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2022/8/27【 SUMMER TRAINING GAME 】vs明治大学 マッチレポート

2022/8/27【 SUMMER TRAINING GAME 】vs明治大学 マッチレポート

2022/09/08

《BRIEF REVIEW》

菅平での練習試合最終戦は、明治大学との一戦。春季交流大会で苦杯を喫した相手だけに、なんとかここで勝利し、嫌なイメージを払拭しておきたいところ。さらに夏合宿の集大成として、その成果を確認しておきたいところだ。
立ち上がりは一進一退。No8延原がうまくボールを奪うが、その後、奪い返される。それでもディフェンスでしっかりと対処し、ピンチを防ぐ。
7分、帝京がチャンスを活かす。ラインアウトからつなぎ、FL奥井がいい角度で走り込んでボールをもらう。うまく抜け出して、そのまま走り切ってトライを奪う(7-0)。その後、攻められる時間帯もあるが、SO高本幹、CTB松山、CTB二村、WTB小村らの好タックルで防ぐ。相手の乱れたボールをCTB松山が拾って前進し、チャンスを作る。
17分、FL奥井の好タックルから、相手ボールが乱れ、CTB二村がうまく拾ってつなぐ。WTB小村が抜け出し、さらにCTB松山-FL青木とつないで、青木が抜け出してトライ(14-0)。
22分には、ラインアウトのボールが乱れるものの、ラックでターンオーバーしてつなぐ。最後はCTB松山がいい角度で切れ込んでボールをもらって抜け出し、ディフェンスをかわしてトライ(21-0)。28分には、ラインアウトから15m近くモールを押し込み、PR髙井がトライ(26-0)。
33分、相手のゴールライン・ドロップアウトからカウンターアタック。FL奥井が前進、SO高本幹が仕掛け、WTB小村にパス。小村が抜け出し、走り切ってトライ(33-0)。
その後、攻められるも、WTB谷中らの好タックルで防ぐ。前半終了間際、相手ゴール前でチャンスを得るも、取り切れずにハーフタイム。33-0で前半を折り返した。
ハーフタイムには「0対0のつもりで、まずはディフェンスをしっかりやろう」と声が掛かった。
だが、後半開始直後、ミスやペナルティが重なり、ピンチを招く。6分、ラインアウトからうまくつながれ、トライを許す(33-7)。その後、ゴール前でマイボール・スクラムのチャンスを得るも、逆にペナルティを取られ、得点できない。
さらにミスやペナルティが続き、流れを自ら相手に渡すかのような展開となる。15分には、ラインアウトからモールを押されて、トライを奪われる(33-14)。その後、ゴール前でのチャンスを得るが、ここでも取り切ることができない。嫌な流れが続くが、堅いディフェンスで追加点は許さない。
嫌な流れを断ち切ったのはFWの頑張り、そしてSH李の、相手の隙を見逃さない一瞬の判断だった。28分、スクラムで得たペナルティから、ゴール前でのラインアウト・モールを押し込み、PR梅田がトライ(40-14)。直後の31分には、SH李がペナルティからタップキックでクイック・リスタート。そのまま走り切ってトライを奪う(47-14)。
その後、ラインアウトからのモールで失点するが、終了間際、自陣ゴール前から攻める。45分、SO高本幹のナイスキックでマイボール・ラインアウトを獲得し、展開。WTBツイナカウヴァドラが前進。つかまるも、さらにつないで、CTB二村からFL青木へとパスが渡り、青木が抜け出してトライ。54-19で帝京が夏合宿での練習試合の最終戦を勝利で飾った。


《COLUMN》

―― 0対0のつもりで ――

この日、帝京は春季交流大会で敗れた明治大学に勝利し、夏合宿でのAチームの練習試合を3戦全勝で終えました。しかし、後半の立ち上がりに相手に試合の流れを渡してしまうという反省点も出てしまいました。

ハーフタイムには「0対0のつもりで戦おう」と確認し合っていましたので、全員、そのつもりでプレーしていたはずです。しかし、実際には無意識の領域のどこかに心の隙や安心感があり、相手の全力プレーもあって、失点を重ねてしまいました。ということは、言葉や意識の上で「0対0のつもりでやろう」と確認するだけでなく、無意識の領域にまでそれを納得させなければ実際の効果は低いと言えるでしょう。

今後の対抗戦や大学選手権でも、こうした状況はきっとあるに違いありません。ではどうすればいいのでしょうか。一つ、解決策となり得る方法としては「本当に0対0の時の心理状態を覚えておいて、常にその状態になれるように訓練する」ことがあるでしょう。

前半の最初は本当に0対0です。その時の心理状態は、試合のたびに実際に経験しているはずです。その心理状態を後半の最初や大量リード後に作れれば、「0対0のつもり」を無意識レベルでも作れることになります。

ただし、言うは易く、行うは難し。学生たちは、ここからの公式戦を経験しながら、スキルや戦術とともに、そうした心の作り方も学んでいくことになります。


(文・木村俊太/写真・長尾亜紀)

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