうであるように、部員たちも第3波が顕在化する前は『慣れ』もあってか、うっかり対策が緩んでしまう部分もあったように思います。スタッフと学生たちとで組織する『健康管理委員会』があるのですが、そこを中心に、この第3波をいかに自分事として捉えるかをテーマにして話し合いました。部員をいくつかにグループに分け、ディスカッションしてもらい、自分たちの行動とリスクをシェアし合うことによって、日頃の感染対策が、もう一度、徹底されるようになりました。『あれをやれ』『これをやるな』ではなく、自分たちで考えてもらうようにすることが大切だと思っています。」
やるべきことを命令のように押し付けるのではなく、自分たちで考え、理解したうえで行動してもらうという部分は、感染対策だけでなく、コンディショニングやパフォーマンスの向上にも役立つと言います。
「『質』が大事になると思うんです。より『質』の高いリカバリー、『質』の高いトレーニングをするためには、選手自身の理解度が重要です。その理解度を高めるためのアプローチをしていきたいです。私たちの仕事は、戦術・戦略面とは違って、直接的にゲームの勝敗を左右するものではないかもしれません。しかし、日々の小さなことの積み重ねなので、その小さな積み重ねのクオリティを少しずつ高めていく。その方向性は間違えないように指導したいと思っています。」
大学で授業も担当する鶴アスレティック・トレーナーは、学生たちへの愛情にもあふれています。
「トップリーガーなどに比べると、学生たちは未熟かもしれません。しかし、それは若さであり、その若さはエネルギーにも変わります。ここからの1か月、強いエネルギーをもって、学生たちが自身の成長を楽しめるようにと期待します。大学4年間は、いまはとても長く感じているかもしれませんが、あとで振り返ると『ほんの一瞬だった』と思うはずです。でも、その一瞬を花火のように、強い光を放つものにしてほしい。そこにはパッションが必要で、情熱をもっていろいろなことに取り組んでほしい。仲間との結びつきを大切にして、特に4年生にはいい1か月を過ごしてほしいですね。」
そして最後に「勝利」の意味について語ってくれました。
「試合での勝利はとても重要ですし、実際、輝いて見えると思います。でも、本当は『勝つための行動』の方が大事なんですよね。これには『勝負に勝つ』ことだけでなく『己に克つ』ということも含まれます。『勝つ(克つ)』ための行動に、どんどんチャレンジしていってほしいです。」
勝負は相手との力関係で決まりますが、相手の力はこちらではコントロールできません。しかし、「勝つ(克つ)ための行動」は自分がコントロールすることができます。帝京の「勝つ(克つ)ための行動へのチャレンジ」はまだまだ続きます。
(文・木村俊太/写真・志賀由佳)
前半
02分 【帝京大学】PG成功 キックオフから【慶應義塾大学】のミスボールに反応し連続攻撃からペナルティを獲得 PGを選択 15奥村PG成功 3-0
05分 【慶應義塾大学】トライ ゴール前ラインアウトからFWの連続攻撃 最後は8がトライ ゴール成功 3-7
14分 【慶應義塾大学】PG成功 敵陣ゴール前で連続攻撃からペナルティを獲得 PGを選択 PG成功 3-10
21分 【帝京大学】11 木村朋也 → 23 平坂海人
28分 【帝京大学】トライ 中盤から4山川が抜け出し最後は13尾崎につないでトライ 15奥村ゴール不成功 8-10
40分 【帝京大学】トライ 中盤から連続攻撃でゴール前まで攻め入り最後は右に展開し23平坂がトライ 15奥村ゴール不成功 13-10
前半終了:帝京大学 23-10 慶應義塾大学
後 半
01分 【慶應義塾大学】 危険なタックルにより6シンビン
07分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前から連続攻撃し13尾崎が抜け出し14ミティエリに繋ぎトライ 10北村ゴール成功 20-10
11分 【慶應義塾大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成 そのままモールを押し込み最後は2がトライ ゴール不成功 20-15
19分 【帝京大学】1 江良颯 → 17 清水岳 , 2 江良颯 → 16 李承爀 , 3 渡邉元太 → 18 奥野翔太
28分 【慶應義塾大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成 そのままモールを押し込み最後は2がトライ ゴール不成功 20-20
34分 【帝京大学】18 奥野翔太 → 3 渡邉元太
35分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成 そのままモールを押し込み最後は16李がトライ 22高本ゴール成功 27-20
36分 【帝京大学】5 江里口真弘 → 19 アレクサンダー・マクロビー
38分 【帝京大学】7 上山黎哉 → 20 金隆生
41分 【慶應義塾大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトから連続攻撃し最後は23高武がトライ ゴール不成功 27-25
48分 【慶應義塾大学】トライ 敵陣ゴール前から連続攻撃し最後は7がトライ ゴール不成功 27-30
試合終了:帝京大学 27-30 慶應義塾大学
(試合速報担当:3年 中野光基・藤原清孝)
《BRIEF REVIEW》
対抗戦の最終戦は慶應義塾大学との対戦。昨年、僅差で敗れた相手だけに、今回はぜひとも雪辱を果たしたい。先制したのは帝京。開始早々、FB奥村がPGを決める。しかし、その後は帝京がペナルティで苦しむ。6分にはノットロールアウェイからゴール前まで攻め込まれて、逆転トライを許すと、14分にはPGを決められ、3-10とされる。だが、ここから帝京が盛り返す。28分には、相手のタッチキックのミスからカウンターアタックでチャンスを作り、CTB尾崎がトライを奪う。前半終了間際にもカウンターアタックからチャンスを作り、FWで崩してからBKへ展開。WTB平坂が逆転トライを決め、13-10で前半を折り返した。後半も帝京のいい形で始まる。ラインアウトからのモールは押し切れなかったものの、連続攻撃からBKへ。CTB尾崎が相手につかまりながらもバックフリップパスでWTBツイナカウヴァドラへとつなぎ、トライを奪う。だが、やはりここからも自らのペナルティに苦しめられる帝京。相手ボールのラインアウトからのモールを止められず、連続トライを許し、同点となる。FL上山のジャッカルなど、ディフェンスでの好プレーもあるが、自らのペナルティでリズムを作れない。35分、この試合初めてモールを押し切ってのトライを決め、27-20とする。しかし、最後の最後にまたペナルティが続き、41分にトライを奪われてしまう。相手のゴールキックが外れ、27-25とリードを保つが、ロスタイムにさらにペナルティを重ねてしまう。48分、FW戦でねじ込まれ、逆転を許したところでノーサイド。帝京は27-30で敗れた。この結果、帝京は対抗戦4位となり、大学選手権は12月13日(日)、花薗ラグビー場での第2試合で同志社大学と対戦することが決まった。
《COLUMN》
―― 勝つための行動――
帝京は対抗戦を4位という成績で終え、大学選手権へと向かいます。対抗戦最終戦から大学選手権の初戦まで1週間、これに勝利すると中5日で準々決勝に挑むことになります。さらに会場が花薗ラグビー場ということで、短期間に東京-大阪間を2往復(初戦に勝利すればですが)することになります。
選手たちにはベスト・コンディションで試合に臨んでもらいたいのですが、与えられた状況はなかなか過酷だと言わざるを得ません。その過酷な状況に挑み、選手たちのコンディションを整える(調える)お仕事を担うのが、アスレティック・トレーナーたちです。
彼らはどんな業務を担い、ここからどのようなことを意識しながら大学選手権へと向かっていくのでしょうか。今回は、帝京大学スポーツ医科学センター助教でもある、鶴健一朗アスレティック・トレーナーにお話を伺いました。
「アスレティック・トレーナーの業務の第一は、選手の健康、安全を確保することです。ケガの初期対応、さらには医療機関と連携してリハビリテーションを行い、復帰させていく。またケガの予防や、今年に関しては新型コロナのような感染症予防、疾病予防も重要です。そして、教育。さまざまなメニュー、提案を選手がきちんと理解して、自ら取り組んでもらえるようにします。
ここからチームは連戦になりますが、コンディションを整えることと同時に、ケガの予防が大事になります。ケガを予防するには休ませるのが一番ですが、それでは強くならない。強くするためには負荷をかけていかなければなりませんが、負荷が積み重なるといろいろなサインが出てきます。それらをコーチ陣と共有しながら、リカバリーと負荷、刺激とをバランスを取りながらやっていくことになります。」
さらには、長距離移動や宿泊などを伴うことでの、新型コロナウイルス感染のリスクも気になるところです。
「新型コロナに関しては『教育』が重要だと思っています。世の中がそうであるように、部員たちも第3波が顕在化する前は『慣れ』もあってか、うっかり対策が緩んでしまう部分もあったように思います。スタッフと学生たちとで組織する『健康管理委員会』があるのですが、そこを中心に、この第3波をいかに自分事として捉えるかをテーマにして話し合いました。部員をいくつかにグループに分け、ディスカッションしてもらい、自分たちの行動とリスクをシェアし合うことによって、日頃の感染対策が、もう一度、徹底されるようになりました。『あれをやれ』『これをやるな』ではなく、自分たちで考えてもらうようにすることが大切だと思っています。」
やるべきことを命令のように押し付けるのではなく、自分たちで考え、理解したうえで行動してもらうという部分は、感染対策だけでなく、コンディショニングやパフォーマンスの向上にも役立つと言います。
「『質』が大事になると思うんです。より『質』の高いリカバリー、『質』の高いトレーニングをするためには、選手自身の理解度が重要です。その理解度を高めるためのアプローチをしていきたいです。私たちの仕事は、戦術・戦略面とは違って、直接的にゲームの勝敗を左右するものではないかもしれません。しかし、日々の小さなことの積み重ねなので、その小さな積み重ねのクオリティを少しずつ高めていく。その方向性は間違えないように指導したいと思っています。」
大学で授業も担当する鶴アスレティック・トレーナーは、学生たちへの愛情にもあふれています。
「トップリーガーなどに比べると、学生たちは未熟かもしれません。しかし、それは若さであり、その若さはエネルギーにも変わります。ここからの1か月、強いエネルギーをもって、学生たちが自身の成長を楽しめるようにと期待します。大学4年間は、いまはとても長く感じているかもしれませんが、あとで振り返ると『ほんの一瞬だった』と思うはずです。でも、その一瞬を花火のように、強い光を放つものにしてほしい。そこにはパッションが必要で、情熱をもっていろいろなことに取り組んでほしい。仲間との結びつきを大切にして、特に4年生にはいい1か月を過ごしてほしいですね。」
そして最後に「勝利」の意味について語ってくれました。
「試合での勝利はとても重要ですし、実際、輝いて見えると思います。でも、本当は『勝つための行動』の方が大事なんですよね。これには『勝負に勝つ』ことだけでなく『己に克つ』ということも含まれます。『勝つ(克つ)』ための行動に、どんどんチャレンジしていってほしいです。」
勝負は相手との力関係で決まりますが、相手の力はこちらではコントロールできません。しかし、「勝つ(克つ)ための行動」は自分がコントロールすることができます。帝京の「勝つ(克つ)ための行動へのチャレンジ」はまだまだ続きます。
(文・木村俊太/写真・志賀由佳)
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