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2023/11/19【 関東大学対抗戦A 】vs明治大学 マッチレポート

2023/11/19【 関東大学対抗戦A 】vs明治大学 マッチレポート

2023/11/20

関東大学対抗戦A 対明治大学戦

11月19日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学43-11明治大学●

《BRIEF REVIEW》

対抗戦第6戦は、明治大学との全勝対決。勝った方が対抗戦優勝に近づく大一番となった。帝京はBKのメンバー、ポジションをこれまでと少し変更し、先発陣は全員3、4年生という布陣で臨んだ。
開始直後、帝京がチャンスを得る。キックオフから、相手ボールをLO尹がターンオーバーして攻め込む。しかし、ここはミス、さらにはペナルティも取られ、得点までは至らない。
得点が動いたのは6分。相手のインゴール・ドロップアウトからのカウンター攻撃でつないで前進。ラックからSH李-SO井上-WTB小村と渡り、小村が走り切ってトライ(7-0)。
その後、ミスやペナルティがあり、11分にはラインアウトからモールを押し込まれてトライを奪われてしまう(7-5)。さらに攻められる時間帯となるが、FL奥井、No.8延原らの好タックル、スクラムでのプレッシャー、WTB小村らの好タックルなどもあり、前進を許さない。
27分、スクラムから連続攻撃。WTB高本(とむ)が前進。ラックからSH李-FL青木と渡り、青木が抜け出してトライを奪う(12-5)。
さらに攻められる時間となるが、FL青木、HO江良らのすばやい戻りもあり、しっかりと守る。相手ボールのラインアウトをターンオーバーし、うまくつないで、WTB小村のキックでピンチを脱する。
35分にはPGを決められ、12-8と迫られるが、38分、WTB小村のハイパントキャッチ、アスイの前進でチャンスを得る。ゴール前でペナルティをもらい、ここはPGを選択。FB山口がしっかりと決めて15-8と差を広げる。
前半終了間際の41分には、相手のドロップアウトからのボールをつなぎ、WTB小村の前方へのキックが50:22となる。そのラインアウトで、No.8延原から走り込んだFL奥井にパスし、奥井が抜け出してトライ。前半を22-8で折り返した。
ハーフタイムには、継続の意識、自陣からはエリアを考えてキックも有効に使う、タックルでは飛び込まない、逆境を楽しむことなどが確認された。
後半開始早々はまたもミスとペナルティが重なり、6分にはPGを決められる(22-11)。さらにペナルティなどでピンチとなるが、PR津村のナイスタックルでHO江良がジャッカル。FB山口の好タッチキックもあり、ピンチを脱する。
直後、CTB久木野、SH李、No.8延原らが重苦しい流れを変えるビッグプレーを見せる。相手ボール・スクラムからの展開に対し、CTB久木野が強烈なタックルを繰り出し、ノックオンを誘う。そのボールを帝京がキープし、SH李がすばやく前方へキック。No.8延原、FB山口らが全力でチェイスし、延原が相手のキックをチャージする。
敵陣ゴール前での相手ボールのラインアウトを、FL青木がうまくターンオーバー。連続攻撃から、最後はFL奥井がラックから持ち出してトライ(20分、29-11)。
31分には、スクラムでペナルティを奪い、チャンスを作る。ラインアウトからフェイズを重ね、最後はFL青木がディフェンスを3人弾き飛ばしてトライ(36-11)。
その後、FB山口がフェアキャッチからすばやく好タッチキックを蹴り、ピンチを防ぎ、さらに相手のキックをSH李がうまく処理し、山口にパス。山口のキックが50:22となる。
一度はミスで相手ボール・スクラムとなるが、相手のノータッチキックをWTB小村がキャッチし、自ら仕掛ける。ステップを切りながら抜け出し、インゴールまで走り切ってトライ(38分、43-11)。
終了間際、ピンチもあるが、HO當眞、FL奥井らの好タックルなどで守る。最後はSH上村、No.8ダウナカマカマの好タックルからFB山口がジャッカルし、ノーサイド。43-11で帝京が勝利し、勝点を29と伸ばして、対抗戦単独首位に躍り出た。


《COLUMN》

―― スタンドの赤い面積が広くなってきた ――

明治大学との対抗戦全勝対決は、帝京が見事に勝利しました。前節での反省点を踏まえ、相当しっかりと準備を整えてきたことがうかがえる試合運びだったと思います。

試合内容とは別に気付いたことがありました。それは秩父宮ラグビー場の観客席の「赤い面積」が以前に比べて、格段に広くなっていると感じたことでした。帝京の応援シャツを着て、応援旗を振っているお客さんが多くなっている、つまりラグビー場へと足を運んでくださる帝京ファンが確実に増えているのです。

以前は、伝統校との対戦では相手のファンの多さに圧倒され、会場全体が「アウェイ」感に包まれるのが当たり前という時代が続きました。声援も、相手の得点シーンには会場全体が沸き、帝京の得点シーンでは静まり返るのが常でした。

しかし、この日は少し違いました。

もちろん、比率で言えばまだまだ伝統校のファンの方が多いのですが、以前が「9:1」くらいの比率だったとしたら(これでもやや甘く見積もっている気がしますが……)、この日は「7:3」か、それ以上の人数が帝京ファンに見えましたし、「帝京頑張れ!」という声援もたくさん聞こえてきました。

これまでのチーム関係者の皆さん、部員たちや保護者の方々、OB会の皆さん、大学関係者の皆さん、現役の学生さんたち(帝京スポーツサポーターの会など)といった、多くの人たちの地道な活動の成果が、少しずつ実を結び始めているのではないでしょうか。

スタンドからの声援、赤い面積は、ピッチに立つ学生たちに大きな力を与えてくれます。新型コロナによる制限も大幅に緩和されたことで、ようやくこうしたお願いもできるようになりました。

これからさらに厳しい戦いが続きますが、ぜひ多くの方々にスタジアムに足をお運びいただき、スタンドから学生たちに直接、力を送っていただけたらと思います。

(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

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