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2025/6/1【 関東大学春季交流大会Aリーグ】vs東洋大学 マッチレポート

2025/6/1【 関東大学春季交流大会Aリーグ】vs東洋大学 マッチレポート

2025/06/02

第13回関東大学春季交流大会A 対東洋大学戦

6月1日(日)・熊谷ラグビー場
○帝京大学66-13東洋大学●


《BRIEF REVIEW》

春季大会第3戦は、昨シーズン、リーグ戦2位の東洋大学。強いフィジカルで粘り強くプレッシャーをかけてくる相手に対して、帝京がどこまで正確なプレーができるかに注目だ。

開始早々、帝京はミスが続き、自陣深くで相手ボールのスクラムとなる。さらにミスが続くが、ラックでターンオーバー。CTB上田(倭士)が大きく前進し、チャンスを作る。

6分、ラインアウトからつなぐ。ラックから、SH武智-LO福田(大)と渡り、福田がダウンボールしたボールをNo.8ダウナカマカマがピック。そのまま前進してトライを奪う(7-0)。

その後、チャンスもあるが、ミスやペナルティでゴール前まで攻め込まれる。しかし、堅いディフェンスで守り続け、FL蔵森のスティール(ジャッカル)でピンチを脱す。だが、チャンスの場面での判断ミスやハンドリングミスなどがあり、得点にまでは至らない。

ようやく得点機が訪れたのは21分。キックカウンターから連続攻撃。LO福田(大)が前進。ラックから、SH武智-No.8ダウナカマカマ-WTB生田と渡り、生田が走り切ってトライ(14-0)。

24分、相手ボールのラインアウトを奪ってつなぐ。アドバンテージをもらい、SO本橋が裏へキック。CTB大町が拾ってそのままトライ(21-0)。30分には、マイボール・スクラムからつなぐ。ラックから、SH武智-LOフィシプナとつなぎ、フィシプナがトライ(26-0)。

このあと、ペナルティから攻められる展開になるが、堅い守りで防ぐ。ハイパントキャッチからチャンスになりかけるが、またもハンドリングミスでうまくつながらない。結局、攻め切れずにハーフタイム。前半を26-0で折り返した。

後半も開始直後にチャンスを掴むが、ここでもミスが出て得点にはつながらない。しかし、4分、ラックでターンオーバーしてつなぐ。ラックから、SH武智-FL蔵森と渡り、蔵森が抜け出してトライ(33-0)。

7分には、FB吉田(琉)が裏へキックし、自ら追いかけて再獲得。ラックから、SH武智-CTB上田(倭士)-No.8ダウナカマカマと渡り、ダウナカマカマが抜け出してトライ(40-0)。

12分、パス・インターセプトされるが、WTB吉田(有佑)の好タックルでターンオーバーしてつなぐ。ラックから、SH武智-HO三浦と渡り、三浦が抜け出してトライ(47-0)。

ただ、ここからペナルティも増えてくる。20分、PGを決められて失点(47-3)。しかし、直後の20分、ラインアウトが乱れるも、CTB佐藤(楓)がうまく拾って前進。CTB上田(倭士)にパスし、上田が走り切ってトライ(54-3)。

その後もペナルティが増え、ピンチが続くが、ラックでターンオーバーしてつなぐ。WTB生田が大きく前進。WTB福田(正)-FB髙本と渡り、高本が走り切ってトライ(61-3)。

32分にPGを決められ(61-6)、35分にはペナルティからのラインアウトで抜け出されて、トライを奪われる(61-13)。

しかし、終了間際の44分、キックカウンターからつなぐ。CTB佐藤(楓)-FL蔵森とつなぎ、蔵森が抜け出してトライ。

帝京が66-13で勝利し、春季交流大会3連勝とした。

《COLUMN》
―― 油断なき油断 ――

帝京はこの日の勝利で、春季交流大会3連勝としました。勝敗という点では、危なげない勝利と言っていいと思います。しかし、ロッカールームでは、ハーフタイムも試合後も、相馬監督や選手たちから厳しい言葉が飛び交いました。

ハーフタイムのロッカールームの雰囲気について、相馬監督が自ら「まるで負けている試合のようでしたね」と笑ったように、細かなミスで得点機を逸したり、相手を勢いづけてしまったりといったプレーに対して、厳しい言葉が出ていました。

けっして帝京に油断があったとは思いません。学生たちは全力でプレーしていましたし、いいプレーもたくさんありました。しかし、それは意識レベルでの話。無意識の中に油断がまったくなかったのかが問題です。

難しいのは「無意識」ゆえ、文字どおり、意識できない点です。油断などしているわけがないと意識で思えば思うほど、無意識での油断は見えづらくなります。

うまくいかないという結果を経ることで、「無意識のうちに油断があったのかもしれない」と気付くことができるかもしれませんが、さらにここで重要となるのはその無意識の油断への対処法です。気付いた人が声掛けをすることであったり、普段の練習でやっている基本プレーに立ち返ることであったり、いろいろあると思いますが、緊急時にいきなりできるとは限りません。

対処法も何度かやっているからこそ、いざという時に即座に行動できるのです。

「油断なき油断」とその対処法を、この春の段階で経験できたことはけっしてネガティブなことではなく、成長のために必要な、一つの大きなステップだったと思います。

(文/木村俊太・写真/和田八束)

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