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2022/11/20【 関東大学対抗戦A 】vs明治大学 マッチレポート

2022/11/20【 関東大学対抗戦A 】vs明治大学 マッチレポート

2022/11/24

《試合経過》
【 前半 】
02分 【明治大学】 ペナルティーゴール成功 0-3
04分 【帝京大学】 トライ 敵陣連続攻撃から右に展開し14小村がトライ 10高本ゴール成功 7-3
22分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前で10高本がペナルティーからタップしそのままトライ ゴール不成功 12-3
41分 【明治大学】 ペナルティーゴール成功 12-6

前半終了:帝京大学 12-6 明治大学

【 後半 】
04分 【帝京大学】 トライ 自陣で14小村がインターセプトし、そのままトライ 10高本ゴール成功 19-6
10分 【帝京大学】 トライ 敵陣連続攻撃から最後は7奥井がトライ 10高本ゴール成功 26-6
16分 【明治大学】 トライ 12番がインターセプトし、そのままトライ ゴール成功 26-13
20分 【帝京大学】 5 江里口真弘 → 20 尹礼温
30分 【帝京大学】 1 髙井翔太 → 17 津村大志 , 3 上杉太郎 → 18 崔暢賢
38分 【帝京大学】 4 山川一瑳 → 19 ダアンジャロ・アスイ
39分 【帝京大学】 ペナルティーゴール成功 10高本ゴール成功 28-13
41分 【帝京大学】 2 江良颯 → 16 福井翔 , 9 李錦寿 → 21 岡本泰斉 , 11 高本とむ → 23 戒田慶都 , 12 五島源 → 22 大町佳生

試合終了:帝京大学 29-13 明治大学

(試合速報担当:4年 湯浅宏太 3年 辺 純鍾,池上玲央)


《BRIEF REVIEW》

対抗戦第6戦は明治大学との対抗戦全対決。帝京はこの試合で3トライ以上の差をつけて勝利して勝ち点5を獲得すると、次の最終戦の勝敗にかかわらず、対抗戦優勝と大学選手権1位枠での出場が決まる。逆に敗れると優勝争いから一歩後退となる。また、対戦相手の明治大学は、5月の春季大会で敗れている相手。帝京としては絶対に負けられない一戦だ。
しかし、試合開始直後、相手の鋭い出足にペナルティを犯してしまい、ペナルティゴールを決められてしまう(0-3)。
それでも冷静に試合を進める帝京。FB谷中の好タッチキックで敵陣深くまで攻め込み、チャンスを作る。4分、ラインアウトから展開し、HO江良が前進。ラックからSH李-SO高本幹也-WTB小村と渡り、小村が逆転トライを決める(7-3)。
ピンチの場面もあるが、FB谷中の好タックルで止めると、その後、セットプレーが続く展開となる。帝京がスクラムをプッシュし、ペナルティを得るが、ラインアウトがノットストレートとなる。相手ボールのスクラムも帝京がプッシュし、ペナルティを得るが、次のラインアウトでまたしてもノットストレート。帝京がじわじわと前進するものの、ラインアウトで苦しみ、チャンスを活かすことができない。
スコアが動いたのは27分。No8延原の抜け出しからチャンスを作り、ゴール前でペナルティを得る。ここで帝京はスクラムを選択。ペナルティをもらいながら、何度もスクラムを組み直し、さらにアドバンテージをもらった状態で展開。キックパスは通らないが、スクラムでのペナルティが適用される。多くの人が「もう一度、スクラムか」と思った瞬間、SO高本幹也がレフリーに確認してから、クイックリスタート。そのまま飛び込んでトライを奪った(12―3)。
その後は一進一退の展開。ピンチとなる場面も増えるが、それでも帝京は全員で必死のタックルを続けて守る。攻められても粘り強くタックルし続け、相手の前進を許さない。
41分、PGを決められ、12-6で前半を折り返した。
後半は雨がやや強くなる中でのキックオフとなった。6点差、どちらも次の得点が先にほしい局面で先に得点したのは帝京だった。攻め込まれる展開の中、WTB小村がパス・インターセプト。自陣から50m以上を走り切り、トライを奪う(19-6)。
11分には、ラインアウトから攻める。CTB二村がいい角度で走り込んでパスをもらい、前進。ラックからFL奥井が持ち出してトライ(26-6)。
このあと、スクラムでペナルティを取られる場面もあるが、直後のスクラムではすぐに修正し、逆にペナルティをもらう。
17分、パス・インターセプトされて失点を許すが(26-13)、その後はピンチの場面でもしっかりと守る。CTB五島がうまくターンオーバーし、FL青木の前進でチャンスを作る。HO江良が持ち込むが惜しくもノックオン。
2トライ2ゴールで逆転可能な13点差という微妙な得点差のまま、試合が進む。なんとか得点差を広げようと、PGを狙うも決まらない。
それでもディフェンスに安定感があり、相手に大きな前進を許さない。後半30分にPRが津村と崔に入替となるが、スクラムの安定度は変わらず、強烈な押しでペナルティを得る。
帝京は最後まで安定した戦いを続け、40分にペナルティを得て、SO高本幹也がPGを決め(29-13)、ようやく2トライ2ゴールでは逆転できない得点差にする。
センタースクラムからのボールをタッチに蹴り出し、ノーサイド。帝京が29-13で勝利し、明治大学との全勝対決を制した。勝ち点4に加え、3トライ差以上での勝利というボーナスポイント1も獲得し、合計の勝ち点は30。これにより、帝京の対抗戦優勝、および大学選手権1位枠での出場が決まった。


《COLUMN》

―― 対抗戦優勝 ――

帝京はこの日、明治大学に29-13で勝利し、勝ち点5を獲得した結果、今シーズンの対抗戦優勝と対抗戦1位枠での大学選手権出場を決めました。対抗戦優勝は2年連続11回目(同率優勝を含む)です。

「対抗戦とはもともとは『対校戦』で、それぞれの大学の対戦の集まりなので、優勝という概念はないのだ」などという考えもあるようですが、やはり対抗戦が歩んできた歴史と伝統を考えれば、ここで1位になる価値はけっして小さなものではありません。

帝京が対抗戦に正式に加盟したのは1978(昭和53)年。その前年には準加盟という形で参加しています。ですが、簡単に加盟できたわけではありません。帝京の対抗戦加盟には数多くの方々のご尽力がありました。

まずは、現在の名誉顧問・増村昭策さん(日本体育大学OB)。増村さんは岩出雅之前監督を帝京に招いた人でもあります。その増村さんとともに奔走されたのが、早稲田大学元監督の白井善三郎さん。さらにもうお一方、明治大学元監督の北島忠治さん。白井さんと増村さんが北島さんのもとを訪れ、帝京の対抗戦加盟をお願いすると、北島さんは二つ返事で「いいよ」と答えられ、すぐに対抗戦の各大学に「帝京と試合をしてやってくれ」と連絡してくださったそうです。

このお三人とも「ラグビーをさらに盛り上げていくために」という思いで、帝京の対抗戦加盟に尽力してくださいました。また、白井さんが早稲田大学の監督に就任すると、早稲田大学OB水上茂さんが帝京の監督に就任。コーチ陣も早稲田大学OBの方々が何人も来てくださいました。

岩出前監督就任前の話ですが、こうした方々のご尽力なしには、帝京の対抗戦加盟もありませんでしたし、そうなれば今回の11度目の優勝もなかったわけです。

他大学の先人たちに支えられて、強くなってきた帝京。対抗戦でその強い姿を見せることは、こうした先人たちへの恩返しでもあると思います。


(文・木村俊太/写真・志賀由佳)

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