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2020/1/2【 第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準々決勝 】vs早稲田大学 マッチレポート

2020/1/2【 第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準々決勝 】vs早稲田大学 マッチレポート

2021/01/10

《試合経過》
前半
04分 【帝京大学】PG成功 中盤でペナルティを獲得 PGを選択 15奥村PG成功 3-0
06分 【早稲田大学】トライ ゴール前ラインアウトからモールを形成 そのままモールを押し込みトライ ゴール成功 3-7
21分 【帝京大学】PG成功 敵陣ラインアウトからフェーズを重ねペナルティを獲得 PGを選択 15奥村ゴール成功 6-7
26分 【早稲田大学】トライ ゴール前ラインアウトからモールを形成 そのままモールを押し込みトライ ゴール成功 6-14
37分 【早稲田大学】トライ ゴール前ラインアウトからフェーズを重ね 最後は15が抜け出しトライ ゴール成功6-21
46分 【帝京大学】認定トライ 敵陣ゴール前スクラムでペナルティを獲得 スクラムを選択 早稲田大学がスクラムを故意に崩したため認定トライ 13-21
前半終了:帝京大学 13-21 早稲田大学

後半
00分 【帝京大学】9 片岡祐二 → 21 土永雷
07分 【早稲田大学】トライ 中盤ラインアウトから左に展開しそのまま抜け出し最後は11がトライ ゴール成功13-28
13分 【帝京大学】トライ 中盤からハイパントで敵陣に入りそのままフェーズを重ね最後は12ニコラスがトライ 15奥村ゴール成功20-28
22分 【早稲田大学】トライ 帝京のドロップアウトから中盤でフェーズを重ね15が抜け出しそのままそのままトライ ゴール不成功20-33
23分 【帝京大学】6 ダアンジャロ・アスイ → 20 山添圭祐 , 14 ミティエリ・ツイナカウヴァドラ → 23 木村朋也
28分 【帝京大学】7 上山黎哉 → 19 リッチモンド・トンガタマ
32分 【帝京大学】11 大藪洸太 → 22 押川敦治
42分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前スクラムから左に展開 最後は13尾崎が左隅にトライ 15奥村ゴール成功27-33
試合終了:帝京大学 27-33 早稲田大学

(試合速報担当:3年 中野光基・藤原清孝)


《BRIEF REVIEW》

年が明けての大学選手権準決勝。対戦相手は昨年度の大学日本一・早稲田大学。11月の対抗戦では29-45で敗れているが、なんとか雪辱を果たしたいところだ。開始早々から、帝京は激しいディフェンスを見せる。その激しさからラックで相手のノックオンを誘うと、直後のスクラムで押し勝ち、相手のペナルティを誘う。FB奥村がPGを決め、3-0と先制した。しかし、その直後、その激しさが逆に作用する。WTBツイナカウヴァドラが力強く前進し、モールになって大きく押し込むものの、そのモールに入る勢いが激しかったことでモールが崩れ、ノーバインドの危険なタックルのペナルティを取られてしまった。その後のラインアウトからモールを押し込まれ、3-7と逆転を許してしまう。それでも、帝京の激しさは続く。攻め込んだ位置でさらに激しさを見せ、PGを得る。ここもFB奥村が決め、6-7と1点差に詰め寄る。だが、このあと、帝京にペナルティが増えてしまう。24分、33分と失点し、差を広げられる。前半終了間際、ここまでノートライだった帝京が意地を見せる。ゴール前でのスクラムを押し込み、相手が反則を繰り返す。43分、コラプシングがなかったらトライだったと認められ、帝京がペナルティ・トライで13-21とし、ハーフタイムとなった。後半、なんとか先に得点したい帝京だったが、7分、ラインアウトからBKで崩され、トライを奪われてしまう。ここからはお互いが一進一退。激しい攻防が続く。13分、CTBマクカランの長いパスをWTB大藪が受けてチャンスを作り、FWで攻めたあとのラックからBKにつないで、CTBマクカランがトライ。8点差に詰め寄る。しかし、22分、ドロップアウトからの相手の攻撃を許し、BKに抜け出されてトライを許してしまう。この時点で13点差となる。しかし、帝京の激しさは変わらない。攻め込んで、相手ゴール前でペナルティを得る。残り時間は6分半。帝京の選択はスクラム。崩れて、再度ペナルティを得る帝京。ここでの選択もスクラム。二度の組み直しがあり、さらに相手のペナルティ。ここでも、スクラムを選択。まさに自分たちの強みを出し切る選択だった。スクラムは押し切れなかったが、うまくBKへ展開。SO高本からCTB尾崎へのロングパスが通り、尾崎がタックルを受けながらもトライを奪う。難しい位置からのGKをFB奥村が決め、6点差。1トライ1ゴールで逆転という点差にまで詰め寄る。しかし、残り時間は1分少々。キックオフからのボールを展開するが、ラックで痛恨のノックオンの判定。相手ボールがスクラムから出たところでホーンが鳴り、ノーサイド。27-33。帝京はあと一歩のところで勝利を逃し、大学選手権は準決勝で敗れた。


《COLUMN》

―― 大きく成長した4年生たちにエールを ――

帝京はこの日の試合、6点差という僅差で敗れ、今シーズンを終えることとなりました。新型コロナウイルス感染症に翻弄された今シーズン。もしかしたら、シーズン自体が丸ごとなくなってしまうのではないかとさえ思われた時期もありました。

秋になり、ようやく試合ができるようになっても感染拡大は収まらず、常に細心の注意を払いながらの活動となりました。おそらく、この「常に最新の注意を払いながらの活動」はもうしばらく続くことになるのでしょう。

そんな状態の中、チームは大学選手権準決勝のステージまで来ることができました。Aチームの選手たちの努力はもちろんですが、それ以外の部員たちの力なくしては、ここまで来ることはできなかったでしょう。本当の意味で、チーム一丸となることが必要だったシーズンでした。

チームにはさまざまな役職があり、それぞれ重要な仕事を担当しているのですが準決勝の数日前、主務を担当してきた山地健太(4年)選手に話を聞くことができたので、ご紹介したいと思います。

主務という仕事は、大きく分けると対外的な仕事(渉外)と部内向けの仕事があります。私たちに最もわかりやすいのは、試合のとき、レフリーに選手交替(入替)を伝える仕事でしょう。間違いが許されない、とても重要な仕事です。

このような対外的な仕事(協会や他チームとの交渉)が目立つかもしれませんが、チームの連絡事項をきちんとくまなく伝えるなど、部内の仕事も重要です。内外においてとても重要な責務を担う役職だと言えます。

山地選手は、主務の仕事自体は昨年度から担当していました。試合で選手交替を告げる仕事などは、3年生の春からやっています。その頃といまの自分とで、どんな成長をしていると感じるのか、聞いてみました。

「成長しているのかは、自分ではよくわからないですね。ただ、昨年度は目の前の仕事をこなすので精一杯だったと思います。今シーズンは、他の学生スタッフたちを頼ることができるようにはなりました。どんなに仕事が多くても、みんなとコミュニケーションを取るようにして、意見を聞いたり、練習の雰囲気を感じ取るようにしたりもできるようになりました。そのおかげか、昨年度よりも周りを見て、行動できるようになっているかもしれません。事務作業に追われるだけでなく、みんなとコミュニケーションが取れるようになったのは、成長なのかもしれません。仕事の流れがわかって、少し余裕ができて、それを他の方面に使うことができるようになったかもしれません。」

本人も言うように、3年生のときの山地選手は主務の仕事に100%の力を注いでいて、その分、あまり余裕がなく、岩出監督から叱咤される場面もありました。しかし、4年生になった今シーズンは、明らかに余裕をもって行動していました。

おそらく、こうした余裕は山地選手に限らず、多くの4年生が身につけていたように思います。「これ」と一言ではいいにくいのですが、4年生たちと話をすると、昨年度まではどこか残っていた「幼さ」が消えていて、話し方や言葉の選び方に余裕が感じられるのです。もちろん、人によって差はあるのですが、それまで「幼さ」が見えていた人ほど余裕を感じさせてくれるのです。4年生たちは、みなそれぞれ大きく成長してくれたと実感しています。

山地選手は後輩に向けてのメッセージとして、こんな話をしてくれました。

「ここで過ごす4年間を大切にしてほしい。いま考えると、自分は妥協したり、受け身で過ごしてしまった日々も多かったので、後輩のみんなにはもっともっと一日一日を大切に過ごしてほしい。この仲間と過ごす4年間は、人生の財産になると思っているけれど、もっと輝く人生の宝物にしてほしいと思っています。」

岩出監督の指導の大きな柱の一つに「ダブルゴール」があります。「大学でのゴール(大学選手権優勝など)」だけでなく、その先にある「人生のゴール(目標)」も設定しようというものです。

実はゴールとは達成することのみが目的ではありません。達成しようとすること自体に大きな意味があります。4年生たちはこの4年間、一つ目のゴールを達成しようと努力してきました。これからは、二つ目のゴールに向かっていくことになります。

ここまでゴール達成を目指して頑張ってきた4年生たち、そしてこれから人生のゴールに向かって歩み出す4年生たちに、心からのエールを送りたいと思います。

(文・木村俊太/写真・志賀由佳)

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