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2023/04/16【 宮崎県招待試合】vs同志社大学 マッチレポート

2023/04/16【 宮崎県招待試合】vs同志社大学 マッチレポート

2023/04/27

ラグビー日本代表の強化合宿などを想定して宮崎市につくられたアミノバイタルトレーニングセンター宮崎で、開所式ならびにオープニング記念試合「帝京大学対同志社大学」が行われた。
強い風が吹く中、立ち上がりは一進一退。FL奥井のジャッカルでペナルティキックをもらい、敵陣に進むが、お互いにミスが出てチャンスを掴みきれない。だが、帝京はスクラムでチャンスをつくる。スクラムを押し込み、ペナルティのアドバンテージをもらいながらBKへ展開。SO井上が前方へグラウンダーのキックを蹴ると、WTB高本が走り込んでキャッチ。すぐにFB山口へとパスし、山口がそのままトライ。6分に帝京が先制点をあげた(7-0)。
その後、攻められる時間帯となるが、帝京は鋭い出足のディフェンスで守り、攻め返す。18分、敵陣ゴール前での相手ボールスクラムを押し込んでペナルティをもらうと、FL青木がクイック・リスタート。FL奥井にパスし、奥井がトライ(14-0)。直後の21分には、ラインアウトから連続攻撃。LO本橋からのショートパスをHO江良が走り込んで受けて抜け出すと、敵陣10mライン付近からそのまま走り切ってトライ(21-0)。
ここから帝京がペースを掴み、得点を重ねていく。25分、ラインアウトから展開。FB山口が抜け出し、SH李にパス。さらに、WTB小村へとパスし、小村がトライ(28-0)。31分、ラインアウトからモールを押し込み、HO江良がトライ。33分、キックオフからのこぼれ球をWTB高本がうまく拾ってつなぐ。WTB小村が抜け出し、最後はSH李にパスして李がトライ(42-0)。さらに36分、ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH李-HO江良と渡り、江良が抜け出してトライ。前半を49-0で折り返した。
後半は、開始直後に攻められる時間帯もあったが、しっかりと守ってチャンスにつなげる。11分、ラインアウトからモールを押し込み、HO江良がトライ(54-0)。16分にもラインアウトからモールを押し込み、HO江良がトライ(61-0)。
ここから風の影響か、両チームともノックオンが増える。ただ、スクラムで優位に立つ帝京にとっては。これも有利に作用することになる。26分、スクラムで得たペナルティキックでゴール前まで攻め込み、ラインアウト。モールを押し切って、HO當眞がトライ(68-0)。
29分には、WTB森の鋭い出足で相手のパスミスを誘ってターンオーバー。そこからつないで、最後はLO本橋がトライ(75-0)。
この後、攻められる時間帯もあるが、全員でしっかり守り、こぼれ球をFL池上がキックで前方へと運ぶ。相手の反則を誘い、CTB久木野がクイック・リスタートで展開。WTB神田にパスし、神田が抜け出してトライ(82-0)。
その後、相手に走り込まれてピンチとなる場面もあるが、全員がしっかりと戻ってターンオーバー。そこから逆にチャンスを作り、41分、ラインアウトからのモールを押し込み、HO當眞がトライ。FB山口が難しい位置からのゴールキックを決めたところでノーサイド。89-0で帝京が勝利を収めた。


《POST MATCH INTERVIEW》

■相馬朋和監督
「まずはこのようなすばらしい施設のオープニングゲームにご招待いただき、そしてたくさんの方々にプレーをお見せすることができたことに、関係者の皆様並びに対戦してくださった同志社大学の皆様に篤く御礼申し上げます。
ゲームの方は、点差は開きましたが、我々がすべてうまくいったという展開ではなく、ミスや噛み合わない部分もあり、やや荒っぽいところもありました。個人で打開していく場面も多く、この点差になったのですが、今後はチームとして機能して行けるようになってほしいと思っています。
その点は学生たちの方が私よりもよくわかっていると思いますし、グラウンドの中にコーチが何人もいるようなチームですので、特に心配はしていません。伸びしろがたくさんあるということなので、このチームが今後、どう成長していってくれるか、とても楽しみです。」


■キャプテン・HO江良颯(4年)
「今日はすばらしいグラウンドでラグビーをさせていただき、ありがとうございました。
今日の試合は、FWの強さを出すことができたと感じています。ただ、強さは出せたのですが、細かなスキルの部分でのミスや甘さも出てしまい、修正点だらけの試合でした。こうした甘さが僅差の試合や、決勝戦のような大きな試合で出てしまうと敗戦につながりかねないので、練習からディテールの部分をもっと大事に取り組んでいきたいと思います。
新チームになって日が浅いとはいえ、まだまだチームになっていなくて、個人で戦って、個人で点差を開けているというのが現状です。ただ、これだけ個人の強さがあるということは、チームとして戦えるようになればもっともっと強くなれると思うので、今後の練習でしっかりチームになっていきたいと思います。
新チームを率いる立場になって、あらためて『グラウンド内』と『グラウンド外』とはつながっているんだなと感じています。グラウンド外で甘い行動が出た週は、練習でも甘さが出てしまいます。グラウンド内では『グレーをなくそう』と言っているのですが、それが練習でできていないときには、グラウンド外でも掃除がやや疎かになっているなど、グラウンド内外での行動のつながりをとても感じています。日頃からグラウンド外の行動についてもしっかりと見つめて、自分たちが目指しているところはどこなのかを考えていかなければいけないと痛感しています。
次の試合は、このチームでの初の公式戦になるので、ハードワークして、ひたむきに泥臭く、仲間のために体を張り続けるような、苦しくても走り続けるような帝京らしさを発揮して、試合で体現できるように、僕が率先してみんなにアプローチしていきたいと思います。」


《COLUMN》
宮崎県宮崎市に新しく完成したアミノバイタルトレーニングセンター宮崎のオープニング記念試合に招待された帝京。いわゆる「こけら落とし」となったゲームは、89-0というスコアで帝京が勝利しました。

このアミノバイタルトレーニングセンターは、リゾート施設「シーガイア」にあります。ホテル、温泉施設、テニスクラブ、ゴルフコース、動物園、植物園などが併設された大型リゾート施設の一環としてつくられました。ラグビーやサッカー、野球などの代表合宿の拠点としての活用が期待されています。

4月1日オープンということで、野球のWBC「侍ジャパン」の合宿には間に合わなかったようですが、今後はさまざまなスポーツの強化合宿の場として活用されていくことでしょう。

これから、ラグビーの代表合宿でも大いに活用されることになるはずで、この日、ここでプレーしたメンバーの何人かは、将来、日本代表としてこの地に戻ってくることになるのではないでしょうか。

また、この試合の前日にはラグビー教室として地元宮崎の子どもたちにラグビーを教えるイベントが行われました。そのラグビー教室参加者の中からも、将来の日本代表選手が現れるかもしれません。

昔からプロ野球球団のキャンプ地としても知られる宮崎。温暖な気候や食べ物のおいしさなどがスポーツ選手に好まれる理由なのでしょう。

今後も、宮崎が日本のスポーツをますます熱くしてくれそうです。

(文/木村俊太)

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