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2022/07/03【 第10回関東大学ラグビーオールスターゲーム2022 】マッチレポート

2022/07/03【 第10回関東大学ラグビーオールスターゲーム2022 】マッチレポート

2022/07/08

《BRIEF REVIEW》

コロナ禍によりここ2年は中止となり、3年ぶりの開催となった関東大学オールスターゲーム。選抜された選手たちが「対抗戦選抜 対 リーグ戦選抜」という形で戦う。帝京からは高本幹也、山川一瑳、江良颯、奥井章仁、高本とむ、青木恵斗、李錦寿の7人が選出された。また、春季大会Aグループの最上位チーム監督がそれぞれのチームの監督になるため、対抗戦選抜は相馬朋和監督が指揮を執ることとなった。
試合はSO高本幹也のキックオフで始まった。3分、早々に試合が動く。対抗戦選抜のパスミスからラインアウトとなり、そこからつながれ、リーグ戦選抜が先制点を挙げる。
その後、HO江良のすばやいノールックパスでスタンドが沸くシーンなどもあるが、両チームとも急造チームということもあり、ミスも出る。
11分、帝京の選手たちの活躍で、対抗戦選抜にチャンスが訪れる。SO高本幹也がボールに働きかけるタックルを見せ、相手がボールをこぼしてターンオーバー。外へと展開し、WTB高本とむがタックルを受けながらも、振り払って抜け出す。2対1を作ったところでラストパスを送り、対抗戦選抜がトライを奪う。SO高本幹也がゴールを決め、逆転に成功する(7-5)。
この後は点の取り合いになっていく。19分、対抗戦選抜のキックをチャージされ、ボールはゴール前へ。No8奥井が懸命に走って戻るが、ギリギリ間に合わず、リーグ戦選抜にトライを許す(7-12)。直後の21分、キックオフのこぼれ球をNo8奥井がうまく拾う。ラックになり、HO江良が持ち出して前進。相手につかまりながらも絶妙のパスを送り、そのまま対抗戦選抜がトライ(14-12)。27分には、SO高本幹也が仕掛け、タックルされながらもうまくパスをつなぎ、トライを演出(21-12)。
ゴール前まで攻め込まれるシーンもあるが、SO高本幹也がクイック・スローインを見せ、ハーフウェイまで地域を戻す。LO山川、HO江良らの好タックルで攻めあぐねた相手はキックを選択するが、LO山川が果敢にチャージ。さらに追いかけてタックルし、相手を止める。
35分、38分と立て続けにトライされ、リーグ戦選抜に逆転を許すが(21-26)、42分、LO山川がラインアウトをしっかりキャッチし、モールを組む。押し切ることはできなかったが、HO江良が持ち出し、SO高本幹也-WTB高本とむとパスが渡り、高本とむが走り切ってトライ。対抗戦選抜が28-26とリードして前半を折り返した。
後半も帝京の選手たちは躍動し続ける。SO高本幹也がハイパントキックを蹴り、チェイスし、タックル。味方が集まり、そのままモールになって押し込む。さらに、相手側にボールが出ても、LO山川が好タックルを見せる。その後、スクラムでペナルティをもらうと、SH李がクイック・リスタートを見せ、チャンスを作る。守っては、No8奥井が、リーグ戦選抜のパワフルな選手に強烈なハンドオフをされながらも、ひるまずタックルし、ノットリリースザボールを誘う。さらに、SO高本幹也が前方へキックし、WTB高本とむが追いかける。ここは惜しくもキャッチできずにノックオンとなるが、スタンドを大いに沸かせた。
得点が動いたのは15分。ゴール前でのラインアウトをLO山川がしっかりとキャッチし、モールを作る。SH李もうまくコントロールし、そのまま押し切って、対抗戦選抜がトライ(35-26)。
その後、24分にはキックカウンターからつながれて、27分にはラックでターンオーバーされてつながれ、トライを許し、逆転される(35-38)。
直後、SH李がこぼれたボールを拾い、ラックに巻き込まれると、LO山川がすぐにラックの後ろに走り込み、パスアウト。意識が高く、器用なプレーを見せた。
一進一退が続いた37分、対抗戦選抜ボールのラインアウトからモールを形成。押しきれないが、展開し、うまく抜け出して逆転トライ。ゴールも決まり、42-38で、対抗戦選抜が勝利した。また、この試合の「プレイヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)」には、帝京の高本幹也が選ばれた。


《COLUMN》

―― オールスター戦という有意義な「お祭り」 ――

関東大学オールスター戦が3年ぶりに開催されました。公式戦ではない、ある意味では「お祭り」ですが、学生たちはみな楽しんで参加できていたようです。

「お祭り」とはいえ、対抗戦選抜を指揮した相馬監督にとっては、「勝つこと」と「楽しむこと」の両方を求めるゲームだったようです。「対抗戦の代表として負けられない」という思いがとても強かったようで、記者会見では「負けたくなかったので、(会見で隣に座っていた明治大学の)石田吉平君を長く引っ張ってしまいました」と述べていました(石田主将は、「均等に出すと言われていたのに長いなと思っていました」と言って、笑いを誘っていました)。

また、このオールスター戦を経て、何かを得られた学生も多かったようです。
「ラグビーを楽しむことを思い出させてもらいました。」
「自分がまだまだだと思い知らされました。」
「コミュニケーションの大切さを改めて感じました。」
「普段よりリラックスしてできたので、いい判断ができました。」
「普段はやらない思い切ったプレーができたので、今後、チームでもできるようにしたいです。」
など、具体的な収穫を聞くことができました。

普段とは違う雰囲気の中で、学生たちも多くの学びを得たようです。夏以降、どのような形で成長につながっていくか、楽しみです。


(文・木村俊太)

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