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2021/10/10【 関東大学対抗戦A 】vs立教大学 マッチレポート

2021/10/10【 関東大学対抗戦A 】vs立教大学 マッチレポート

2021/10/15

《試合経過》
【 前 半 】
12分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前相手ボールスクラムをターンオーバーし、10高本トライ 10高本ゴール成功 7-0
16分 【帝京大学】 トライ 中盤スクラムから展開し15二村が抜け出し14白國がトライ 10高本ゴール不成功 12-0
21分 【帝京大学】 トライ 敵陣22m付近でターンオーバーし8奥井が抜け出しトライ 10高本ゴール不成功 17-0
26分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成しそのまま押し込み3細木がトライ 10高本ゴール成功 24-0
34分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前スクラムを押し切り8奥井がトライ 10高本ゴール不成功 29-0
41分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前スクラムをそのまま押し込み8奥井がトライ 10高本ゴール成功 36-0

前半終了:帝京大学 36-0 立教大学


【 後 半 】
02分 【帝京大学】 トライ 敵陣22m付近でターンオーバーし外に展開して10高本トライ 10高本ゴール成功 43-0
04分 【帝京大学】 トライ キックオフ8奥井が抜け出しボールを繋ぎ最後は2福井がトライ 10高本ゴール不成功 48-0
09分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成しそのまま押し込み2福井がトライ 10高本ゴール成功 55-0
14分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモール形成しそのまま押し込み2福井がトライ 10高本ゴール成功 62-0
17分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成しそのまま押し込み2福井がトライ  10高本ゴール不成功 67-0
22分 【帝京大学】 13 五島源 → 23 ミティエリ・ツイナカウヴァドラ
25分 【帝京大学】 トライ  中盤相手ボールライアウトをターンオーバーし23ミティエリが抜け出し最後は外に展開し15二村のトライ  10高本ゴール不成功  72-0
   【帝京大学】 4 尹礼温 → 20 リッチモンド・トンガタマ , 5 本橋拓馬 → 19 江里口真弘
32分 【帝京大学】 1 照内寿明 → 17 泓城蓮 , 2 福井翔 → 16 大澤陸大 , 3 細木康太郎 → 18 上杉太郎 , 11 大藪洸太 → 21 杉原駿 , 14 白國亮大 → 22 松山千大
33分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成しそのまま押し込み16大澤がトライ 10高本ゴール不成功 77-0
35分 【帝京大学】 トライ キックオフから外に展開し15二村が抜け出しそのままトライ 10高本ゴール成功 84-0
37分 【帝京大学】 トライ キックオフから外に展開し21杉原が抜け出しボールを繋いで最後に15二村がトライ  10高本ゴール成功 91-0
40分 【帝京大学】 トライ 敵陣ラインアウトから23ミティエリが抜け出しそのままトライ 10高本ゴール成功 98-0
45分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前スクラムそのまま押し込み8奥井がトライ 10高本ゴール不成功 103-0

試合終了:帝京大学 103-0 立教大学

(試合速報担当:3年 岡本泰斉・長谷川毅・湯浅宏太)



《BRIEF REVIEW》

対抗戦第3戦の相手は立教大学。まだまだ成長途上の帝京にとっては、勝利を得ることはもちろん、成長の証しを確認できるゲームにしたいところだ。
だが、開始直後の帝京は、攻め込みながらも自分たちのミスでチャンスを潰す展開が続く。相手ディフェンスの出足もよく、やや慌て気味なプレーも出てしまう。
12分、ようやく帝京らしさが出る。相手ボールのスクラムを押し込み、ターンオーバー。No8奥井-SH李-SO高本幹と渡って、高本がトライ。先制点を挙げる。15分には、スクラムから展開し、WTB白國がトライ。21分には、相手ボールのラックから出たボールを、LO尹がすばやく拾ってつなぐ。SO高本が仕掛け、No8奥井がもらって抜け出し、トライ。
さらにFW陣の奮闘が続く。26分、ラインアウトからモールを押し込み、PR細木がトライ。34分、41分とスクラムを押し切り、No8奥井が連続トライ。前半を36-0で折り返した。
ハーフタイムには、丁寧にやろうと意識しすぎていた1年生たちに岩出監督から「君たちに期待しているのは『元気の良さ』、『激しさ』。『暴れすぎだ』と言われるくらいに、もっと激しいプレーをしよう。ミスしても先輩たちがフォローするから」とアドバイスがあった。
後半はFWもBKも激しさを前面に出していく。2分、タックルで相手を止めてできたモールで、PR照内が相手からボールをもぎ取って前進。LO尹-CTB押川-SO高本と渡り、高本がトライ。続く4分には、キックオフからのボールをNo8奥井が大きく前に運ぶ。SH李-FB二村-HO福井とつないで、福井がトライ。ここから、9分、14分、17分とラインアウト・モールからのHO福井のトライが続く。14分のトライは、モールを押し込むと見せかけ、するりとサイドを抜け出してのトライ。福井の4連続トライで67-0と帝京が大きくリードする。
後半から出場の選手たちも躍動する。25分、WTBツイナカウヴァドラが抜け出し、大きく前進。つかまったラックからSH李-SO高本-FB二村と渡り、二村がトライ。33分には、ラインアウトからモールを押し込み、対抗戦初出場のHO大澤が、倒れている味方を冷静によけながらうまくモールをコントロールしてトライ。
さらに、35分FLトンガタマの前進から展開し、FB二村が抜け出してトライ。37分、キックオフからつなぎ、WTB杉原が抜け出し、CTB松山とパス交換。さらにFB二村へと渡り、二村が連続トライ。40分には、ラインアウトからWTBツイナカウヴァドラがパスをもらい、抜け出し、走り切ってトライ。45分には、スクラムを押し切り、No8奥井がトライ。
帝京は自分たちのミスから相手にチャンスを与えるシーンもあったが、大きな傷口になる前にしっかりと守り、最後まで相手に得点を与えず、103-0で対抗戦第3戦を勝利した。


《COLUMN》

―― 「タテ」と「ヨコ」 ――

ラグビーでボールを運ぶ方法のたとえとして、よく「タテ」と「ヨコ」という表現が使われます。「タテ」というのはFW陣を中心にボールを持って真っ直ぐ前に進んで行くプレー、「ヨコ」というのはBK陣を中心にパスを回しながら前進していくプレー、というイメージです。

実際には「タテ」と「ヨコ」を組み合わせながら、ボールを前に運んでいくわけですが、チームによって得意とするプレー、こだわりのあるプレーが異なります。オールドファンの方々の中には、「タテ」と言えば明治大学、「ヨコ」と言えば早稲田大学というイメージがある方もおられるかもしれません。実際はともかく、象徴的な意味合いで言えば、現在でもそのイメージは健在かもしれません。

帝京は「タテ」が強いチームと捉えられるケースが多いようです。実際、岩出監督も「連覇を始めた最初の頃のチームは、得点力という意味ではFW陣に頼る部分が大きく、『BK陣は守りで頑張ってくれれば』という気持ちでした」と語っています。しかし、連覇後半になるとBK陣の得点力も上がり、FWとBKがいいバランスを保ったチームになっていきました。

細木康太郎キャプテンによると、今年のチームは「これまではどちらかと言うと、真っ直ぐ強く当たっていくことを意識したチーム」だったようです。これはラグビーの基本なので変わることはありませんが、やはり「タテ」だけでは相手も守りやすくなります。大学日本一を目指すハイレベルな戦いをするためには、「タテ」と同時に「ヨコ」の要素も強化していきながら、いろいろな攻撃パターンのあるチームになっていくことが望まれます。

岩出監督はこの日の「103点」という得点について「BK陣の得点力が上がっている根拠になる」と評価しています。これまでは「得点が何点だったかはあまり意味がない」と語ることが多かった岩出監督がこのように評価しているということは、チームの成長を強く感じているからに違いありません。

しかし、その得点力、FWとBKのバランスは、まだ完成したわけではありません。細木キャプテンは「特に開始早々の時間帯に、選択肢を増やしていくためのプレーがまだまだ合わずに、得点できない時間が続いてしまった」と述べています。その後、「強く当たっていくプレーを意識したら、全体の動きもよくなり、得点できるようになった」と言います。「ヨコ」を意識しすぎた時間帯にはあまりうまく噛み合わず、逆に「タテ」を意識するようになったら「ヨコ」もうまくいくようになったということなのでしょう。これもまたチームとしての大きな成長と言えそうです。

今後の試合も、帝京の「タテ」と「ヨコ」のバランスを意識しながら、その成長ぶりを感じていきたいと思います。


(文・木村俊太/写真・志賀由佳)

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