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2025/5/19【 関東大学春季交流大会Aリーグ】vs大東文化大学 マッチレポート
2025/05/19
5月18日(月)・百草グラウンド
○帝京大学95-0大東文化大学●
《BRIEF REVIEW》
いよいよ新シーズンの公式戦が始まった。初戦の対戦相手は、昨季リーグ戦1位の大東文化大学。伝統的に、勢いに乗ると非常に怖いチーム。帝京としてはまずはディフェンスから試合のペースをつかみたい。
帝京は開始早々スクラムでペナルティをもらう。WTB吉田(有佑)の突破などでチャンスを作るも、ここはミスが出て、得点には至らない。最初の得点は5分。ラインアウトからモールを押し込み、FL甲斐がトライ(5-0)。
その後も帝京が攻め、WTB生田がトライかと思われたが、グラウンディングが認められず、ノックフォワード(ノックオン)の判定。ここはしっかり切り替えて、帝京がなおも攻め続ける。
19分、ラインアウトから連続攻撃。FB吉田(琉)が前進。FL甲斐にパスが渡り、さらにWTB吉田(有佑)に渡り、吉田がディフェンスをかわしながら走り切ってトライ(12-0)。24分には、自陣でのスクラムから連続攻撃。CTB日隈、WTB吉田(有佑)が前進。ラックから、SH武智-LO鈴木(彪)-SO本橋-SH武智-PR森山と渡り、森山が前進してトライ(19-0)。
続く27分、WTB吉田(有佑)の好タックルでターンオーバー。CTB日隈、No.8ダウナカマカマが前進。ラックから、SH武智-CTB上田(倭士)-WTB吉田(有佑)-CTB日隈と渡り、日隈が抜け出してトライ(24-0)。34分には、相手ボールのスクラムを押し込んでターンオーバー。NO.8ダウナカマカマが持ち出してトライ(31-0)。
38分、ラインアウトからつなぐ。ラックから、SH武智-SO本橋と渡り、本橋が仕掛けて、そのまま走り切ってトライ(38-0)。40分、SH明智のボックスキックをFL甲斐がうまく拾ってつなぐ。ラックから、SH武智-SO本橋-FL河村-FB吉田(琉)-CTB日隈と渡り、日隈がタックルをかわして走り切ってトライを奪い、前半を43-0で折り返した。
後半も帝京が試合の主導権を握り続ける。開始早々、FL甲斐のスティール(ジャッカル)で勢いを得る。3分、ラインアウトからモールを押し込み、FL甲斐がトライ(50-0)。
10分過ぎからはリザーブメンバーも登場。13分、ラインアウトからモールを押し込み、崩れるも、ここからつなぐ。ラックから、SH武智-LO福田(大)と渡り、福田が前進してトライ(57-0)。18分には、相手ボールのラインアウトが乱れたところをターンオーバーしてつなぐ。ラックから、SH武智-No/8ダウナカマカマ-PR森山と渡り、森山が前進。最後はHO松隈(孝成)に渡り、松隈が抜け出してトライ(64-0)。
21分、スクラムから連続攻撃。ラックから、SH武智-CTB大町-SO本橋-CTB上田(倭士)-CTB日隈と渡り、日隈がトライ(69-0)。その後、攻められる場面もあるが、CTB大町の好タックルにNo.8ダウナカマカマがからんでスティール(ジャッカル)成功。
27分、ラインアウトからモールを押し込み、HO松隈(孝成)が持ち出してトライ(76-0)。32分、ラインアウトから連続攻撃。ラックから、SH赤迫-PR上野と渡り、上野が相手ディフェンスをかわしてトライ(83-0)。36分にもラインアウトからつなぎ、SH赤迫-SO新澤-CTB大町と渡り、大町が抜け出してトライ(90-0)。
39分には、自陣でのラインアウトから連続攻撃。WTB細川、No.8ダウナカマカマが前進。さらにFB吉田(琉)が前進し、タックルを受けて後ろにこぼれたボールをCTB大町が拾ってトライ。帝京は春季大会初戦を95-0で勝利した。
《COLUMN》
―― 快勝後、相馬監督が厳しいアドバイスをしたわけは? ――
2025年度の春シーズンが始まり、帝京は昨年度のリーグ戦覇者・大東文化大学を相手に95-0と快勝しました。しかし、笑顔で戻ってくる選手たちを、相馬監督は険しい表情で迎え、そしてやや“怒気を含んだ”と言ってもいいような厳しい声を掛けました。
もちろん、スコア上は快勝だったとはいえ、細かなミスもたくさんありました。しかし、相馬監督が厳しい声掛けをした理由は、そこではありませんでした。相馬監督は80分経過後の最後のプレーについて言及したのです。
相手がペナルティをおかし、自分たちがまだ攻め続ける機会があったにもかかわらず、タップキックからタッチに蹴り出し、試合を終わらせました。このプレーに対して学生たちに「理解できない」と伝えたのです。
「春季大会は公式戦ではあるが、同時にトレーニングの場でもある。なぜ、せっかくトレーニングできる機会があるのに、最後のワンプレーで自らその機会を捨てたのか。」
「君たちはよく『自分にファーストジャージを着る機会を与えてほしい』と懇願する。しかし、それを着たとたんに自らその機会を捨ててしまうのはなぜなのか。」
「今日が大学選手権決勝なら、あれでいい。しかし、これからどんどん成長していこうという春シーズンのこの時期に、自らその成長の機会を捨てる理由がわからない。」
このあと行った監督インタビューでも表情は笑顔ながら「『前代未聞! 激怒した監督がインタビューを拒否』くらいに書いてもいいですよ」と語るなど、この件について学生たちにしっかりと伝わってほしいという思いがひしひしと感じられました。
この時期、最も大切なことは結果ではなく過程であり、過程の検証が成長につながる。頭では皆、理解しているはずなのに、80分が経過したら、試合を終わらせ、過程の検証ができる機会を自ら捨ててしまいました。学生たちに「80分経ったら試合は終わり」という“思考のフレーム”が強固にできあがってしまっているのでしょう。
相馬監督は学生たちに、そんな思考フレームを打ち崩して、とにかく成長にフォーカスしてほしいというメッセージを伝えたかったのだと思います。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学95-0大東文化大学●
《BRIEF REVIEW》
いよいよ新シーズンの公式戦が始まった。初戦の対戦相手は、昨季リーグ戦1位の大東文化大学。伝統的に、勢いに乗ると非常に怖いチーム。帝京としてはまずはディフェンスから試合のペースをつかみたい。
帝京は開始早々スクラムでペナルティをもらう。WTB吉田(有佑)の突破などでチャンスを作るも、ここはミスが出て、得点には至らない。最初の得点は5分。ラインアウトからモールを押し込み、FL甲斐がトライ(5-0)。
その後も帝京が攻め、WTB生田がトライかと思われたが、グラウンディングが認められず、ノックフォワード(ノックオン)の判定。ここはしっかり切り替えて、帝京がなおも攻め続ける。
19分、ラインアウトから連続攻撃。FB吉田(琉)が前進。FL甲斐にパスが渡り、さらにWTB吉田(有佑)に渡り、吉田がディフェンスをかわしながら走り切ってトライ(12-0)。24分には、自陣でのスクラムから連続攻撃。CTB日隈、WTB吉田(有佑)が前進。ラックから、SH武智-LO鈴木(彪)-SO本橋-SH武智-PR森山と渡り、森山が前進してトライ(19-0)。
続く27分、WTB吉田(有佑)の好タックルでターンオーバー。CTB日隈、No.8ダウナカマカマが前進。ラックから、SH武智-CTB上田(倭士)-WTB吉田(有佑)-CTB日隈と渡り、日隈が抜け出してトライ(24-0)。34分には、相手ボールのスクラムを押し込んでターンオーバー。NO.8ダウナカマカマが持ち出してトライ(31-0)。
38分、ラインアウトからつなぐ。ラックから、SH武智-SO本橋と渡り、本橋が仕掛けて、そのまま走り切ってトライ(38-0)。40分、SH明智のボックスキックをFL甲斐がうまく拾ってつなぐ。ラックから、SH武智-SO本橋-FL河村-FB吉田(琉)-CTB日隈と渡り、日隈がタックルをかわして走り切ってトライを奪い、前半を43-0で折り返した。
後半も帝京が試合の主導権を握り続ける。開始早々、FL甲斐のスティール(ジャッカル)で勢いを得る。3分、ラインアウトからモールを押し込み、FL甲斐がトライ(50-0)。
10分過ぎからはリザーブメンバーも登場。13分、ラインアウトからモールを押し込み、崩れるも、ここからつなぐ。ラックから、SH武智-LO福田(大)と渡り、福田が前進してトライ(57-0)。18分には、相手ボールのラインアウトが乱れたところをターンオーバーしてつなぐ。ラックから、SH武智-No/8ダウナカマカマ-PR森山と渡り、森山が前進。最後はHO松隈(孝成)に渡り、松隈が抜け出してトライ(64-0)。
21分、スクラムから連続攻撃。ラックから、SH武智-CTB大町-SO本橋-CTB上田(倭士)-CTB日隈と渡り、日隈がトライ(69-0)。その後、攻められる場面もあるが、CTB大町の好タックルにNo.8ダウナカマカマがからんでスティール(ジャッカル)成功。
27分、ラインアウトからモールを押し込み、HO松隈(孝成)が持ち出してトライ(76-0)。32分、ラインアウトから連続攻撃。ラックから、SH赤迫-PR上野と渡り、上野が相手ディフェンスをかわしてトライ(83-0)。36分にもラインアウトからつなぎ、SH赤迫-SO新澤-CTB大町と渡り、大町が抜け出してトライ(90-0)。
39分には、自陣でのラインアウトから連続攻撃。WTB細川、No.8ダウナカマカマが前進。さらにFB吉田(琉)が前進し、タックルを受けて後ろにこぼれたボールをCTB大町が拾ってトライ。帝京は春季大会初戦を95-0で勝利した。
《COLUMN》
―― 快勝後、相馬監督が厳しいアドバイスをしたわけは? ――
2025年度の春シーズンが始まり、帝京は昨年度のリーグ戦覇者・大東文化大学を相手に95-0と快勝しました。しかし、笑顔で戻ってくる選手たちを、相馬監督は険しい表情で迎え、そしてやや“怒気を含んだ”と言ってもいいような厳しい声を掛けました。
もちろん、スコア上は快勝だったとはいえ、細かなミスもたくさんありました。しかし、相馬監督が厳しい声掛けをした理由は、そこではありませんでした。相馬監督は80分経過後の最後のプレーについて言及したのです。
相手がペナルティをおかし、自分たちがまだ攻め続ける機会があったにもかかわらず、タップキックからタッチに蹴り出し、試合を終わらせました。このプレーに対して学生たちに「理解できない」と伝えたのです。
「春季大会は公式戦ではあるが、同時にトレーニングの場でもある。なぜ、せっかくトレーニングできる機会があるのに、最後のワンプレーで自らその機会を捨てたのか。」
「君たちはよく『自分にファーストジャージを着る機会を与えてほしい』と懇願する。しかし、それを着たとたんに自らその機会を捨ててしまうのはなぜなのか。」
「今日が大学選手権決勝なら、あれでいい。しかし、これからどんどん成長していこうという春シーズンのこの時期に、自らその成長の機会を捨てる理由がわからない。」
このあと行った監督インタビューでも表情は笑顔ながら「『前代未聞! 激怒した監督がインタビューを拒否』くらいに書いてもいいですよ」と語るなど、この件について学生たちにしっかりと伝わってほしいという思いがひしひしと感じられました。
この時期、最も大切なことは結果ではなく過程であり、過程の検証が成長につながる。頭では皆、理解しているはずなのに、80分が経過したら、試合を終わらせ、過程の検証ができる機会を自ら捨ててしまいました。学生たちに「80分経ったら試合は終わり」という“思考のフレーム”が強固にできあがってしまっているのでしょう。
相馬監督は学生たちに、そんな思考フレームを打ち崩して、とにかく成長にフォーカスしてほしいというメッセージを伝えたかったのだと思います。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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