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2022/12/25【 大学選手権大会 準々決勝 】vs同志社大学 マッチレポート

2022/12/25【 大学選手権大会 準々決勝 】vs同志社大学 マッチレポート

2022/12/31

《試合経過》
【 前半 】
10分 【帝京大学】トライ 敵陣連続攻撃から10高本が抜け出し6青木に繋いでトライ 10高本ゴール成功 7-0
23分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前スクラムから10高本から8奥井へ繋ぎトライ 10高本ゴール成功 14-0
40分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前スクラムから左へ展開し11高本がトライ ゴール不成功 19-0

前半終了:帝京大学 19-0 同志社大学

【 後半 】
03分 【帝京大学】トライ 敵陣ラインアウトから展開し、最後は2江良がトライ ゴール不成功 24–0
09分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成し、2江良が抜け出しトライ ゴール不成功 29-0
21分 【帝京大学】 1 髙井翔太 → 17 津村大志 , 3 上杉太郎 → 18 崔暢賢
23分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前スクラムから展開し、10高本トライ 10高本ゴール成功 36-0
24分 【帝京大学】 2 江良颯 → 16 福井翔 , 4 本橋拓馬 → 19 ダアンジャロ・アスイ , 12 松山千大 → 22 五島源
26分 【帝京大学】 6 青木恵斗 → 20 延原秀飛
28分 【帝京大学】 15 谷中樹平 → 23 戒田慶都 , 9 李錦寿 → 21 岡本泰斉
33分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前で継続し、22五島が裏へ転がし13二村が押さえトライ 10高本ゴール成功 43-0
40分 【帝京大学】トライ 中盤ラインアウトから22五島が抜け出しそのままトライ 10高本ゴール成功 50-0

試合終了:帝京大学 50-0 同志社大学

(試合速報担当:4年 湯浅宏太 3年 辺 純鍾,池上玲央)


《BRIEF REVIEW》

いよいよ始まった大学選手権。帝京は対抗戦1位枠での出場で、この日の準々決勝が初戦。相手は関西リーグ3位枠で出場する伝統校の同志社大学。昨年度も対戦があり(一昨年は新型コロナの影響で帝京が不戦勝)、帝京が大差で勝利しているが、相手はその時の敗戦を糧にこの1年を過ごしてきたという。1年ぶりの戦いとなるが、けっして油断できない相手だ。
試合序盤は帝京有利な展開で進む。ゴール前でのチャンスで取り切れない場面もあったが、10分、相手ボールのラインアウトを奪って連続攻撃を仕掛ける。SO高本幹也が前進し、FL青木にパス。青木が相手ディフェンスをかわして先制トライを奪う(7-0)。
23分には、スクラムから攻める。SO高本幹也が仕掛け、つかまりかけるが、オフロードパスでNo.8奥井につなぎ、奥井が抜け出してトライ(14-0)。
しかし、ここから帝京にペナルティが増えていく。自陣深くまで攻め込まれる機会も増えるが、帝京は全員が必死のディフェンスで守る。WTB小村が50:22のキックを見せ、ピンチをチャンスに変える。だが、さらに帝京のペナルティは増え続ける。ピンチも増えるが、接点とセットプレーで相手にプレッシャーを掛けて守る。
前半終了間際の40分、ようやく帝京に追加点のチャンスが訪れる。スクラムから攻め、SH李-CTB松山-SO高本幹也-FB谷中-WTB高本とむ と渡り、高本とむ が抜け出してトライ。19-0で前半を折り返した。
後半も序盤は帝京ペース。3分にはラインアウトから攻め、No.8奥井がうまく抜け出す。HO江良にパスし、江良が走り切ってトライ(24-0)。9分にはラインアウトからモールを形成。HO江良が持ち出し、ディフェンスを弾き飛ばしてトライ(29-0)。
しかしここからまたも帝京のペナルティが増え、攻め込まれる時間帯になる。相手のサインプレーからの攻撃でピンチになるが、FB谷中の好タックルでなんとか止める。相手が得意としていたモール攻撃も防ぎ、必死のディフェンスからラックでターンオーバーしてピンチを脱する。
23分、相手ボールのスクラムを押し込み、ターンオーバー。No.8奥井が拾って、SO高本幹也にパス。高本幹也がタックルをかわしながら前進し、そのままトライ(36-0)。
このあと、またも帝京のペナルティが増えてしまうが、CTB二村、No8奥井らの好タックルで守る。
途中出場組も気を吐く。HO福井、FB戒田らがボールキャリーで力強く前進。PR崔はSHが巻き込まれたラックからのボールをパスアウト。
さらにCTB五島が魅せる。33分、ラインアウトから攻め、ラックからSH岡本-CTB五島と渡り、五島が前方へキック。走り込んだCTB二村がインゴールで押さえてトライ(43-0)。40分には相手ボールのラインアウトを奪って連続攻撃。ラックからSH岡本-CTB五島と渡り、五島が自陣から仕掛ける。ディフェンスをかわして抜け出すと、巧みなステップを交えながら50m以上を走り切ってそのままトライ。ホーンが鳴り、ゴールキックも決まってノーサイド。50-0で帝京が勝利し、1月2日に国立競技場で行われる準決勝への進出を決めた。


《COLUMN》

―― ディフェンス力で勝利する ――

この日、帝京は50-0で同志社大学に勝利し、大学選手権準決勝進出を決めました。50-0というスコアだけを見ますと「帝京の圧勝」のようにも見えますが、試合の内容自体は「圧勝」とは言い難い、苦戦の連続でした。

その最も大きな原因はペナルティの多さでしょう。相手が4に対して、帝京のペナルティは16。アドバンテージが解消されたものについては相手のペナルティ数に計上されていないという点を差し引いても、帝京が試合内容で苦しんだ最大の要因はこのペナルティの多さにあったことは間違いないでしょう。今後の試合では、ペナルティがそのまま失点につながり、さらには勝敗の分かれ目となることも十分にあり得ます。改善が必要なことは言うまでもありません。

ただ、逆に言うと、それだけ多くのペナルティを取られながらも相手を失点ゼロで抑えたという点は、特筆すべきでしょう。その要因はもちろん、帝京のディフェンス力の高さです。攻め込まれても、攻め込まれても、必死のディフェンスで守り続けた結果が「失点ゼロ」となったのです。

ディフェンス力と一言で言っても個人のタックルスキルから組織ディフェンス、さらには接点やセットプレーでの圧力などもあります。帝京はこれらすべてにおいて、総合的に高いレベルを保つことができ、それによって大きなディフェンス力を発揮することができました。

関東協会から対抗戦におけるチーム記録が発表されています。それによりますと、帝京は7試合で失トライが8、総失点は70でした。2位の明治大学は失トライ12、総失点102、3位の早稲田大学は失トライ18、総失点129でしたので、帝京のディフェンス力がいかに高かったかが、対抗戦の結果からもよくわかると思います。

もちろん、対戦相手は攻撃力の高い帝京に多くのトライを奪われているから失トライや総失点が多いということもありますが、それを考慮しても帝京のディフェンス力の高さは十分に特筆すべきことだと言えます。

ここからの戦いは、これまで以上にディフェンス力が問われるゲームとなることでしょう。ペナルティを減らすこととともに、どちらのチームがディフェンス力で上回れるか。それが勝敗を決することになるのではないでしょうか。

いよいよ次は準決勝。帝京のディフェンス力に注目です。

(文・木村俊太/写真・志賀由佳)

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